この項目では、ソフトウェアについて説明しています。その他の用法については「シェイク (曖昧さ回避)」をご覧ください。
Shake(シェイク)は、Appleの映画やHDTV等の高解像度の映像、VFXに使用されるデジタル合成を目的としたMac OS XとLinux用ソフトウェアである。2009年7月31日時点で販売終了している。目次 CGと実写、ブルーバック素材を合成するのに特に優れたソフトウェア。高解像度の映像も高速で処理できる高性能のソフトであり、モーフィングやタイムリマップ Appleは企業戦略上、プロフェッショナル向けハイエンドソフト、及びそれらのユーザをMac OS Xプラットフォームに移行させたいと考えており、Aliasが開発するMayaを始めとするSGIのワークステーションで動いていたいくつかのアプリケーションをMac OS Xへ移植させている。Shakeの場合は買収という方法で達成した。
1 概要
2 歴史
3 機能
4 動作環境
5 ライセンス
6 事例
7 外部リンク
概要
歴史
1996年 Nothing Real社創設
Allen Edwards と Arnaud Hervasが自分自身で使いたいものを作るという目標のもと創設する。Thomson Digital Image社とSony Pictures Imageworks社の協力を得る。元々ハリウッドの映画製作の現場で生まれたインハウスのソフトウェアであった。実際のユーザの視点に立ち、ポストプロダクションのユーザに素早く反応を返すことを企業理念として持っていた。
1997年 Shake 1.0リリース
解像度非依存で、マルチプラットフォーム(IRIXとWindows95およびNT)、スピードを重視したプロダクトであった。尚、この頃のユーザインターフェースはコマンドラインのみ。
1998年 Shake 2.0リリース
GUIが搭載される。
1998年 Shake 2.1リリース
マスク機能、オートキーフレーム、Z深度バッファが搭載され、Primatte Keyerがバンドルされる。
2000年 Shake 2.2リリース
マルチプロセッササポート、スタビライザ、タイムラインビュー、フィールドレンダリング機能が搭載される。
2001年 Shake 2.4リリース
新たにLinuxのサポートが加わり、ベクターベースのペイント機能、ロトスコープ、拡張されたカラーコレクションノード、Keylightプラグイン搭載、Ultimatte Keyerがサポートされ、Mac OS Xへ移植することが発表される。
2002年 Nothing Real社、Appleに買収される。
2002年 Shake 2.5リリース。
Mac OS Xに対応。Windowsを始めとするMac OS X以外のプラットフォームからMac OS Xに移行する場合、保有するライセンス数を2倍にして無償で提供するキャンペーンを発表。
2003年 Shake 3.0リリース。
Windowsプラットフォームのサポートが中止される。前述のキャンペーンは引き続き継続された。外部I/O(SDIなど)を追加することで放送用カラーでのリアルタイムプレビューが可能になる。
2004年 Shake 3.5リリース
モーフィング及びワーピング機能が搭載される。分散レンダリングソフトのQmasterがそこそこ使えるものになった。
2005年 Shake 4リリース
3Dマルチレイヤー合成機能とオプティカルフロー機能が搭載される。弱いとされていた3D空間の扱いが向上し、高精度のタイムリマップが行えるようになった。価格は33万円。
2006年 Shake 4.1リリース
Mac OS X版が、PowerPCおよびIntelアーキテクチャーの双方に対応したUniversal Binary版としてリリースされる。大幅な価格改定も行われ、Shake 4の約5分の1となる62,000円に値下げされた。
2008年 Shake 4.1.1アップデートリリース
2009年7月31日 販売終了
AppleによるNothing Real買収後、Mac OS X版に移行を促すいくつかの優遇策が行われた。価格については日本円で60万円程度だったものが半額近くに値下げされ、ライセンスについてはレンダリングに使うことができるCUI版を同一ネットワーク内のコンピュータに限り複数インストール可能となった。また、他のプラットフォームから移行する場合は上述2002年にある支援策を行った。
その一方で、Windows版とIRIX版のサポートは停止され、Linux版は積極的な価格改定などは行わず、ライセンス形態もネットワークフローティングライセンス(後述)のみとなっている。