Shade_(ソフトウェア)
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Shade 3D開発元Shade3D

最新版23.2 / 2022年11月10日 (17か月前) (2022-11-10)
対応OSmacOS Catalina / macOS Big Sur / macOS Monterey / macOS Ventura / Windows 8.1 / 10 / Windows 11
プラットフォームx64, AArch64
種別3DCGソフトウェア
ライセンスプロプライエタリ
公式サイト ⇒Shade 3D 公式
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Shade 3D(シェード スリーディー)は、フォーラムエイトが開発するmacOSおよびWindows用の統合型3DCGソフトウェア

かつてはエクス・ツールス(2003年まで)、イーフロンティア(2013年まで)、Shade3D社(2018年まで)で開発された。
特徴

1986年の製品化以来30年以上の歴史を持つ。特に専門分野は設定されていないオールインワンソフトウェアであるが、しばしば建築パース制作、イラストレーション制作、教育機関での導入事例が取り上げられる。2004年時点でユーザ数は30万人超であり、そのほとんどが日本市場におけるものであった[1]。2014年10月、イーフロンティアはアクティブユーザー数が19万人居ると発表した[2]

姉妹ソフトウェアとして3D住宅デザインソフト『Shade ドリームハウス』(Shade Home Designから改称)、ならびに『機動戦士ガンダム』を題材にした『ガンダムバーチャルモデラー プロ』(発売元はバンダイ)が存在する。Shade ドリームハウスはShadeのような統合型3DCGソフトウェアではなく、Windows版のみであるが、互換性のあるファイルをやりとりできる。バーチャルモデラーはデフォルトで用意されているメカニックモデルにポーズを付けて1枚のCGを作るもので、形状の変更や新規作成の機能は省略されていたが、データに互換性があるためShadeでも扱うことが可能であった。
モデリングの特徴

竹ひご細工のように3次元空間上で複数のベジェ曲線を接続してモデリングする「自由曲面」と呼ばれるモデリング方法が特徴的である。自由曲面は多様な曲率の滑らかな曲面を少ないコントロールポイントで作成できるため、機械や建築物といった幾何学的形状のモデリングに適しており、またベジェ曲線がベースであるため、Illustratorなどのドローソフトに慣れた人にとっては親しみやすい。その一方で、自由曲面はベジェ曲線への慣れが必要であり、多くのスプライン曲面と同様にメッシュ構造が格子状に限定され、また人体のような有機的形状のモデリングにおいて、ベジェ曲線の接線ハンドル同士が干渉してしわが発生しやすい短所がある。

過去にはこのような有機的形状での問題に対処する方法は少なかったが、バージョンを重ねるにつれ、メタボールポリゴンメッシュのサブディビジョンサーフェス(細分割曲面)や面の押し出しなどの機能が強化され、幾何学的形状には自由曲面、有機的形状にはポリゴンメッシュやメタボールといった使い分けができるようになっている。

また、Ver.17からはNURBSモデリング機能が搭載され、3DCADのようなモデリングが可能になっている。
レンダリングの特徴

グレードによってレンダリング可能な最大サイズが制限されているものの、廉価な下位グレードでもパストレーシングやフォトンマッピングラジオシティといった写実的な照明計算を行う大域照明に対応している。開発元イーフロンティアの園田浩二によれば、Shadeは従来より静止画制作での利用が主であるため、標準設定で高品質なレンダリング結果を得られるよう調整されていた[3]。高画質志向の代償として時間がかかる傾向があったが、Shade 9以降では計算を間引いて高速化するイラディアンスキャッシュ機能を搭載、バージョンごとに最適化が重ねられている[4]

トゥーンレンダリング立体視ビューカメラのような光軸調整によるあおり補正といった特殊なレンダリングにも対応する。
歴史
開発の歴史

Shadeシリーズが初めて製品化されたのは1986年に発売されたPC-9800シリーズ用の『Shade PRO』である。1990年に改めてMacintosh用のソフトウェアとして『Shade III』が発売された後、1997年の機能限定版『Shade debut(シェード・デビュ)』を皮切りにWindows版が発売され、現在ではMacintosh版・Windows版が同時リリースされている。一時期Linux版の開発も試験的に行われていたが、中止された。

2003年までは、福岡に本社があったエクス・ツールスが開発・販売を行っていたが、同社が経営破綻したため、権利を譲渡されたイーフロンティアが開発・販売を継いだ。開発会社変更後の最初のメジャーバージョンアップとなったShade 7では、予定されていた新機能の搭載がいくつか見送られ、Shade 6に存在した機能が削減されたこともあった[3]。2003年にイーフロンティアは3D人体制作ソフトウェア『Poser』の開発・発売を手がける米Curious Labs Inc.(現e frontier America Inc.)を買収し、PoserとShadeとのソフトウェア上での連携(PoserFusion)を実現すると共に、Shadeの日本国外での発売元としたが、2007年にPoserの所有権は米Smith Micro Softwareに譲渡された[5]。また、2006年にイーフロンティアは仏Eovia Europeのモデリングソフトウェア『Amapi』を買収し、AmapiとShadeの連携を図ると発表したが、この計画は事実上頓挫した。2008年には建築CADメーカー10社と共同で、Shadeの技術を基にした部品データ向けのSPEEDフォーマットを発表。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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