この項目では、ウェブブラウザについて説明しています。
「シーモンキー」という名称で販売される水生の甲殻類については「アルテミア」をご覧ください。
SeaMonkey
SeaMonkey 2.53.10 のスクリーンショット
開発元SeaMonkey Council
SeaMonkey(シーモンキー)は、SeaMonkey AssociationのSeaMonkey Councilによって開発されているインターネット統合アプリケーション。Mozilla Suiteの後継となるソフトウェアである。
特徴SeaMonkey Composer
SeaMonkeyはMozilla Firefoxで使われているGeckoと呼ばれるレンダリングエンジンを使用している。SeaMonkeyにはタブブラウザ方式のウェブブラウザ、電子メールクライアント、ニュースグループクライアント、IRCクライアント、単にComposerとも呼ばれる WYSIWYGのHTML編集ツール(Mozilla Composer/右のスクリーンショット参照)が含まれている。
Mozillaからの改良が加えられ、SVGサポートやフィッシングメールの検出などFirefoxやThunderbirdの持つ機能も幾らか利用できるようになっている。SeaMonkeyという名前は小型甲殻類アルテミアの別名に由来する。
2006年1月30日にSeaMonkeyプロジェクトにてWindows、Mac OS X、Linuxの各オペレーティングシステム (OS) におけるファーストリリース、英語版バージョン1.0が公開された。
なおMozilla Firefox 57でレイアウトエンジンがServoに移行しXPCOMが廃止されたことに伴い、GeckoでもXPCOMの廃止が進んだ。そのためXPCOMに依存していたSeaMonkeyは、法人向け延長サポート版のFirefox ESRで使われているバージョンのGeckoを基にしてThunderbirdと共同でコンポーネント部分の開発を行っている。 SeaMonkey ProjectではソフトウェアにFirefoxやThunderbirdの持つ機能やセキュリティフィックスを一部盛り込むと同時に、SeaMonkeyで生まれた改良点をFirefoxやThunderbirdへフィードバックすることになっている。その関連でGeckoエンジンのバージョンはFirefoxやThunderbirdに合わせるような形となり、多くの場合同時期アップデートとなるため、末尾の数字とバージョン末尾の数字が一致しない場合がある。
歴史
2005年3月、Mozilla Foundationは「Mozilla」名義で発表していたインターネット統合アプリケーションをバージョン1.7で打ち切り、今後はMozilla Firefox(ブラウザ)とMozilla Thunderbird(電子メールクライアント)の開発に注力していくと発表した[4]。同時に、開発コード「SeaMonkey」として開発が続けられていたMozillaについて、開発の継続を行う意志のあるコミュニティに対し、ソースコードなどの環境を提供し、協力していくと表明した。
2005年7月、SeaMonkey CouncilがMozillaの開発を継続することを表明し、ここにSeaMonkeyプロジェクトが立ち上がった[5]。プロジェクトはMozilla時代から使われてきた開発コードをそのまま踏襲することとなり、プロジェクトの名称はもともとMozilla 1.8のコードネームであったSeaMonkeyを正式のものとした。SeaMonkeyプロジェクトによって開発が再開されたインターネット統合アプリケーションは、同年9月にアルファ版、12月にベータ版をリリースする。
2006年2月、SeaMonkeyプロジェクトの最初の製品版であるバージョン1.0の英語版がリリース。さらに2007年7月にはかねてより非公式で提供されていた日本語インストーラー版(Windows)と日本語化パック(マルチプラットフォーム)がSeaMonkey Councilの承認を受け公式版としてリリースされるようになる。[6]。
2009年11月、SeaMonkey 2.0がリリースされた。このリリースでは、Firefox 3.5相当のプラットフォームへのアップデートが行われたほか、フィードのサポートや新テーマ、タブ機能を利用可能なメールクライアントなどを新たに備えた。また、JavaScriptの高速化などもアップデートにより実現している[7]。
2012年1月、SeaMonkeyのコミュニティとして、ドイツに登録社団SeaMonkey Association (SeaMonkey e.V.)を設立[8]。
2020年1月、SeaMonkey CouncilがMozilla Foundationから独立し、SeaMonkey Association内に移行。
バージョンの変遷
1.0系列
2005年7月2日 - 開発打ち切りとなっていたMozillaをThe SeaMonkey Councilが引き継ぎ、ソフト名をSeaMonkeyに変更しての開発続行が決定。
2006年1月30日 - 開発が引き継がれてから初の正式リリースとなる、SeaMonkey 1.0がリリース。(rv.1.8.0.1)
2006年4月13日 - SeaMonkey 1.0.1リリース。Intel Macへの対応。Firefox 1.5.0.3と同時リリース。(rv.1.8.0.3)
2006年6月1日 - SeaMonkey 1.0.2リリース。安定性の向上、セキュリティフィックス。Firefox、Thunderbirdの1.5.0.4と同時リリース。(rv.1.8.0.4)
2006年7月27日 - SeaMonkey 1.0.3リリース。Firefox、Thunderbird 1.5.0.5との同時リリース。(rv:1.8.0.5)
2006年8月2日 - SeaMonkey 1.0.4リリース。Firefox 1.5.0.6との同時リリース。(rv:1.8.0.6)
2006年9月16日 - SeaMonkey 1.0.5リリース。Firefox、Thunderbird 1.5.0.7、Camino 1.0.3との同時リリース。(rv:1.8.0.7)
2006年11月7日 - SeaMonkey 1.0.6リリース。Firefox、Thunderbird 1.5.0.8との同時リリース。(rv:1.8.0.8)
2006年12月18日 - SeaMonkey 1.0.7リリース。Firefox、Thunderbird 1.5.0.9との同時リリース。(rv:1.8.0.9)
2007年2月28日 - SeaMonkey 1.0.8リリース。1.1.1と同等のセキュリティフィックス。(rv:1.8.0.10)
2007年5月30日 - SeaMonkey 1.0.9リリース。1.0.xの最終リリース。
1.1系列
2007年1月18日 - SeaMonkey 1.1リリース。新機能の追加、セキュリティフィックス。(rv:1.8.1.2pre - 1.8.1.2のプレビュー版)
2007年2月28日 - SeaMonkey 1.1.1リリース。(rv:1.8.1.2)
2007年5月30日 - SeaMonkey 1.1.2リリース。同年7月16日には公式の日本語版が初めて公開される。(rv:1.8.1.4)
2007年7月19日 - SeaMonkey 1.1.3リリース。(rv:1.8.1.5)
2007年8月3日 - SeaMonkey 1.1.4リリース。(rv:1.8.1.6)
2007年10月19日 - SeaMonkey 1.1.5リリース。(rv:1.8.1.8)
2007年11月5日 - SeaMonkey 1.1.6リリース。(rv:1.8.1.9)
2007年11月30日 - SeaMonkey 1.1.7リリース。(rv:1.8.1.11)
2008年2月7日 - SeaMonkey 1.1.8リリース。(rv:1.8.1.12)
2008年3月25日 - SeaMonkey 1.1.9リリース。(rv:1.8.1.13)
2008年7月2日 - SeaMonkey 1.1.10リリース。(rv:1.8.1.15)
2008年7月15日 - SeaMonkey 1.1.11リリース。(rv:1.8.1.16)
2008年9月23日 - SeaMonkey 1.1.12リリース。(rv:1.8.1.17)
2008年11月13日 - SeaMonkey 1.1.13リリース。(rv:1.8.1.18)
2008年12月16日 - SeaMonkey 1.1.14リリース。(rv:1.8.1.19)
2009年3月18日 - SeaMonkey 1.1.15リリース。(rv:1.8.1.21)
2009年4月8日 - SeaMonkey 1.1.16リリース。(rv:1.8.1.21)
2009年6月23日 - SeaMonkey 1.1.17リリース。(rv:1.8.1.22)
2009年9月3日 - SeaMonkey 1.1.18リリース。(rv:1.8.1.23)
2010年3月16日 - SeaMonkey 1.1.19リリース。1.1.xの最終リリース[9]。(rv:1.8.1.24)
2.x系列
2009年10月27日 - SeaMonkey 2.0リリース。操作性はほぼ同じながらもコードが大幅に書き直され、FirefoxやThunderbirdに搭載されている自動更新や拡張機能マネージャなどの機能が取り込まれた。(rv:1.9.1.4)
2009年12月15日 - SeaMonkey 2.0.1リリース。セキュリティフィックス。(rv:1.9.1.6)
2010年1月11日 - SeaMonkey 2.0.2リリース。メールアドレスの自動補完をメッセージ作成画面で行うとフリーズする問題など、4件の安定性に関する問題の修正。セキュリティフィックスは無い。(rv:1.9.1.7)
2010年2月17日 - SeaMonkey 2.0.3リリース。セキュリティフィックス。このバージョンから、2.0系列でも日本語版が用意されるようになった。(rv:1.9.1.8)
2010年3月30日 - SeaMonkey 2.0.4リリース。セキュリティフィックス。
2010年6月22日 - SeaMonkey 2.0.5リリース。セキュリティフィックス。