Satanikus_ENMA_ケルベロス
[Wikipedia|▼Menu]

『Satanikus ENMA ケルベロス』(サタニクスエンマケルベロス)は、原作永井豪漫画:烏山英司による日本漫画作品。
概要

講談社の雑誌『マガジンZ』にて2007年8月号より連載されていた。永井豪の未完になっている漫画版『鬼公子炎魔 -雷帝地獄変・序章-』(「ドロロンえん魔くん」の続編に当たる)の続編であるが、総じでスピンオフである。ドロロンえん魔くんの直接的な続編ではない。

地獄界における権力争いで鬼公子炎魔は命を落とし、恐ろしい妖魔たちが世に放たれた。妻の雪鬼姫と息子の炎鬼丸は、炎魔を復活させるために人間界で妖魔を狩り、そのアストラルを収集するために活躍する。
登場人物
主要人物
雪鬼姫(ゆきひめ)
炎魔の妻にして、本作の主人公。
雪女一族の長。地獄の覇権争いで命を落とした炎魔を復活させるべく、息子の炎鬼丸と共に人間界へ降り立った。普段は「永井荘」というアパートで暮らしており「炎(ほむら) 雪江」という名の主婦を装っている。明るく快活な性格で、息子をもうけてからは“肝っ玉母さん”を地でいく母親となっている。夫の炎魔や故郷たる地獄への想いは強く、「全てが在りし日の姿を取り戻すまで負けるわけにはいかない」という、鋼の信念の元に妖魔と戦う。炎魔の魂を宿す慶太郎に関しては「炎魔とは別人」と割り切っているつもりでも、元々慶太郎が炎魔と(性格が)似ているのもあって、慶太郎が他の女性と親しくしている所を見ると思わず嫉妬してしまうなど、心境は些か複雑な模様。氷や冷気を操る戦法以外にも、炎鬼丸との氷の力を合わせる“氷力連昇”を行う事で『雪鬼姫 乱 雪月華』へと“氷結転身”(要するにパワーアップ)する事が可能。その際には“ツララ剣 弐ノ型 羅雪”という名の巨大な氷の剣を振るう。神喰らいとの決着後は、現世で悪事を働く妖魔達が後を絶たないため、そして炎魔と慶太郎が融合を果たした事もあり、融合した事で余計タチが悪くなった2人のスケベぶりに辟易しつつも、人間界で彼等と共に妖魔退治を続けている。決め台詞は「その悪しき魂 凍てつかせて散るがいい」。
炎鬼丸(えんきまる)
炎魔と雪鬼姫の息子。眼鏡を掛けた幼い少年。年齢に似合わない冷静沈着さ・冷徹さを持ち、炎魔と雪鬼姫の息子だけあって戦闘能力は折り紙付き。しかし「妖魔の魂を狩る」という目的以外にはほとんど興味を示さない徹底した合理主義者で、特に他人との必要以上の馴れ合いを嫌い、そういった面に関しては母の雪鬼姫からも苦言を呈されており、カパエルからも「(雪鬼姫の)実の子とは思えない」と密かに言われている。炎魔が遺した『火竜の杖』を使い炎を操って戦うのが基本的な戦闘スタイルだが、母親の氷の力も同時に受け継いでおり、そちらの方は主に窮地に陥った際の切り札として使用される事が多い。「ここ(人間界)で学ぶべきこと ここでしか学べないことを私や炎魔と同じように学んでほしい」という雪鬼姫の親心の元、普段は「炎 又次郎」という名で小学校に5年生として通わされている。小学生とは思えぬ卓越した頭脳・身体能力に加え、前述の通りの性格が災いしてクラスでは浮いた存在だったが、大道芸人を目指すクラスメイト・柊茜とその友人のタケ・敦によって強引に彼等の一座に引き込まれたのをきっかけとして、徐々に変化の兆しを見せる。父親の炎魔については覇権争いが起こっていた当時は産まれて間もなかったため、口伝えでしか彼の人となり、または武勇伝を知らない。炎魔が命と引き換えに地獄を守った事については、「それで大事な人を泣かせてしまったら意味がない」と多少の憤りを感じている。慶太郎の事は彼が雪鬼姫に好意を抱いているため警戒心を抱いており、一度慶太郎が雪鬼姫を事故で押し倒してしまったのをいい事に彼女に迫った時は、失神する程の強烈な一撃を浴びせている。神喰らいとの決着後は雪鬼姫と共に人間界に留まり、妖魔退治を続けている。その際には今まで見せなかった子供らしい表情を見せていた。
シャポーキッド
炎鬼丸に被られている、生きた帽子で普段は野球帽に化けている。前作に登場したシャポ爺の孫。雪鬼姫を「姐(ねえ)さん」、炎鬼丸を「二代目」と呼ぶ。雪鬼姫達が倒した妖魔の魂を吸い出すのが役目。多少口が悪い。
剛利鬼(ごうりき)
雪鬼姫の協力者。鬼神族の1人。地獄では閻魔殿守護鬼士隊隊長を務めている。「雷神」の通り名を持つ数多の死線を潜り抜けてきた豪傑で、その拳から繰り出される一撃は“豪雷一閃”と謳われている。能力はその異名が示す通り、雷を操る力に加え、戦闘には使用していないが札を使った符術も得意としている。人間の姿の時は僧の格好をしており、一人称は「某」。雪鬼姫を「姫様」、炎鬼丸を「若」と呼ぶ。大王の座を継ぐ者に継承されてきた書物“創世記”を奪還するべく、人間界へとやって来た。慶太郎には雪鬼姫の兄の「剛(つよし)」だという事で通していて(当初慶太郎には雪鬼姫の間男だと勘繰られていた)、雪鬼姫達が不在の間の慶太郎の警護も担当している。神喰らいとの最終決戦ではノワール・クリムゾンと闘い、『温羅剛利鬼』へと“黒妖転身”し捨て身の一撃を放つ。そのまま死んでしまったかと思われていたが、瀕死の所を閻魔大王に救われた。決着後は大王と共に地獄へ帰還している。
坂崎 慶太郎(さかざき けいたろう)
炎魔の魂を宿している大学生(5年前に事故に遭い生死の境を彷徨った際に、魂を宿された模様)。経済学部の四年生。炎魔同様スケベで美人に目のない「N大きってのスケベ大将」の異名を持つ、子供っぽい男。友好的に接してくる雪鬼姫に好意を抱いている。雪鬼姫と炎鬼丸の正体、そして自身の中に眠る炎魔の魂について長らく何も知らないままだったが、剛利鬼が真の姿を現したのを見て彼が人間ではない事を知り、それと同時に剛利鬼を自分の兄だと言っていた雪江(雪鬼姫)も人間ではない事に気付く。更にラフィエルによって炎魔の魂の存在を知らされた。神喰らいとの決着後は炎魔と融合し、炎魔と慶太郎の人格が同時に存在する「炎太郎」となって雪鬼姫・炎鬼丸と共に妖魔退治を行っている。
カパエル
雪鬼姫の協力者。河童とカエルの混血の妖怪で、泳ぐ以外に跳躍も得意。炎魔と雪鬼姫が子供の頃に共に妖怪と闘った仲間だが、一度七大公の1人・雷魔の手先となって敵対した事もあった。現在は妖魔の手から逃れるため、人間界でおでん屋を営む傍ら情報屋として暮らしている。また、妖魔の手から逃れるために地上に降りてきた難民妖怪達の顔役という面も持つ。雪鬼姫達が人間界で暮らす手はずを整えたり、妖魔に関する情報を雪鬼姫に提供するなどして、彼女に貢献している。慶太郎の中にいる炎魔の人格が表に出てきた時は彼に殴られ、更には雪鬼姫に踏み付けられたり、自身の隠れ家に住む事になった艶流魔にパシられたりと、不遇な目に遭うのは変わらず。神喰らいとの最終決戦では艶流魔の魂を守ろうとしてラフィエルに重傷を負わされるが、無事生存。決着後は現世で変わらず情報屋を続けている。
炎魔(えんま)
前作の主人公。雪鬼姫の夫。閻魔大王の甥にして、地獄の創造神ハデスの正当なる血族。『爆炎の鬼公子』の異名を持つ。相当な好色漢なのが玉に瑕だが、いかなる巨悪にも臆さず立ち向かい、その名の通り全ての魔を焼き払う烈火の如き猛き様で、剛利鬼を初めとする多くの者達に慕われている。地獄の覇権争いの際、七大公の1人・業魔によって破壊された“最終地獄(ジュデッカ)の門”から溢れ出した瘴気を抑えるのと同時に、門から解放された古の魔物の侵攻を命と引き換えに食い止めた。そのせいで肉体は消滅してしまったが、魂だけは閻魔大王の力で消滅寸前の所を救い出され、今は慶太郎の中で生き続けている。神喰らいとの最終決戦では閻魔大王の手で復活を果たし、ラフィエルを一撃で倒した。決着後は慶太郎と融合して「炎太郎」となり、相棒的存在となった慶太郎と(主に女関係で)息の合った遣り取りをしつつ、妖魔退治を行っている。最終話では「その悪しき魂・・・・燃やし尽くして灰にしてやんぜぇ!!!」という決め台詞を披露した。
敵対者
神喰らい(クロノイズ)
カイゼル
神喰らいを率いる男。通称『黒翼の王』。彼だけは“最終地獄の門”に封じられてはおらず、どこか別の“暗き地の底”へ捕らえられている。グレイド曰く、ラフィエルと共に?
本来の主”を裏切った反逆者らしい。結果的にケルベロス召喚は阻止された為、彼が雪鬼姫達の前に姿を現す事はなかった。しかし最終話で「この手で神を喰らうまで 我らは決して止まらない」と言っていた事から、己の解放を諦めた訳ではない模様。
グレイド
神喰らいの一員。右目に眼帯をした男。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:18 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef