Safari
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これは当時のFlashが広告や動画コンテンツの表示技術として独占的な地位にあり、事実上全てのブラウザに必須と見做されていたためだが、結果的にSafariのこの方針がFlashの独占に風穴を開け、オープンな代替技術であるHTML5への移行を促す役割を果たすことになった[5]。需要が減少したAdobe Flash Playerはその後2020年に開発が終了し、macOS版Safariを含む全てのウェブブラウザから排除されている[6]
他のウェブブラウザとの関係

Safariの登場後、Mozillaは動作速度に劣るとされていたMozillaスイートから、当時は実験的なプロジェクトの一つだった軽量・高速なブラウザである「Phoenix」に開発の軸足を移すことになった。この方針転換にはAppleがGecko採用を見送ったことが影響している[7]。Phoenixはその後Mozilla Firefoxと改称され、2004年に正式版が登場した。

2008年に登場したGoogle Chromeは当初Safariと同じWebKitをレンダリングエンジンとして採用し、Safariとの高い互換性を保っていたが、2013年GoogleによってWebKitから分岐したBlinkに移行してからは競合関係となっている。

2023年5月のStatCounterの調査によれば、Safariはデスクトップ用ウェブブラウザの中で11.87%の利用シェアを持ち、66.13%のChromeに次いで世界で2番目に人気のあるブラウザとなっており、Microsoft Edgeの11%、Firefoxの5.65%を上回っている[8]
歴史

2003年

1月7日にApple ComputerがSafariのベータ版を発表。

6月24日に公式版1.0を発表。そのすぐ後、マイクロソフトはInternet Explorer for Macの開発を中止すると発表した。

10月24日に発売されたMac OS X v10.3には、バージョン 1.1 (v100) を搭載。Safariが標準のブラウザ、Internet Explorer for Macは代替ブラウザという位置づけになった。

Mac OS X v10.2.8向けの最終バージョンは1.0.3、Mac OS X v10.3.9向けの最終バージョンは1.3.2。これらの2つは2007年末までにサポートが終了している。



2005年4月29日に発売されたMac OS X v10.4には、バージョン2.0 (v412) を搭載。初のメジャーバージョンアップであり、RSSリーダーなどの機能が追加されている。

2007年6月11日にWindows版Safariの開発が発表された。同時にMac OS X、Windowsプラットフォーム対応、Safari 3.0 (v522.11) のパブリックベータが公開された。Safariのウェブブラウザ市場占有率の向上を狙った投入であり、AppleのWindows版ソフトウェアはQuickTimeiTunesに続き3本目となる[9]

2008年3月18日、Mac OS X v10.5.2、Mac OS X v10.4.11、Windows XP、Windows Vista向けにSafari 3.1 (525.13) が公開された[10]

2009年

2月24日にAppleがSafari 4ベータ版を発表[11][12]

6月9日にAppleがSafari 4の正式版を発表。β版の不具合の修正、日本語を含む表示言語の追加や、タブ表示に変更がされている。

Mac OS Xでは、リリースされてきたSecurity UpdateにSafariに関係するセキュリティ修正が多数含まれてきたが、必ずしもWebCoreのバージョンが上がっている訳ではない[13][14]



2010年6月7日に、Safari 5が発表された。サードパーティーの機能拡張をサポート、ページ内の広告などを非表示にできるSafariリーダーの搭載、検索オプションにBingの追加、GeolocationやWebSocketを始めとしたHTML5の対応強化、JavaScriptのパフォーマンスが30%向上、開発者用ツールの改善など。

2011年7月20日、WebKit2を採用したSafari 5.1が公開。サンドボックス化し、WebProcess.appで、Safari本体とWeb描画のプロセスを分けた。

2012年

3月12日、Safari 5.1.4が公開。StagedFrameworks利用によるサンドボックスの改良。

7月26日、OS X Mountain LionのリリースとともにSafari 6が公開。しかしWindows向けのバージョンは用意されず、旧バージョンのダウンロードもサポートページからしかできなくなった。

10月23日、情報処理推進機構セキュリティホールが存在するためWindows向けSafariの使用停止を勧告した[15]


2013年10月22日、OS X MavericksのリリースとともにSafari 7が公開。ウィンドウやタブごとに個別プロセス化。共有リンクやキーチェーンなど多くの機能を追加し、パフォーマンスやバッテリー効率を向上。旧バージョン向けにはSafari 6.1が公開。

2014年10月16日、OS X YosemiteのリリースとともにSafari 8が公開。

2015年9月30日、OS X El Capitanのリリースとともに、MavericksやYosemite向けも含め、Safari 9がリリースされた。

2016年9月20日、macOS Sierraのリリースとともに、YosemiteやEl Capitan向けも含め、Safari 10がリリースされた[16]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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