この項目では、ウェブブラウザについて説明しています。その他の用法については「サファリ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
Safari
macOS Ventura上で動作するSafari 16
開発元 アメリカ合衆国
Apple
初版2003年1月7日
最新版17.5 - 2024年5月13日 (22日前) (2024-05-13)[1] [±]
Safari(サファリ)は、Appleにより開発されているウェブブラウザ。レンダリングエンジンのWebKitを初めとするオープンソースソフトウェアをベースにしており、Mac標準搭載のウェブブラウザとして過去のInternet Explorer for MacやNetscape Navigatorを置き換える形で登場した。macOS、iOS、iPadOSに対応しており、2007年から2012年まではWindows版も提供されていた。 Safariは2003年のMac OS X v10.3と共に正式版が登場し、以降macOSのメジャーアップデートに合わせて最新版が公開されており、2024年現在はバージョン17が最新版となっている。 1997年、Appleはマイクロソフトが提供するInternet Explorer for Macを5年間Macの標準搭載のブラウザとする契約を交わしていた。この契約が満了となる2002年当時、ウェブブラウザ市場はWindows向けに登場していた最新のInternet Explorer 6がシェアをほぼ独占する一方、Mac向けのInternet Explorerはバージョンが5で据え置かれ、時代遅れとなっていた。Internet Explorerの競合としてはNetscape(およびそのオープンソース版の Mozillaスイート)が有力視されており、機能面やウェブ標準への対応などで巻き返しを図っていたが動作速度で劣り、市場シェアを取り戻すには至っていなかった。こうした状況のなか、Appleは新たなブラウザを独自開発し、標準ブラウザを置き換えてマイクロソフトによる市場支配から脱却する必要に迫られていた。 2003年1月にMac OS X v10.2で動作する最初のベータ版が公開されたSafariは、そのレンダリングエンジンとしてNetscape(Mozillaスイート)で使われているGeckoではなく、まだ無名だったKonquerorのエンジンであるKHTMLをベースに開発された「WebKit」を搭載したことで話題を呼んだ。発表当初のSafariは最速のブラウザを謳い、ウェブ標準のサポートを売りにし、当時としては斬新だったツールバー統合のGoogle検索やポップアップ広告ブロック機能を搭載するなど、Appleは技術面・機能面での先進性をアピールし、Macのウェブブラウザ環境のイメージ改善を図った[2]。実際、Safariは画像に埋め込まれたカラープロファイリングを使った正確な色空間の描画に先んじて対応し、CSSについてもAcid2テストに最初期(2005年4月[3])に合格し、正式版としてではないがAcid3テストにおいても開発版のWebKit r31356(最初のスコア100は、r31342)が最初に合格するWebブラウザとなるなど[4]、同時期の他のウェブブラウザの中でも一二を争う描画の正確性を誇っていた。また、JavaScriptに関してはKJSを前身とするJavaScriptCore フレームワークを中核に備えていたことがブラウザの高速動作に一役買っていた。
概要
開発の経緯