SUSE_Linux_Enterprise_Server
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SUSE Linux EnterpriseSUSE Linux Enterprise 15 SP3スクリンショット
開発者SUSE
OSの系統Unix系
開発状況開発中
ソースモデルオープンソース
初版2000年8月31日 (23年前) (2000-08-31)
最新安定版15 SP5 / 2023年6月20日 (10か月前) (2023-06-20)
対象市場企業マーケット(メインフレームサーバワークステーションスーパーコンピュータを含む)
使用できる言語多言語
アップデート方式Zypper/YaST2
パッケージ管理RPM Package Manager
プラットフォームIA-32, x86-64, s390x(英語版), PowerPC, Itanium, AArch64
カーネル種別モノリシック (Linux)
ユーザランドGNU
既定のUIGNOME[1][2]
ライセンスGNU General Public Licenseなど
ウェブサイトwww.suse.com/products/server/
テンプレートを表示

SUSE Linux Enterprise (SLE) は、SUSEにより開発されたLinuxディストリビューションである。SLEはサーバメインフレーム、およびワークステーション用に設計されているが、テスト用としてデスクトップコンピュータにも同様にインストール可能である。メジャーバージョンは3-4年の間隔でリリースされるが、マイナーバージョン("Service Pack" と呼ばれる)は約18ヶ月毎にリリースされる。SUSE Linux Enterprise ServerなどのSUSE Linux Enterprise製品は、openSUSEコミュニティ製品よりも強力なテストを受けている。このテストは、含まれるコンポーネントのうち成熟した安定版のみがテストをパスしてリリースされる企業製品となることを意図したものである。

これはSUSE Linux Enterprise Desktopや他のSUSE Linux Enterprise製品と共通のコードベースから開発されている。
特徴

IBMワトソン[3]シリコングラフィックス (SGI) のHPC やミッションクリティカルな分野では圧倒的な実績を作っている。かつては、東、南欧諸国を始め、南米など非英語圏でのシェアは高かったが、元来、エンタープライズ分野に強いノベルによる買収以降、英語圏(米英など)での利用事例が増えた。例えばロンドン証券取引所[4]オフィス・デポ[5]三菱東京UFJ銀行[6]で採用されている。同じドイツ製品という事もあり2014年7月[7]まで SAP の唯一、認定されチューニングされた Linux ディストリビューションである。[8]

オープンソースでありながら、顧客ニーズを重視している事の表れとしてノベルの1部門だった時代に マイクロソフト との相互運用の提携を行った。初期のHyper-V仮想化環境における唯一の動作認定を受けたLinuxディストリビューションでもあり、SLEにはHyper-V統合サービスがあらかじめ導入されている。

堅牢性と高信頼性と併せYaSTツールによるCUIおよびGUIでのインストールと設定、管理の自動化ツールにより、コマンドラインでの管理に不慣れな管理者でも容易にセットアップを行う事ができる。YaST のパッケージマネージャー登録されていないアプリケーションは openSUSE/SLE用オープンソースソフトウェアを検索、ブラウザからダウンロードしてYaSTでインストールできる「1クリックインストール」機能がある。

SUSE Linux Enterprise Desktop (SLED) とはLibreOfficeなどのオフィスアプリケーション、マルチメディアアプリケーション、GIMPなどの画像処理ソフトウェアが搭載されない点で異なる。またxglのような3Dデスクトップも省略されている[9]
YaST

YaST (Yet another Setup Tool) ツールは、CUI版のYaSTとGUI版のYaST2の2つが利用できる。SUSE Linuxシリーズにおける共通のツールであり、特徴的なツールである。

HTTPサービスやSambaと言った多くの主要なサーバ向けサービスは全て、メニュー形式のYaSTによってインストールから必要なパラメータの設定、ブート時のサービスの起動と停止を指定できる。また、サービスの起動方法、パーティションの定義、ネットワークの設定、パッケージのインストール/アンインストールと言った、管理者の作業はコマンドラインを知らなくても、メニュー形式で実行できる。

操作はCUI版はTABキーやカーソルキー、スペースキーで行い、 GUI版はマウスクリックで操作できる。
1クリックインストール

SLEでは、SUSE公式リポジトリ以外から提供されるパッケージのサポートは行わない。しかしopneSUSEとの共通性が強く、openSUSEのリポジトリを利用すれば、各種のオープンソースプログラムの利用が自己責任で利用できる。openSUSEのソフトウェア配信サイトから、インストールしたいオープンソースプログラムをブラウザ上でクリックするだけで、YaST2のGUIインストーラでインストールできる1クリックインストールの機能がある[10]
SUSE Studio詳細は「SUSE Studio」を参照

SUSE StudioはopenSUSE/SLES用に用意された、オンラインアプライアンス作成ツールである。
VMDP

VMDP (SUSE Linux Enterprise Virtual Machine Driver Pack)[11] は、SLES をハイパーバイザーとした際に、完全仮想化された Windows の仮想環境上での、ディスクIO、ネットワークのパフォーマンスを向上させ、ハイパーバイザーからのシャットダウン、ポーズなどの動作を実現するための準仮想化ドライバである。

Xen の準仮想化では、ホストOS(Dom-0) とゲストOS(Dom-U) のカーネルにそれぞれパッチを当てる必要がある。Windows のようなプロプラエタリなオペレーティングシステムでは困難である。完全仮想化する必要がある。

VMDPは、Windows のブロックデバイス、ネットワーク、ホストからのシャットダウン制御を行うWindows のデバイスドライバとして、デバイスを抽象化、準仮想化させている。VMDP を搭載した SUSE Linux Xen 上の Windows は、ベアメタルに近いパフォーマンスを仮想化環境で実行できる。

SUSE Linux Enterprise 11 SP2 より KVM が公式にサポートされたため、VMDP 2.0 以降、Kernel-based Virtual Machine (KVM) 環境でも最適に動作する。これにより Windows ゲストOSを容易に Xen と KVM との間の移行が簡単となる。
サポートするオペレーティングシステム

Windows Server 2012 R2

Windows Server 2012

Windows Server 2008 SP2

Windows Server 2008 R2

Windows Server 2003 SP2

Windows 8.1

Windows 8

Windows 7 SP1

Windows Vista SP2

Windows XP SP3

歴史

SLEは、Joachim Schroderによりサポートされる、主要な開発者であるJosue MejiaとDavid Areasが率いる小規模なチームにより、SUSE Linuxをベースとして開発された。SLEはIBM S/390用のバージョンとして、2000年10月31日に最初にリリースされた[12]。2000年12月、最初の企業クライアント (Telia) が公開された[13]。最初のx86用SLEが2001年8月にリリースされた。

SLES version 9が2004年8月にリリースされ、Service Pack 4は2007年12月にリリースされた。SLES version 9はIBMHPサン・マイクロシステムズデルSGIレノボ、およびフジツー・シーメンス・コンピューターズなどのハードウェアベンダーによりサポートされている。

SUSE Linux Enterprise 10が2006年7月にリリースされ[14]、メジャーなハードウェアベンダーもこれをサポートした。Service Pack 4は2011年8月にリリースされた[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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