SUBMARINE_SUPER_99
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潜水艦スーパー99
漫画
作者
松本零士
出版社秋田書店
掲載誌冒険王
発表号1964年11月号 - 1965年12月号
巻数全2卷
アニメ:SUBMARINE SUPER 99
原作松本零士
監督又野弘道
シリーズ構成藤川桂介
脚本藤川桂介
キャラクターデザイン嶋津郁雄
メカニックデザイン板橋克己、原田吉朗
音楽溝淵新一郎
アニメーション制作ベガエンタテイメント
製作AT-Xテレビ東京
ポニーキャニオンエンタープライズ
ムービーテレビジョン、円谷映像
ベガエンタテイメント
放送局AT-X
放送期間2003年5月8日 - 7月31日
話数全13話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『潜水艦スーパー99』(せんすいかんスーパーナインナイン)は、松本零士による漫画作品。単行本は全2巻。
ストーリー

沖博士と沖五郎は日本海溝調査のため、深海調査艇「くろしお」で潜航する。だが謎の組織ヘルメット党の工作員によって調査艇は故障させられており、生死不明になってしまった。しかし二人はヘルメット党の存在を予期しており、潜水艦スーパー99を秘密裏に建造。後事を次男のススムに託していた。事態を重く見た日本政府によって海上自衛隊から乗員が集められ、99とヘルメット党潜水艦隊との戦いが始まる。
「海賊海軍出現の巻」

南太平洋のランドロック島南方で、客船シーエンゼル号から「日本のイ号潜水艦に雷撃を受け、沈没」との緊急電が99に届く。現場へ急行する99の前に現れたのは、キャプテン・コッコ率いる海賊海軍であった。
「海底ピラミッド編」

マダガスカル島沖で船が頻繁に行方不明に。99は調査に訪れるが、謎の潜水艦ピラミッド号の襲撃と、鉄製の部品が腐蝕するという怪現象に見舞われる。
概要

松本零士(雑誌連載当時のペンネームは松本あきら)の海洋冒険漫画。沖博士が秘密裏に建造したスーパー潜水艦「99」(ナインナイン)と、世界征服を企むテロ組織「ヘルメット党」との戦いを描く。雑誌『冒険王』(秋田書店)において、1964年11月号から1965年12月号まで連載された。

当時、小沢さとるの漫画『サブマリン707』によって潜水艦による海洋冒険漫画のブームが起きており、編集部からいわゆる「二匹目のドジョウ」を狙う意向で連載を依頼された作品であるが、『707』が比較的、史実の戦記物に近い潜水艦漫画であるのに対し、本作はL動力エンジン他、現実に拘泥しないSF風味がかなり強い作風になっている(『707』も途中からはかなりSF要素が強くなっているが、本作ほどではない)。

本編の他に外伝として「海賊海軍出現の巻」と「海底ピラミッド編」が1965年発行の『冒険王』の「お正月大増刊号」と「夏休み大増刊号」に掲載された。「海底ピラミッド編」は朝日ソノラマのサンワイドコミックス『光速エスパー』に収録されている。この2編は劇中における時系列的にはヘルメット党との戦いの最中に行われたエピソードであり、本編とは無関係な番外編と呼べる作品だが、どちらも最終頁にて「さぁ、我々にはヘルメット党との戦いが待っている」と大山に語らせており、連載本編へ読者を誘う宣伝に近い内容となっている。

2003年には、本作を原作とするテレビアニメ化がなされている。
用語
ヘルメット党
世界各地で海洋テロ活動を行う秘密結社。ルドルフ・ヘチが総統。その最終目的は世界征服で
ナチスドイツとの関係が示唆されている。本部は日本海溝のさらに地下にある。潜水艦隊や潜水空母、水爆ミサイル、陸軍などを保有。エンブレムはバルケンクロイツを基本に、棒を1本減らしてY字型に変形させたもの。党員は第三帝国陸軍風の軍服を着ている。潜水艦内でも士官はシンボル入りの大きな軍帽を被り、兵士はヘルメット党の名の通り、フリッツヘルメットを常に着用している。党員は数万人で国籍はさまざまだが、ヘチ曰く「ヘルメット党が新しい祖国」。本部基地には人工的に強力な潮流を発生させ味方の潜水艦を急速に収容する施設(敵からは消えたように見える)がある。岩棚の両側に無数の魚雷発射管を備えた要塞施設もある。本部基地の自爆装置は水爆で、爆発すると放射能が海底高速水道を通して世界中に広まってしまう。
秘密室
ヘルメット党本部基地の一番下にある。海底下2千メートル。ヘチ以外は入れない。内部は生臭い空気に包まれており、奇妙な形をしたゼス人との画像通信機が設置してある。そのスイッチには匂いの元である、ぬるぬるした粘液が付着していた。
自爆装置
ヘルメット党本部にある時限爆発式の自爆用核爆弾。潜水艦隊を失ったヘチが起爆スイッチを入れてU-13号で脱出するが、爆発3秒前にモーゼル提督の拳銃によって装置は破壊された。
海底高速水道
ヘチがアウトバーンを参考にして全世界に作った海底トンネル網。ヘルメット党本部から世界各地にのびている。このトンネルを使って潜水艦隊や陸軍部隊を世界同時に送り込み奇襲しようと考えた。ヘルメット党本部降伏後は潜水貨物船などの航路として平和利用される予定。
X-003
ヘルメット党本部からのびる海底水路のひとつ。他の水路は海底とほぼ並行に掘られているが、これだけは30度位の角度で地下へ掘り進んでおり、図面の行き先は空白になっている。実は地底海につながっていた。
宣伝フィルム
ヘルメット党がバチスカーフ内にわざと残したプロパガンダ映画。フィルム缶にはヘルメット党の象徴がマーキングされていた。ススム達はこのフィルム映像から敵首領ヘチ総統の存在や、沖博士生存の情報を得る。
地底海
ヒマラヤ山脈の3万メートル下にある広大な空洞に存在する海。地底だが何らかの光源は存在し、薄暗いが暗黒の世界ではない。チロザウルスラムホリンクスが生息。ゼス人が文明を築いている。
地底海人ゼス
地底海で独自の科学文明を築いている人類。水中活動に適応しているが空気中での活動にも支障はない模様。首にエラを持ち、手足には水かき。皮膚は緑色の粘液でおおわれていて、ウナギドジョウの粘液と同じ役割を果たす。この粘液は地上の人間には生臭い異臭として感じられる。長い地底生活で人口が減りつつあり、地上の人間のように太陽のもとで生きたいと望んでいる。ヘチはゼス人を地上に連れ出すのに必要という名目で、自身の世界征服に協力させていた。統治機構は帝政で皇帝が元首。現皇帝陛下は争いより平和を求める性格らしく、ヘチの死後は交渉が始まることが示唆される。沖博士は、人間の祖先に当たる生物が地底海に入り込み、地上と地下で互いの存在を知らずに別々に進化したと仮説を立てた。ヘチがどういう経緯で彼等の存在を知ったのかは不明。また、ヘチ自身が外見を人間に偽装した地底海人であった可能性もある。
九九式ライフル
沖五郎は第二次大戦で九九式短小銃を使用し、何度も命を救われた。戦後になって苦労して入手し、銃床などをスポーツ用に改造して愛用していた。くろしおで日本海溝に潜航する前にススムに託す。ススムはこれを用いて海竜丸へ突進する魚雷狙撃して爆破した。
L動力機関(エルどうりょくきかん)
沖博士が開発した新動力源。スーパー99のエンジンに使われている。原子力よりも強力だが放射能は出ないクリーンエネルギー燃料の補給無しに半永久的に稼働する。くわしい原理は語られていない。
ランドロック島
「海賊海軍出現の巻」に登場。南太平洋上の孤島で、キャプテン・コッコが根拠地にしている。
鉄食い虫(てつくいむし)
「海底ピラミッド編」に登場。地中海に落下した隕石から発見された微生物。発見者はミイラ博士。顕微鏡で百万倍に拡大しないと見えない。や鉄を含む合金を食べてしまい、酸化鉄を含んだ糞をする。これが大量に生息する海域は海水が鉄の赤錆で赤くなり大型船舶も穴だらけになって遭難してしまう。また糞からは特殊な合金が作れる。レーザー光線切断機でも歯が立たず、大山は「水爆にも耐えるかもしれない」と考えた。ミイラ博士はこの特殊合金を大量に入手するため、海に鉄食い虫を大量繁殖させた。
海底ピラミッド
「海底ピラミッド編」に登場。ミイラ博士は遭難させた船舶から作った前述の特殊合金で海底にピラミッド型の要塞を建造していた。中では船舶の乗員が奴隷として働かされている模様。
登場人物
99関係者
沖 ススム(おき ススム)
主人公の少年。沖博士の息子で五郎の弟。父と兄から潜水艦スーパー99と九九式ライフルを託され、ヘルメット党と戦う。沖博士の残した手紙の指示で
マニュアルを全て丸暗記した後に焼却したため、99の全機能はススム一人しか知らされていない。戦闘アドバイサーとして99に乗り込み、自身も修理艇や対潜ジェット機を操縦したり九九式ライフルで戦う。
沖 五郎(おき ごろう)
沖博士の息子でススムの兄。沖博士の右腕的存在。第二次世界大戦で南方の戦線を転戦。その際、九九式小銃に何度も命を救われた。ススムに自分の九九式ライフルを託し、父と共に「くろしお」で潜航。ヘルメット党に拉致された後は海底トンネルの工事で強制労働させられる。


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