1981年、後輪駆動用トランスファーに、世界で初めて流体式の電磁式油圧多板クラッチを実用化したフルタイムAWDオートマチックを発売。
また、この電磁式油圧多板クラッチを発展させ、前後不等・可変トルク配分とエンジン出力制御、ABSとの統合制御による高度なアクティブセーフティ(予防安全)技術である車両制御システムVDC(Vehicle Dynamics Control System、横滑り防止機構)も実用化している。このVDCは、すでに実用化されている自動運転支援システムADA(Active Driving Assist)や防衛関連事業で培った高度なロボット技術との統合制御による、完全自律運転システムへの発展が期待され研究が続けられている。
なお、2008年6月、このADAから前車との車間計測のために備えていたミリ波レーダーを廃して、2台のCCDステレオカメラで車両周辺の状況を解析・判断、車両制御技術としては世界初となる、車速が15 km/h以下での衝突被害軽減ブレーキ制御や障害物検知、さらに全車速追従型クルーズコントロールなどの機能を備えた「EyeSight(アイサイト)」システム搭載車を発売。従来の安全技術などと比べ高機能ながら割安で、戦略的な価格設定であった。その後EyeSightは2021年現在で新世代アイサイト(Ver.4相当)にまで進化し、とりわけVer.2以降は市場の認知も広がり、他社銘からの乗り換え需要をも取り込み爆発的な人気を博した。その後他社からも衝突被害軽減ブレーキ搭載車種が増えるなどASV普及の起爆剤となっているが、NASVA公式発表映像においても衝突回避の可否においてEyeSightと他社製品との雲泥の差を見せつけるなど性能の高さを実証した@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(ただし2017年現在、少なくとも定められた試験条件の中ではEyeSightに迫る性能を備えた他社製品[10]も増えてきている)[要出典]。リニアトロニック(東京モーターショー2009出展)
2020年現在広く使われている金属ベルト式無段変速機を「ECVT」の名で「ジャスティ」向けに世界に先駆けて量産車に導入した(オランダ、VDT(Van Doorne's Transmissie BV)との共同開発)。ECVTは自社小排気量車および日産・マーチ(K11型、「N-CVT」の名称で搭載)、イタリアFIAT社のプント、パンダに搭載された。CVTの技術はその後日産自動車に使用許可が与えられ、日本メーカー各社が主にコンパクトカーなどに採用しているジヤトコ社製「ハイパーCVT」の基となったといわれている。
スバルのCVT搭載車は2009年当時、サンバーを除く全軽自動車に搭載していたが、2009年5月20日にレガシィ、レガシィアウトバックにも金属チェーン式のバリエーター(主変速機機構)を採用した「リニアトロニック」CVTを新たに設定した。
公益社団法人自動車技術会「日本の自動車技術330選」の変速機・駆動系部門に、ECVTとリニアトロニックが選ばれている。
水平対向エンジンEG33型水平対向6気筒エンジン
現行の主力モデルでは、水平対向エンジンを車体前方に縦置き搭載して四輪を駆動するSYMMETRICAL AWD(シンメトリカルAWD)構造を特徴としている。水平対向エンジンは、かつてはフォルクスワーゲンを始め、GMやトヨタでも採用車種があるほど普及したエンジン形式であったが、横置きやロングストローク化に適さないことから徐々に採用メーカーが減り、2023年現在、量産型の乗用車用エンジンとしてはSUBARUとポルシェのみとなっている。また、フルタイム四輪駆動機構を展開する自動車メーカーとしてはドイツのアウディ等が有名であるが、前置き水平対向エンジンとフルタイムAWDの双方を組み合わせた製品を展開するのは、世界でSUBARUのみとなっている。
水平対向エンジンは、質量の大きなシリンダーヘッドがクランクシャフトと同じ高さとなるため、直列エンジンやV型エンジンに比べ重心が低い。また、向かい合うピストンのクランクピンが180°の位相にあるため、互いの一次振動を打ち消し合い、本質的に直列よりもエンジンの振動が少ない。
パッシブセーフティ(衝突安全)の面では、前面衝突時に水平対向エンジンの形状が問題となる。水平対向エンジンは横幅が広いため、前面衝突を制御するサイドメンバーを適切な位置に通すのが難しい[11]。この問題は、前面衝突時にエンジンとトランスミッションを床下に潜り込ませる「苦肉の策」により乗り越えている[注釈 8]。
環境対応車の開発2009年 スバル・R1ee-BOXERエンブレム(フォレスター)