STS-82ディスカバリーのペイロードベイから見たハッブル宇宙望遠鏡
任務種別ハッブル宇宙望遠鏡サービス
運用者NASA
COSPAR ID1997-004A
SATCAT 24719
任務期間9日23時間38分09秒
飛行距離6,100,000 km
周回数149
特性
宇宙機スペースシャトル・ディスカバリー
打ち上げ時重量116,884 kg
ペイロード重量83,122 kg
乗員
乗員数7
乗員ケネス・バウアーソックス
スコット・ホロウィッツ
ジョセフ・タナー
STS-82は、スペースシャトルディスカバリーの22回目の飛行、スペースシャトル計画の82回目のミッションである。アメリカ航空宇宙局が行うハッブル宇宙望遠鏡(HST)関係の2回目のサービスミッションで、望遠鏡の科学機器の修理や更新が行われた。オービタとしては最高の高度620kmに到達した。1997年2月11日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、1997年2月21日にケネディ宇宙センターに帰還した[1]。
乗組員
船長:ケネス・バウアーソックス (4度目)
操縦士:スコット・ホロウィッツ (2度目)
ミッションスペシャリスト1:ジョセフ・タナー(英語版) (2度目)
ミッションスペシャリスト2:スティーヴン・ホーリー(英語版) (4度目)
ミッションスペシャリスト3:グレゴリー・ハーボー(4度目)
ミッションスペシャリスト4:マーク・リー(英語版) (4度目)
ミッションスペシャリスト5:スティーヴン・スミス(英語版) (2度目)
ミッションの目的中立浮力シミュレータでHSTのモックアップを用いて訓練する宇宙飛行士
HSTは、1990年4月24日のSTS-31で軌道上に送られ、STS-61で1回目のサービスミッションが行われた。科学機器の能力向上が行われ、また1999年のSTS-103と2002年のSTS-109で次に予定されるサービスミッションまでの間機能をスムーズに保つようメンテナンスが行われた[1]。
ミッションの3日目、2つの古い機器を回収し、2つの新しい機器を設置するための最初の宇宙遊泳が行われた。2つの古い機器は、ゴダード高解像度分光器と微光天体分光器であり、それぞれ宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)と近赤外線カメラ・多天体分光器(NICMOS)に置き換えられた[2]。
新しい機器の設置に加え、他の既存のハードウェアの更新や修理も行われた。ファイン・ガイダンス・センサーが修理され[1]、オープンリールはソリッドステートレコーダ(SSR)に置き換えられた。SSRはより柔軟性があり、オープンリールの10倍以上のデータを収録できる[1][2]。4つのリアクションホイール(RWA)のうちの1つはスペアと取り換えられた[3]。RWAは角モーメントを利用して、望遠鏡を望む方向に動かし、維持する。必要に応じて、3つの車輪のみを作動させて観測できるように、車軸の向きが決められる[1]。持ち帰られた機器の研究は、宇宙に長期滞在(7年間)した機器という滅多にない研究材料を提供し、特に真空中での潤滑油が「素晴らしい状態」にあるということが発見された[3]。
ミッションの結果HSTをメンテナンスするタナー
STS-82は、軌道上を周回する宇宙船にサービスするというスペースシャトルの新たな能力を実証した。このミッションでは、4度の計画された宇宙遊泳でHSTの機器を更新し、最後に計画外の5度目の宇宙遊泳で機器の修理を行った[2]。HSTは、15年間の予定運用期間のうちに定期的に更新することを前提に設計され、1993年12月のSTS-61ではその第一回が行われた。STS-31で望遠鏡の展開にも携わったスティーヴン・ホーリーは、STS-82でリモート・マニピュレーター・システムを操作して、2月13日3:34(EST)にHSTを回収し、30分後にはディスカバリーのペイロードベイ上空に位置させた[2]。