本作の連載開始とほぼ同時期(2019年4月)、『J+』のリニューアルが行われた。これ以降オリジナル連載作品がアプリで1回限り全話無料で閲覧可能となり、新規読者を呼び込みやすくなった。また、閲覧数公開により多様な作品間の自由競争が促されて活況を生み出し、閲覧数上位作品のヒット感と話題性をもたらすことに成功した[17]。これによって、評判を聞いて本作を読み始めた人々がアプリに定着する相乗効果が生み出された[16]。 『J+』史上初めて1話でコメント数が2000を超え、5話公開までに総閲覧数が300万を突破した[18]。1・2話は配信時にTwitterでトレンド入りした[19]。「今年度(2019年度)人気No.1WEBコミック[20]」、「少年ジャンプ+人気No.1作品[21]」、「(『J+』の)看板作品[22]」として紹介されたこともある。 集英社の海外向けプラットフォーム「MANGA Plus」でも『SPY×FAMILY』が翻訳・公開されており、連載当初から各国で人気を博した。通常日本の漫画作品が国外でヒットするのはアニメ化によるところが大きいが、本作は単行本化前に評価される異例の事態となった[23]。 更新される隔週月曜0時付近は閲覧者が多いため、負荷を考慮して『J+』のサーバーが増強されている。読者層としては比較的女性が多く、連載が始まって以降、『J+』全体の女性読者数の割合を5%近く増やしたという[16]。 朝日新聞は、「一見話が破綻しそうな設定だが、ハードなアクションとギャグとサスペンスが絶妙にからみ合い、読者に疑問を抱く暇を与えずに、テンポよくドラマが展開する」「心にぐっと響くものもあるファミリードラマ」であると評している[24]。産経新聞は、「誰にでも人に言えない秘密はあるという命題を持ちつつ、「疑似家族」が「本物の家族」になる過程が描かれ、たとえつかの間であっても、読む人の心を温めてくれる作品」であると評した[25]。 『J+』編集長の細野修平は、総合力の高さと話を展開しやすい初期設定であることを評価し、「暗くなってもおかしくない背景を持った疑似家族」であるにもかかわらず、コメディで楽しませることで「明るいものが見たい」という時代の空気に応えていると分析している[16]。また、本作によって『J+』読者の規模が大きくなり、信頼感も増したことが、『怪獣8号』のヒットの早さに繋がったと語っている[2]。 2022年に放送されたテレビアニメの影響もあり、本漫画の認知度が急上昇し、同年を代表する社会現象であるとして、複数の流行系のランキングにノミネート・受賞を果たした(後述)[26]。また、日本赤十字社(献血)[27]やイオンモール[28]、デジタル庁(マイナンバーカード)[29][30]などといった、企業や省庁などとのコラボレーションも行われた。 2023年、第52回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞。受賞理由で「平和、平穏の守り方、作り方が楽しい一家のお話と共に子供さん達に、人々に、世界中に伝わってゆくようです。尊い燈火のような御作」と評された[6]。 2024年3月、文部科学省は2025年度から教育機関で使用される予定の教科書の検定結果を公表。この中で中学用英語の教科書にて本作品が採用されることが明らかになった[31]。 1巻は発売から即重版がかかり[32]、22日目で発行部数30万部を突破した[33]。また、2019年7月?9月発売の漫画作品第1巻としては同期間で最も売れた作品となった[34]。2020年12月28日には、コミックス第6巻が『J+』作品史上初めて初版100万部を記録し[35]、翌2021年6月4日には、コミックス第7巻の発売をもって電子版を含む累計発行部数が同じく『J+』作品史上初めて1000万部を突破した[36]。2023年12月時点(単行本12巻時点)で、シリーズ累計発行部数は3400万部を突破している[37][38]。
反響・評価
売上