SPY×FAMILY
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『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)は、遠藤達哉による日本漫画。『少年ジャンプ+』(集英社、以下『J+』)にて2019年3月25日より隔週月曜更新で連載中。

遠藤にとって3作目の連載作品。赤の他人だったスパイの男、殺し屋の女、超能力者の少女が「仮初の家族」を築き、「家族としての普通の日常」を送るために日々のトラブルと奮闘するホームコメディ

本作の連載開始と同日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)2019年17号には、本作の予告漫画が掲載された。1巻発売直後の32号、2巻発売後の47号にも読切の出張掲載が行われた。

閲覧数・コメント数・発行部数における最高記録を次々と更新するなど[1]、『少年ジャンプ+』史上初の大ヒット作となった[2]

2022年にテレビアニメSeason 1が分割2クールで放送された[3]。2023年にはミュージカルの上演が行われたほか[4]、10月よりテレビアニメSeason 2が放送された[5]。さらに12月には劇場アニメ『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が公開された[5]

2023年に第52回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞した[6]
テーマ・作風

遠藤が「正体を隠している」シチュエーションが好きであったため、本作はスパイが主人公となっている[1]。さらにその妻役には殺し屋が設定され、殺し屋夫婦を描いた映画Mr.&Mrs. スミス』(2005年)のようなハリウッド映画的企画性が作品に付与されている[7]。加えて子ども役のアーニャが心が読めるエスパーとして、作品を崩さない絶妙なバランスで、作品を引き立てるアクセントとなっているとされる[7]。「鬱々とした」遠藤の連載デビュー作『TISTA』とは異なり[8]、本作は「愉快」かつ「心温まる」ストーリーで、赤の他人同士が互いに秘密を持ちつつ「本物の家族」になっていく過程が描かれる[9]。その一方で遠藤は先の展開はあまり想定せずに制作を行なっているとインタビューで語っている[1]

映画的な雰囲気でありながら、近年の少年漫画でよく見られる主人公が常に心の声で語る小説的手法が用いられる。特に、主人公の周囲にいる人物に心情を切り替えていく技法に優れると評される[7]

本作の主人公たちは旧来の家族像にとらわれず、伝統校の教師達は古い家族観の持ち主として対比される。本作では家族で入試に挑む姿が、現代の日本で求められる「癒し」「応援」「仲間」と重なり、それがヒットにつながったとする見方もある[7]

「本誌には連載されないかもしれないが「ジャンプ」を冠する媒体/作品としてどこか納得感のある」内容であり、その点で『とんかつDJアゲ太郎』・『忘却バッテリー』などと並び、『少年ジャンプ+』らしさを体現した作品の一つとも評されている[10]
制作背景

月華美刃』(2010年 - 2012年)の連載終了後に、遠藤が描いた3作の読切の要素を組み合わせて制作された漫画である[11]。それまでの数年間、遠藤は連載企画を立てていなかったが、読切『I SPY』の好評を受けて、スパイをテーマにした作品の連載に取り掛かった。アイデア自体は打ち合わせ前日に作った粗いプロットをそのまま形にしたようなイメージだという[12]。遠藤は描線の多い緻密な絵も描けるが本作では読みづらさや分かりにくさを徹底的に減らそうと工夫して執筆しており、“分かりやすさ”を重視したシンプルな絵柄を心がけていると担当編集の林士平は語っている[13]2010年代末の日本では、2019年本屋大賞そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)や第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドール万引き家族』(2018年6月公開)など、血のつながらない家族を描くヒット作が増えていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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