SMPTEタイムコード
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SMPTEタイムコードとは、映像(動画像)の同期に用いられるタイムコードの一種で、1970年よりSMPTEによって規格化されたもの。1974年にIECによってIEC 60461として標準化された。1フレームあたり80ビット二進化十進表現で表わされ、ビットは二相マークプロトコル(差動マンチェスターエンコーディング(英語版))によって表現される。80ビットの内訳は、アドレス(時分秒・フレーム番号)が27ビット、同期信号が16ビット、バイナリーグループ(ユーザーズビット)が32ビットとなる[1][2]

タイムコード信号を機器間で伝送するときは、BNC端子もしくはXLRタイプコネクターを持つケーブルが主に使われ、スピーカーに接続するとおおよそ1.2から2.4kHzの音が聞こえる[注 1]。まれにRS-422端子(EIA-422)も用いられる[3]
構成

SMPTEタイムコードは、次の80ビットにより構成される[2]

SMPTEタイムコード名称ビット数
フレーム番号(1の位)4ビット
バイナリーグループ14ビット
フレーム番号(10の位)2ビット
ドロップフレームフラグ1ビット
未使用ビット(常に0)1ビット
バイナリーグループ24ビット
秒(1の位)4ビット
バイナリーグループ34ビット
秒(10の位)3ビット
未使用ビット(常に0)1ビット
バイナリーグループ44ビット
分(1の位)4ビット
バイナリーグループ54ビット
分(10の位)3ビット
未使用ビット(常に0)1ビット
バイナリーグループ64ビット
時間(1の位)4ビット
バイナリーグループ74ビット
時間(10の位)2ビット
未使用ビット(常に0)2ビット
バイナリーグループ84ビット
同期信号16ビット[注 2]

ここで、ドロップフレームフラグビットが1であると、29.97fpsなどの値をとるNTSCカラー同期の映像で、実時間とのずれ(1時間あたり3.6秒)を補正するため、一部のフレーム番号を飛ばして調整する。飛ばすフレームは、毎時0分・10分・20分・30分・40分・50分を除く、1分毎に最初の2フレーム(00秒00、01フレーム)である[2][注 3]

また、バイナリーグループの32ビットは、ユーザーが自由に使える領域として確保されており、年月日を挿入したり、番組コードやテープ番号、リール番号を記録したりする[4]。文字情報を記録する際には、0から9の数字とAからFのアルファベットとしたり[3]ASCII文字4文字を挿入したりすることもある[2]

同期信号は、12個の連続した1を読み取ることで判別できるようになっている。また、12個の1の次に01が来た場合は順方向に、00が来た場合は逆方向に読み取っている(逆再生)ことがわかるようになっている[2]

インターレース映像信号(NTSCなど)の時代に作成された信号規格なので、プログレッシブ映像信号では2フレームごとにフレーム番号が歩進する。映像編集などの際は インターレース映像信号のOddとEvenフィールドに相当する部分を、それぞれプログレッシブ映像信号の1フレームに割り当てて運用される。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 波形は矩形波とは限らない。
^ 0011111111111101の値をとる。
^ 実際にはちょうど29.97fpsではなく29.97002616fpsのため、これを用いても1日で75ミリ秒のズレが発生することとなる。

出典^ 映像情報メディア学会「ディジタルメディア規格ガイドブック」オーム社、ISBN 4-274-03522-0
^ a b c d e 小川武, “SMPTEタイムコード”, 放送技術 (兼六館出版) 32 (4): pp.59-66 
^ a b 水城田志郎, “ファイルベース時代に学ぶビデオ技術(プロ編)(第2回)タイムコードの概要と使用法”, 放送技術 (兼六館出版) 68 (6): pp.154-163 
^ テレビジョン学会「テレビジョン・画像情報工学ハンドブック」オーム社、p.569、ISBN 4-274-03301-5

関連項目

タイムコード

SMPTE


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