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やノートページでの議論にご協力ください。SIMカード(シムカード、英語: Subscriber Identity Module Card)とは、GSMやW-CDMAなどの方式の携帯電話で使われている、加入者を識別するためのID番号が記録されたICカード[1]。なお、第2.5世代移動通信システムの方式の一つ、IS-95で使われるICカードをCSIMカードと呼ぶ。なお、日本のcdmaOneではこの方式は採用されなかった。
第3世代携帯電話用のSIMカードは機能が拡張されており、W-CDMA(UMTS)に利用するものをUIMカードないしUSIMカード、CDMA2000に利用するものをR-UIMカードと言うが、基本的に互換性があるため、特に区別せずにSIMカードと呼ぶことが多い。
ボーダフォン(Vodafone)のかつてのロゴはこのSIMカードの形状がモチーフである。 SIMカードには、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有の番号が付与されており、これと電話番号を結びつけることにより通信を可能とする。SIMカードを抜き差しすることで、電話番号を他の携帯電話機に移したり、ひとつの携帯電話端末で複数の電話番号を切替えて使用したりすることができる。 ただし、SIMカードは頻繁に抜き差しすることを想定したものではなく、SIMカードの抜き差しの前に確実に電話端末の電源を切るようにするため、多くの電池交換可能な電話端末では、電池を取り外さないとSIMカードの抜き差しができないような構造になっている。いっぽうで電池交換不可能な端末では電池を外す制約がなく、必然的に電源を入れたまま抜き差しが可能となっているが、この場合でも端末(端末のオペレーティングシステム・ファームウェア)により、特に制約なく抜き差しが可能であったり、機内モードに切り替えることで差し替えが可能であったり、強制的に再起動がかかるなど挙動に違いがみられる。 日本国内で入手できるSIMカードは名目上、キャリア(通信会社)からの貸与であり、解約の際には返却する必要がある[注 1]。ただし、プリペイドSIMカードの場合は、最終使用時から一定期間の後に失効して発信も着信も出来なくなるため、解約手続きは不要である。失効する期限は、最終使用から半年程度が多い。ソフトバンクモバイルのプリモバイルの場合は、残高有効期限切れから360日以内にリチャージを行わないと自動解約扱いとなる。 記憶容量は64kバイト程度。実用化されている最大容量は2005年時点で128Mバイトであった。2008年までに1Gバイトへと大容量化する方針のメーカーもある。小容量のカードでは契約者の個人情報や電話帳を50件ほど保存できるのみだが、大容量のカードではコンテンツ情報などを保存することもできる。 SIMカードと移動機との間は、半二重シリアル通信である。基本的な伝送速度は9,600ビット/秒で、伝送速度をネゴシエーションによって111,500ビット/秒まで上げることができる。 UICC(Universal Integrated Circuit Card)はGSMやUMTSの移動機に使われるスマートカードである。GSMネットワークではUICCはSIMアプリを内蔵し、UMTSネットワークではUSIMアプリを内蔵する。UICCにはこれ以外に様々なアプリケーションを内蔵することができる。 近年ETSI-SCPで標準化された高速UICC規格(IC USB)では、USB2.0の物理層の規格を修正し、通常速度12メガビット/秒で通信できる(ETSI TS 102.600)。この場合、UICCのC4とC8ピンを使い、物理層より上のUSB規格は互換性がある。 SIMカードの物理的な形状は当初は大きなカード状だったが、時代が下り、携帯電話やその部品が小型化されるのに従ってSIMカードもより小型に変更されており、2020年現在までにフルサイズのSIM、ミニSIM、マイクロSIM、ナノSIMの4つの規格が存在している。また、部品の更なる小型化のためにeSIMと呼ばれる物理的なカードの抜き差しを伴わない規格も存在する。 オリジナルのSIMカードはISO/IEC 7810 のID-1規格の外形寸法を持つ、いわゆるクレジットカードサイズ(幅85.6mm×高さ53.98mm×厚み0.76mm)の接触型ICカードで、1991年に登場し、初期の自動車電話や大型の携帯電話で使われた。最初のフォームファクタ(The first form factor)という意味で1FFとも呼ばれる。 後に登場した各種の小型SIMカードがクレジットカードサイズの状態で提供され、そこからICチップの部分だけを切り離して使用される形になっていることが多いのは、このフルサイズのSIMとの互換性を企図していた時代の名残である。 ミニSIM(mini-SIM)はPlug-in UICCとも呼ばれ、カードの外形寸法はISO/IEC 7810 のID-000で規定され、幅25mm×高さ15mm×厚み0.76mmである。1996年に登場した。2FF(The second form factor)とも呼ばれる。 フルサイズのSIMよりも後に登場した規格ではあるが、携帯電話の本格的な普及期には既にフルサイズのSIMをそのまま使用する端末は廃れていたため、このミニSIMが「標準SIM(Standard SIM)」「普通のSIM(Normal SIM)」と呼ばれることが多い。 マイクロSIM(microSIM、micro-SIM)はミニSIM(mini-SIM)より小型の規格で、大きさは幅15mm×高さ12mm×厚み0.76mmである。欧州電気通信標準化機構(ETSI)の規格である ⇒ETSI TS 102 221 V9.0.0により定められた。3FF(The third form factor)、Mini-UICCとも呼ばれる。2003年に登場した。 今でも一部のMVNOの端末で使われている。また、NTTドコモではmicroSIMを「mini FOMAカード」または「miniUIMカード」と称していた。 ナノSIM(nanoSIM、nano-SIM)はマイクロSIMよりも小型の規格で、大きさは幅12.3mm×高さ8.8mm×厚み0.67mmである。ETSIの ⇒ETSI TS 102 221 V11.0.0規格により定められた。2012年に登場[2]。4FF(The fourth form factor)とも呼ばれる。 Appleが2012年にiPhone 5で採用し、2020年現在では殆どのメーカーの携帯電話でこのナノSIMが主流となっている。 eSIM(Embedded-SIM)は、SIMカードに相当する機能を端末に内蔵し、SIMカードに書き込まれる情報を遠隔でダウンロードすることができる規格である。2016年に登場した。物理的なカードの受け渡しが不要となるため携帯電話回線の利用開始を迅速に行えるというメリットがあり、またカードの着脱が不要となるため端末にカードスロットを設ける必要がなく、更なる小型化や自由度の高い端末デザインが可能である[3]。 通常は極小サイズのチップとして端末内に表面実装され、電気的なインターフェースは従来のカード型のSIMと同一である。M2M(機器間通信)機器向けのフォームファクタという意味でMFF2とも呼ばれる[4]。ただし、GSMA RSPバーション2ではチップ形状だけでなくカード型のものも定義されており、規格上はEmbedded(組み込まれた)の原義から外れる実装もありうる[5][6]。 遠隔ダウンロード型のSIMとしては2014年にAppleがApple SIMという独自のサービスとして先行して実現[7]していたが、初期のApple SIMは端末に従来型のSIMカードを挿入する必要があった。eSIM規格に正式対応した最初の端末は2016年に登場したサムスンのGear S2となった。その後、アップルも2017年頃からはApple SIMも埋込み型になり、2018年発売の端末からはeSIM規格にも対応した[8]。
概要
規格左から順にフルサイズのSIM(1FF)、ミニSIM(2FF)、マイクロSIM(3FF)、ナノSIM(4FF)ミニSIM、マイクロSIM、ナノSIMの3サイズに対応したマルチカットSIM。スウェーデン Teliaのmicro-SIMカード(マルチカット対応)。ミニおよびフルサイズのブラケットから取り外したもの。micro-SIMカードからプラスチックのケースを取り除いたもの。10セント硬貨(直径18mm)とのサイズ比較。
フルサイズのSIM
ミニSIM
マイクロSIM
ナノSIM
eSIM
Size:69 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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