以下の単位は、計量法上の法定計量単位ではなく、SI国際文書の記述からも、SI接頭語と組み合わせることができるかどうかは不明である。 SI国際文書において、「SI併用単位」の範囲は次のように改訂されてきた[9][10]。 1970年(第1版)、1973年(第2版)、1977年(第3版)において、次のように規定されていた。これは1969年のCIPMの決定によるものである。 1981年(第4版)、1985年(第5版)、1991年(第6版)においては、次のようになった。 1998年の第7版においては、次のようになった。これは1996年のCIPMの決定によるものである。 2006年の第8版においては、次のようになった。これは2004年のCIPMの決定によるものである。 ただし、ネーパ、ベル、デシベルの3つは、SI単位とは考えられていないが表8に記載されており、CIPMによりSI単位との併用が認められている[11]。 (ダルトンが追加された。原子質量単位の名称が統一原子質量単位となった。ただし、ダルトンと統一原子質量単位は同じ単位であり、名称と単位記号が異なるだけである。) 2019年の第9版においては、次のようになり、SI併用単位の扱いが一新された[12]。1970年以来の「実験的に得られる併用単位」のカテゴリーが廃止され、「併用単位」のカテゴリーに一括された。 (天文単位、ダルトン、電子ボルトが実験的に得られるものから移動された。ダルトンと統一原子質量単位は名称と単位記号が異なる同一の単位でありダルトンに統一された。ネーパとベルが復活し、デシベルが追加された) 第8版(2006年)のSI国際文書「国際単位系(SI)」(廃版)では、その第4章において「SIと併用される非SI単位,及び基礎定数をよりどころとする単位」として、SI併用単位とは別に表7、表8、表9に様々な非SI単位が掲げられていた[13]が、それらは第9版(2019年)ではすべて削除された。削除された単位については、非SI単位を参照のこと。 なお、表7、表8、表9の非SI単位のうち、天文単位、ダルトン、電子ボルト、ネーパ、ベル、デシベルの6単位(およびガル)は、第9版上の「SI併用単位」に格上げされた。
天文単位
ネーパ
ベル
SI文書における位置づけの推移
1970年(第1版)?1977年(第3版)
併用単位: 分、時、日、度、分、秒、リットル、トン
併用単位(実験的に得られるもの): 電子ボルト、原子質量単位、天文単位、パーセク
1981年(第4版)?1991年(第6版)
併用単位: 分、時、日、度、分、秒、リットル、トン
併用単位(実験的に得られるもの): 電子ボルト、原子質量単位 (天文単位、パーセクが削除された。)
1998年(第7版)
併用単位: 分、時、日、度、分、秒、リットル、トン、ネーパ、ベル (ネーパとベルが追加された。)
併用単位(実験的に得られるもの): 電子ボルト、原子質量単位、天文単位 (天文単位が復活した。)
2006年(第8版)
併用単位: 分、時、日、度、分、秒、ヘクタール、リットル、トン(ネーパとベルが削除され、ヘクタールが追加された。)
併用単位(実験的に得られるもの): 電子ボルト、ダルトン、統一原子質量単位、天文単位
2019年(第9版、現行版)
併用単位: 分、時、日、天文単位、度、分、秒、ヘクタール、リットル、トン、ダルトン、電子ボルト、ネーパ、ベル、デシベル
併用単位(実験的に得られるもの): このカテゴリーそのものが廃止された。
その他の非SI単位の削除
脚注
注^ 計量法上は「日」は計量単位ではなく暦の単位である。
^ BIPMによる原表では当初はCODATA2014の数値が掲げられていたが、その後、CODATA2018の数値に差し替えられた。
^ 秒 (角度)については、以下に記するように、計量法の規定とSI国際文書の記述には相違がある。
^ 計量法上は、特殊の用途のみに用いることができる単位であり、規定の仕方から、SI接頭語と組み合わせることができない。
^ 計量法上は、特殊の用途のみに用いることができる単位であり、規定の仕方から、SI接頭語と組み合わせることができない。
出典^ a b SI国際文書第9版(2019)、p.114
^ The International System of Units(SI) 9th edition 2019
^ The International System of Units(SI) 9th edition 2019
^ SI国際文書第9版(2019)、表8 SI単位と併用できる非SI単位、pp.114-115
^ The International System of Units(SI) 9th edition 2019
^ リットル#記号のゆれ
^ unified atomic mass unit
^ 計量法に基づく計量単位一覧#特殊の計量に用いる計量単位(9量13分野26単位)
^ SI Brochure: The International System of Units (SI)
^ SI国際文書における該当ページは以下の通りである。
1970年(第1版), p.14(仏語版)
1973年(第2版), p.14(仏語版)
1977年(第3版), pp.14-15(仏語版)
1981年(第4版), p.17(仏語版)
1985年(第5版), p.75(英語版)
1991年(第6版), p.79(英語版)
1998年(第7版), pp.104-106(英語版)
2006年(第8版), pp.123-126(英語版)
2019年(第9版), pp.145-146(英語版)
^ 2006年(第8版), p.127(英語版)
^ SI Brochure: The International System of Units (SI)
^ 4. SIに属さない単位
参考文献
BIPM 著、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版