SH-3_シーキング
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SH-3 シーキング

アメリカ海軍のSH-3H シーキング

用途:対潜哨戒・対艦攻撃・捜索救難兵員輸送・通信・要人輸送・早期警戒

分類:哨戒ヘリコプター

製造者:シコルスキー・エアクラフト

運用者:

アメリカ合衆国海軍空軍海兵隊

イタリアイタリア海軍

ブラジルブラジル海軍)他


初飛行:1959年3月11日

運用開始:1961年

運用状況:アメリカ軍からは海兵隊のVH-3Dを除き退役
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SH-3 シーキング(英語: SH-3 Sea King)は、シコルスキー・エアクラフト社が開発した双発哨戒ヘリコプターである。アメリカ海軍が運用していたH-34 チョクトーの後継に採用された。
目次

1 開発

2 設計

3 派生型

3.1 三菱のライセンス生産

3.1.1 来歴

3.1.2 HSS-2/2A

3.1.3 HSS-2B

3.1.4 輸送・救難型

3.1.5 事故



4 性能・主要諸元

4.1 SH-3H


5 採用国

6 登場作品

6.1 映画

6.2 ゲーム


7 関連記事

8 脚注

8.1 注釈

8.2 出典


9 参考文献

10 外部リンク

開発

1957年シコルスキーは全天候型哨戒ヘリコプターの開発をアメリカ政府と契約した。H-34 チョクトーの後継として対潜戦の役割も兼ねるものであった。試作機は1959年3月11日に初飛行。1961年6月にHSS-2 シーキングと命名され、アメリカ海軍で運用が決定した。

1962年航空機の命名規則改正によりHSS-2はSH-3に改正された。SH-3 シーキングは、主に対潜戦の任務で使用されたが、対艦攻撃、捜索救難兵員輸送、通信、要人輸送、早期警戒など様々な用途に使用された。

民間向けのシコルスキー S-61も開発された。
設計 海上救難を行うSH-3

強力なタービンエンジン双発の大型機となったことで、これまでは捜索役と攻撃役の2機(ハンター/キラーチーム)で行わなければならなかった対潜作戦が単機で行えるようになった。開発段階で艦載機を想定していたため、メインローターブレードや尾部のテイルブームなどは折りたたむことができる構造になっている。メインローターブレードとテイルローターブレードは共に5枚である。水陸両用作戦での運用を想定して限定的な着水性能も有する。機体両側に配置されたスポンソンにはエアバッグが格納されており、着水時の衝撃緩和とフロートの役割をなす。

幅広い装備があり、それらは用途によって異なる。空母戦闘群(現 空母打撃群)での運用時は、魚雷4本と爆雷4個か空対艦ミサイル4本のいずれかを装備し、空母戦闘群を間接的に防御するためチャフを搭載した。

早期警戒装備にはディッピングソナーソノブイMADがあり、データリンクを介して得られたデータは艦隊に送信できた。捜索救難任務の際には軍医2名と22名の遭難者か、9名分の担架を搭載できた。

兵員輸送であれば、さらに28名を収容できた。
派生型 大統領の短距離移動機マリーンワン
XHSS-2
試作機。
YHSS-2
アメリカ海軍向け試作・評価機。
SH-3A
旧HSS-2。最初の生産型。
RH-3A
SH-3Aを掃海型に改修した機体。
HH-3A
SH-3Aを捜索救難型に改修した機体。
SH-3D
SH-3Aのエンジン出力を増強した機体。
SH-3G
SH-3AおよびSH-3Dを輸送汎用型に改修した機体。
SH-3H
SH-3Dに新型の対潜探知装備とレーダーを搭載した機体。
NH-3A
SH-3Aをアメリカ空軍向けに改修した実験機。
HH-3E
アメリカ空軍の捜索救難機。
CH-3A
SH-3Aをアメリカ空軍向けに改修した機体。後のCH-3B。
CH-3B
アメリカ空軍の兵員輸送型機。
VH-3A
アメリカ海兵隊向け要人輸送型機。
VH-3D
アメリカ海兵隊が運用する政府専用輸送機大統領の短距離移動機「マリーンワン」に使用される)。
S-61
アメリカ軍のSH-3に対するシコルスキーの型式番号。
S-61A
デンマーク空軍向け。
S-61A/AH
測量や捜索救難など民間向け汎用ヘリコプター。
S-61B
海上自衛隊のHSS-2に対するシコルスキーの型式番号。
S-61D-3
ブラジル海軍向け。
S-61D-4
アルゼンチン海軍向け。
S-61NR
アルゼンチン空軍向け。
S-61R
アメリカ空軍(CH-3/HH-3)、イタリア空軍他向け。詳細は「シコルスキー S-61R」を参照
AS-61
アグスタ社の型式番号。
WS-61
ウェストランド社の型式番号。詳細は「ウェストランド シーキング」を参照
CH-124
ユナイテッド・エアクラフト・オブ・カナダ社の型式番号。
三菱のライセンス生産

日本でも1963年昭和38年)に海上自衛隊の対潜哨戒機HSS-2として導入された。三菱重工業ライセンス生産した機体が1964年(昭和39年)に初飛行し、同年3月に納入された。海自ではHSS-2/S-61Aを「ちどり」と命名している。

HSS-2、HSS-2A、HSS-2B,S-61Aは合わせて185機が製造された[1]


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