地球外知的生命体探査(ちきゅうがいちてきせいめいたいたんさ、英語: Search for Extra Terrestrial Intelligence)とは、地球外知的生命体による宇宙文明を発見するプロジェクトの総称である。頭文字を取ってSETI(セティ、セチ)と称される[1]。アクティブSETI(能動的SETI)に対して、パッシブSETI(受動的SETI)とも呼ばれる。現在世界では多くのSETIプロジェクトが進行している。地球外知的生命体探査 (SETI@home) プロジェクトにBOINCクライアントソフトウエアで参加の稼動時のスクリーンセーバーの一例。 地球外の文明を地球上から探そうというプロジェクトであり、「SF」と「現実を対象にする自然科学」との接点でもある。 SETIの中で現在最も大規模に行われている方法では、電波望遠鏡で受信した電波を解析し、地球外知的生命から発せられたものがないか探すというもので、この方式のプロジェクトの幾つかでは惑星協会やSETI協会が重要な役割を果たしている。1970年代からは電波のほかに、光学望遠鏡を使って地球の人類と同等以上のテクノロジーを持つ知的生命体ならば発する可能性のある大輝度レーザー光を検出する試み(OSETI、光学的地球外知的生命探査
(SETI@Home Enhanced 5.27)
概要
一方で地球から地球外文明に電磁波または「物」でメッセージを送る分野は、アクティブSETI、METI (Messaging to Extra-Terrestrial Intelligence) またはpositive SETI とよばれている。電波によるアクティブSETIは、1974年のアレシボ・メッセージ以降、ウクライナのアンテナから送信された Cosmic Call I, II
と Teen Age Message などがある。1983年にスタンフォード大学のアンテナからアルタイルへメッセージが送信されたが、これは日本人による初のアクティブSETI企画である。また宇宙探査機にメッセージを搭載した例としては、パイオニア探査機の金属板が、さらにボイジャーのゴールデンレコードがある。様々な観測や研究が続けられているが、21世紀初頭において明確な地球外文明等の発見には至っていないのが現状である。しかし「地球人類の文明は、宇宙の中でも非常に例外的な存在なのか、それとも必然的に発生した物なのか」とする有史以前より議論されてきた哲学的命題への回答を求める欲求もあるため、今日に於いても多くの人が関心を持つ分野でもあり、その欲求の強さは、下記のSETI@home参加者の多さにも窺い知る事ができる[7]。 元々は「CETI」と言い、「地球外知性との交信」(communication with extra-terrestrial intelligence) とオズマ計画で対象となったくじら座τ星のラテン語名 (τ Ceti) をかけたものであったが、後にNASAの学者が「SETI」とスペルを変えて使い始め、意味も「地球外知性の探査」(search for extra-terrestrial intelligence) となった。これは当面行う事は向こうからの電波を受けるだけで、交信では無いという理由によるもの。
SETIの語源
歴史・主な計画(英語版
1960年、世界初の電波による地球外知的生命体探査であるオズマ計画が行われた。この計画はアメリカの天文学者フランク・ドレイクによって提案されたもので、ウェストバージニア州グリーンバンクにあるアメリカ国立電波天文台の18フィート望遠鏡にて実施された。