SEIRモデル(エスイーアイアールモデル)は、感染症流行の数理モデルである。
モデルは
感染症に対して免疫を持たない者 (Susceptible)
感染症が潜伏期間中の者 (Exposed)
発症者 (Infectious)
感染症から回復し免疫を獲得した者 (Recovered)
から構成され、その頭文字をとってSEIRモデルと呼ばれる。
類似のモデルに潜伏期間を考慮しないSIRモデル、免疫獲得を考慮しないSISモデル、母体免疫派生を考慮したMSIRモデルなどが存在する。 モデルは以下の常微分方程式系で書き表される。 d S d t = m ( N − S ) − b S I {\displaystyle {\frac {dS}{dt}}=m(N-S)-bSI} d E d t = b S I − ( m + a ) E {\displaystyle {\frac {dE}{dt}}=bSI-(m+a)E} d I d t = a E − ( m + g ) I {\displaystyle {\frac {dI}{dt}}=aE-(m+g)I} d R d t = g I − m R {\displaystyle {\frac {dR}{dt}}=gI-mR} ただしtは時間、mは出生率及び死亡率、aは感染症の発症率、bは感染症への感染率、gは感染症からの回復率を表す。 またNは全人口を表し、 N ≡ S + E + I + R {\displaystyle N\equiv S+E+I+R} で定義される。通常Nは定数である。 数値計算によって得られる解は水痘、はしかなどの実際の感染症流行を定性的には再現し、またその振る舞いはカオス的である[1]。
モデル方程式系
解の振る舞い
参照^ L. F. Olsen & W. M. Schaffer,Chaos versus noisy periodicty: alternative hypotheses for childhood epidemics, Science, 1990.
関連項目
疫学における区画モデル
SIRモデル
SISモデル
MSIRモデル