日本の携帯型電話機分野では、2000年(平成12年)12月にDDIポケット(現・ワイモバイル)が発売した九州松下電器(現・パナソニック システムネットワークス)製のPHS端末「KX-HS100」で初めて採用された。携帯電話では2002年(平成14年)3月にJ-フォン(現・ソフトバンク)が発売したシャープ製端末「J-SH51」で採用、その後日本の他キャリア・メーカーに波及した。
2003年(平成15年)にminiSDカードが発売されるとフルサイズのSDカードにかわりこちらの採用が多くなり、NTTドコモが10月21日に発表した「505iS」シリーズでは当時首位のNEC、松下電器産業を含む4社がminiSDカードを採用。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(現・ソニーモバイルコミュニケーションズ)、三菱電機の2社が採用した小型版メモリースティック「メモリースティック Duo」に対して優勢となった。また、三菱電機も「901i」シリーズではminiSDを採用し、以後は機種毎のコンセプトに合ったメモリーカードを選択するようになっている。
microSDカードは、2004年(平成16年)にモトローラ製端末Vodafone 702MO、Vodafone 702sMOに採用(当時の名称はトランスフラッシュ)されてからは、日本国内での普及が中心のminiSDを置き換えるかたちで米国・日本での採用が進み、au(KDDI / 沖縄セルラー電話連合)では2006年秋モデルではほとんどの機種をmicroSDカードに対応させた。対抗規格である「メモリースティック マイクロ」の採用例は日本国内ではW52Sのみにとどまり、しかもW52S自体も変換アダプタによりmicroSDに対応したこともあり、microSDの優勢は確固たるものとなった。他社も追従する形で2007年(平成19年)以降、携帯電話の外部メモリースロットが対応するサイズはmicroSDカードとなった。
一貫してメモリースティックを採用し続けていたソニー・エリクソンも、SO903iではメモリースティックDuoとminiSDカードの両対応とした。それ以降、同社が日本市場向けに供給している端末はほぼ全てmicroSDを採用している。
デジタルカメラにおけるシェアSDメモリーカード対応カムコーダ
SDメモリカードは規格として後発だったため、当初は他のメモリーカード規格に対してシェアや出荷数で大きな差をつけられていた。
2003年(平成15年)には最大のライバルであるメモリースティックとのシェアが逆転する。この年は、小型・薄型のコンパクトデジタルカメラに不向きな大柄のコンパクトフラッシュからの規格変更を最後まで決めかねていた、老舗カメラメーカーのニコンとキヤノンが相次いでSDカードの採用を決定し、コンパクトデジタルカメラ分野での大勢も決した。
デジタル一眼レフカメラでは、コンパクトフラッシュの大きさがそれほど問題にならないことと、主にプロの現場で使われるため容量・転送速度・信頼性の問題から、2013年現在でもコンパクトフラッシュが標準的なメディアである。ただし、デジタル一眼レフにもSDカードを使用する機種があり、ペンタックスでは*ist Dを除く全機種で、ニコンではD40 / D40x・D50・D80・D90・D300s(CFとのデュアルスロット)で採用、またキヤノンではMark II以降のEOS-1D及びEOS-1DsでSDカードとコンパクトフラッシュのデュアルスロットを採用している。
2007年(平成19年)春にはこれまでxDピクチャーカード陣営の中心だった富士フイルムがSDカードとxDピクチャーカードのどちらか一方を使えるデュアルスロット搭載という形でSDカードが使えるコンパクトデジタルカメラを発売。2009年(平成21年)にはデュアルスロットを撤廃してSD / SDHCカードのみの対応とした機種も発売された。2007年(平成19年)冬にはxDピクチャーカード陣営のもう一つの中心だったオリンパスも一部機種でアダプタによりmicroSDに対応する機種を発売、2010年(平成22年)1月発売のFE-47・μTOUGH-3000以降の機種でSD / SDHCカード対応になった。またソニーも2010年(平成22年)以降SDカードとメモリースティックのデュアルスロットに対応したデジタルカメラを発売し事実上、主要メーカー全てがSDカードを採用することになった。
コンパクトデジタルカメラでは、microSDをアダプタなしで使用できる機種も存在する。
デファクトスタンダードとしてのSDカード陳列されたメモリーカード(香港、2010年)家庭用ゲーム機のWiiに挿入されたメモリーカード