SDメモリーカード
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FAT32とexFATの違いを理解しないでexFATファイルシステムのままのSDXCカードをSDXC規格非対応製品に挿入することは危険で、メーカー側も使用を推奨しておらず[16]、あくまでも自己責任的な使用になる。実際、SDXC規格非対応の携帯電話スマートフォンにmicroSDXCカードを挿入した結果、microSDXCカードが使用不能になる事態が相次いで報告されている。物理的な破損ではないため、SDXC規格対応製品でフォーマットし直せばカード自体は回復するが、それまでにカードに保存されていたデータは消滅する。

2012年6月NTTドコモがそれに関する通知[17]を発表し、その現象を回避するソフトウェアアップデートの配布を行なっている。なお、ソフトウェアアップデート後も、非対応機種では引き続き使用できない。

なお、2022年令和4年)10月現在のところ、exFATを扱えるのはMicrosoft Windows XP SP2以降(更新プログラム (KB955704) 適用)、Microsoft Windows Vista SP1以降、Microsoft Windows 7Microsoft Windows 8Microsoft Windows 8.1Microsoft Windows 10Microsoft Windows 11の各種Windows OS、またはWindows CE 6.0、Mac OS X v10.6.4以降に限られ、パソコンやモバイル環境によっては利用できない。2009年(平成21年)1月現在、Linux系などのサポートに関しては、マイクロソフトからの発表はない。CES 2009 News release DS AssosiationにもSDXCメモリーカードに関する概説のみが発表されており、サポートOS、周辺機器などに関する記述はない。

なお、Linuxについては、FUSEを利用した実装が存在[18]し、Ubuntuなどのディストリビューションの最新版で利用できる。

AppleMac製品には2010年(平成22年)新発売から、従来はなかったSDカードスロットが内蔵されはじめ、SDXCにソフトに対応、iMac (Mid 2010) 以降のモデルにはハードも対応。また接続は内部USBではなく、PCI Express 1レーン接続になっている。

SDXCメモリーカードの規格上の最大容量は2 TiB (2048 GiB) で、転送速度はロードマップ上にて将来的に最大300 MB/sの高速な転送を可能にするとしている。また、SDHCとEmbedded SD、SDIOにも転送速度高速化の規格と技術が採用される予定である。

2009年の時点では製品化の目処が立っていたのは最大256 GiBまでであり、それ以上の容量は技術革新が必要な状態となっていた[19]が、2020年時点ではSDXC・microSDXCとも最大1 TiBまでの大容量カードが発売されており、転送速度は製品にて最大160 MB/s実装可能となっている。
SDUC

SDUC (SD Ultra Capacity) は、最大容量128 TiB[14]に対応する規格として2018年のSD 7.00で規定された。ファイルシステムはSDXCメモリーカードに引き続きexFATを採用している。従来のSDメモリーカードとの後方互換性を有する[7]
最大転送速度(バスインターフェーススピード)

XX倍速表記の例速度表記転送速度
60倍速9 MB/s
70倍速10.65 MB/s
80倍速12 MB/s
133倍速20 MB/s
150倍速22.5 MB/s

通信速度に関する規格であり、いわゆる理論最大値である。

なお、一部の製品にみられる「XX倍速」という表記はSDアソシエーションの規格によるものではない。一般には、コンパクトディスクの転送速度である150 KB/sを「1倍速」として転送速度を表記している。
DS(デフォルトスピード)

2000年のSD 1.01で規定された当初のモード。後述のHSの登場に伴って名称がつけられた。ノーマルスピードとも呼ばれる。最大転送速度は12.5 MB/sで、対応メモリーカードにモードを示す表記はない[20]
HS(ハイスピード)

2004年のSD 1.10で規定されたモード。バススピードは25 MB/sで、モードを示す表記は規定されていないが製品によって「Hi-Speed」等の表記がなされた[20]
UHS-IUHS-I対応SDメモリーカード

2010年のSD 3.01で規定されたモードで、UHSはUltra High Speedの略。SDR12、SDR25、SDR50、DDR50、SDR104の4つのスピード区分があり、最大転送速度はそれぞれ12.5 MB/s、25 MB/s、50 MB/s、50 MB/s、104 MB/sとなる。規格上はUHS50カードとUHS104カードが規定され、UHS50カードはSDR104をサポートしないため最大転送速度は50 MB/s、UHS104は全てをサポートし104 MB/s。UHS-Iに対応するカードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「I」と印字される[21][20]
UHS-IIUHS-I(左)とUHS-II(右)対応SDメモリーカードの接点部の比較

2011年のSD 4.00で規定されたモード。常に双方向通信を行うFD(Full Duplex)モードとデータ送受信時は片方向通信を行うHD(Half Duplex)モードがあり、最大転送速度はそれぞれ156 MB/sと312 MB/s。対応カードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「II」と表記される。対応カードのピン数は増加しているが後方互換性は確保されており、従来の機器と組み合わせた場合は遅い側のモードに合わせて動作する。[21][20]
UHS-III

2017年のSD 6.00で規定されたモード。HDモードが削除されFDモードのみとなり、最大転送速度は624 MB/s。UHS-II同様、下位互換性を備えるためピンは2段に配置され、従来同様の転送も可能。対応カードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「III」と表記される。[20][22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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