SDメモリーカード
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サンディスクが2004年(平成16年)2月に開発したトランスフラッシュ(TransFlash; TFカード)の仕様を引き継いだもので、名称は異なるが媒体そのものは同じである。

外形寸法は、11 mm × 15 mm × 1 mmと、SDメモリーカードの1/4程度、汎用品として使われているリムーバブルメディアの中で最も寸法が小さい。miniSDの場合と同様に、SDメモリーカードとは電気的に互換性があり、microSDカードを変換アダプタに装着することによって、SDメモリーカードまたはminiSDカードとして利用することができる。
携帯電話での利用

日本国外では当初モトローラ携帯電話を中心に採用されていた。日本ではボーダフォン 日本法人(現・ソフトバンク)Vodafone 702MOVodafone 702sMO(いずれもモトローラ製)にTransFlash規格で採用され、日本のメーカーからも2006年(平成18年)1月に開発が発表されたVodafone 804Nを皮切りに、続々と対応端末が登場した。本体の小型化・薄型化にも貢献できるため、miniSDに替わって主流となった。

au2006年(平成18年)秋冬CDMA 1X WINモデルではメモリースティック Duoに対応のW43SW44SおよびminiSDに対応のW41SHを除く全てが、NTTdocomoでもSO903iを除く903iシリーズがmicroSD専用スロットを搭載した。こうした背景のもと、2007年6月にはSD陣営でのシェアトップに君臨する規格となった[8]

小型大容量化によって頻繁な着脱を想定せず、電池パックの内側にmicroSDカードスロットを設ける端末が多い。スマートフォンでは、SIMカードと同じトレイに乗せて挿入する機種も多く見られる。
携帯電話以外での用途

携帯電話以外にデジタルオーディオプレーヤーなどにも容量増設用としてmicroSDスロットが設置されているものもある。

日本では2009年(平成21年)から映像ソフトウエアの媒体としても使用されるようになった。映画などがDVD-VideoBlu-ray DiscとmicroSDとのセットまたはmicroSD単体で販売されている。ワンセグ放送と互換性のあるフォーマットで収録されており、広く普及しているワンセグ対応携帯電話などで手軽に再生できる。

また、小型のUSBメモリのなかには、狭義のUSBフラッシュドライブの構造ではなくmicroSDカードと小型のmicroSDカードリーダーを組み合わせることで記憶装置を構成している製品も存在する[9]
規格
形状(フォームファクタ)

SDメモリーカードは、マルチメディアカード (MMC) に近い形状を持っており、SDメモリーカード用スロットは物理的にMMCも挿入可能な互換性を持つ。そのため、SDメモリーカードを使用している機器では、マルチメディアカードも利用できることが多い。

当初の規格では端子は1列のみであったが、SD 4.00で規定されたUHS-IIから2列目の端子が追加された。従来の端子を第1ロウ、UHS-II以降で追加された端子を第2ロウと呼ぶ。

各SD規格メモリーカードの形状比較[10]SDメモリーカードminiSDカードmicroSDカード
幅24 mm20 mm11 mm
長さ32 mm21.5 mm15 mm
厚さ2.1 mm1.4 mm1.0 mm
動作電圧 (V)第1ロウ3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V)3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V)3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V)
第2ロウ1.8 V VDD(1.70 - 1.95 V)-1.8 V VDD(1.70 - 1.95 V)
誤消去防止スイッチありなし[注 1]なし[注 1]
端子ガード突起あり[注 2]なしなし
端子数DS
HS
UHS-I9ピン11ピン8ピン
UHS-II
UHS-III17ピン-16ピン
SD Express 1-lane17 - 19ピン-17ピン
SD Express 2-lane25 - 27ピン--

SDメモリーカードのロック

SDメモリーカードにはロック機能(書き込み禁止スイッチ)がついており、カード側面のツマミをロック位置に移動させると、データの削除 / 上書きを禁止することができるとされている。ロックのツマミが書き込み可能位置に存在することを検出し「書き込みが可能である」と判定している。ツマミの位置は接続される機器側で物理的に検出しており、カード内部の電気回路とは接続されていない。このため、USBアダプタなど機器側でロックを検出しないこともあり、その場合はスイッチの意味は全く無い。

2018年にはハギワラソリューションズにより、誤操作防止としてロックスイッチを廃したSDメモリーカードが発売されている[11]
SDアプリケーションフォーマット

各種用途に合わせたSD規格が制定されている[12]
SD-Audio
SDカードに備わっているCPRMを利用して対応する音声ファイルを暗号化する、著作権保護を目的としたフォーマット。詳細は「SD-Audio」を参照
SD-Video
SDメモリーカード用フォーマットの一種で動画記録の規格[12]。利用可能な動画像圧縮方式はMPEG-2MPEG-4CPRM対応。
SD-Video ISDB-T Mobile Video Profile
ワンセグチューナーを内蔵し番組録画に対応した携帯電話機の登場にあわせて2005年(平成17年) - 2006年(平成18年)頃に策定された規格であり、ISDB-Tで受信した番組をH.264方式でストリーミングに記録する。ワンセグ放送そのものにスクランブルは施されていないが、基本的にチューナー側でCPRMを被せて録画するため、チューナー内蔵・接続の機器(携帯電話機やPCなど)の内部記憶媒体に録画・作成したファイルを、SDなどのリムーバブルメディア間でコピー・ムーブする際は、DVDレコーダーと同様に、録画機器本体の操作またはワンセグチューナーや携帯電話機に付属する対応PCアプリケーション等の正当な方法で行わないと再生できなくなる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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