SDメモリーカード
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「SDカード」はこの項目へ転送されています。日本の自動車安全運転センターが発行する証明証については「SDカード (運転免許)」をご覧ください。
ロゴマークさまざまなSDメモリーカードの模擬図
(上からSD、miniSD、microSD)

SDメモリーカード(エスディーメモリーカード、: SD Memory Card)は、フラッシュメモリーに属するメモリーカードである。SDカードとも呼ばれる。デジタルカメラ携帯電話などの携帯機器テレビなどの家電機器まで幅広く利用されている。

本項では、マルチメディアカード (MMC) を除く、互換性を持つ高機能化・大容量化・小型化の規格についても併せて解説する。
概要

SDメモリーカードは、1999年8月25日に松下電器産業(現・パナソニック)、サンディスク(現・ウエスタンデジタル)、東芝(現・キオクシア)によって構成されたSD Groupによって開発・発表された。2000年1月7日には、関連団体である「SDカードアソシエーション (SD Card Association, SDA)(現・SDアソシエーション (SD Association, SDA)」がアメリカ合衆国カリフォルニア州[1]に設立された。

SD規格のロゴ1990年代前半に東芝が開発した。ソニーフィリップス陣営の対抗規格に競り勝つ形でDVDの原型となった光ディスクSuper Density Disc」のために制作されたもので、ロゴ内の「D」は光ディスクの意匠がある。

デジタル著作権管理を目的としてSDMI (Secure Digital Music Initiative)によって制定されたSDMI仕様に準拠したメモリーカードとして開発された経緯があるため[2]、「SD」の呼称について、かつてはSecure Digitalの略称であると説明していた[3][4]。しかしSDMIは強制力がある仕様ではなく対応機器が一部にとどまり普及しなかったため[5]、SDMIは2001年に活動を休止。このことから、2006年9月にSDメモリーカードの規格書がVer. 2.00に改版された際にはSecure Digitalの略称であるという説明が削除され、これ以降の版でも何かの略称であるという記述は存在しない。

2000年代にはマルチメディアカードスマートメディアコンパクトフラッシュメモリースティックxDピクチャーカードなどの競合するメモリーカード規格が多数存在したが、ライセンス料を安価にしたり、miniSDなどの新しい規格をタイムリーに投入したり、携帯電話に搭載されるといった後押しもあり、2005年8月時点での日本国内でのSDカードの販売シェアは64.9 %と圧倒的多数を占め[6]、メモリーカード規格の主流になることができた。

2001年 - SDカードスロットに接続して使うSDカード型の周辺機器を作ることができる、SDIOカード規格が発表された[1]

2003年 - 小型化したminiSDカード規格が発表された[1]

2005年 - セキュリティ機能を強化したSD SMART規格が発表された[1]

2006年1月 - 米国の「2006 International CES」で、SDメモリーカードの規格限界容量である最大32 GiBを規定した「SDHC」が発表された。

2006年 - さらに小型化したmicroSD規格が発表された[1]

2009年1月 - 64 GiB以上の記憶容量に対応する規格として「SDXC」という新規格の仕様を策定、2009年8月に64 GiB仕様のカードを発表した。規格に関してはファイルシステムにexFATを採用することで記憶容量を最大で2 TiB (2048 GiB)、データ転送速度は300 MB/sまで拡張する予定となっている。

2018年6月 -「SD 7.0」規格として最大で985 MB/sの転送速度に対応する規格である「SD Express」と、最大で128 TiBの容量に対応する規格である「SDUC」を発表した[7]

発表当初からのSDカードは全て、SDMI仕様で規定された著作権保護規格CPRMに対応していたが、SD 6.1においてオプションとなり非対応カードも販売されるようになった。対応カードにおいてはCPRM機能に加えて、参照不可能な著作権情報管理用領域(プロテクト領域)が設けられており、メディアとして実際に使用できる容量とは若干の差分が存在する。

SPIモードがあり、低速で良いのであればSPIバスにて簡単に複数のデバイスを接続できる。製品に対応スロットが用意されている場合でも、SDメモリーカードの容量や製品との相性問題の関係で使用できない場合がある。

旧世代の製品である、Panasonic RP-SD032の内部。コントローラチップを介してFlashメモリとつながっている。

TOSHIBA SD-K16Gの内部。端子とコントローラ・Flashメモリが一体になっている。

無線LANを内蔵したEye-Fi Pro X2の内部。

miniSDカード

miniSDカード(ミニエスディーカード)は、SDメモリーカードの小型版で、端子が2ピン追加され11ピンとなっている。サンディスクが2003年(平成15年)3月に発表した。

SDメモリーカードとは電気的に互換性があり、端子の変換のみの簡易な構造のアダプタに装着することでSDメモリーカードとしても利用できる。実際に販売されているminiSDカード製品の多くは、アダプタを同梱している。

2006年(平成18年)には一時、SDメモリーカードの売り上げの半分以上がこのminiSDになった。当時日本では主に携帯電話端末向けに利用されていたが、その後はより小型化されたmicroSDカードへの移行が進んだ。2007年(平成19年)後半にはほとんどの端末にmicroSDカードが採用されるようになり、2008年(平成20年)頃にはminiSDカードの販売数は減少に転じた。microSDカードをminiSDカードに変換するアダプタの存在によりmicroSDカードで代替可能なことも、miniSDカードの市場規模縮小に拍車をかけた[8]

ソニーグループの製品では、以前はメモリースティックを外部メディアとして採用することが多かった。携帯電話メーカーSony EricssonSO902iSO902iWP+まではメモリースティック PRO Duoを採用していたが、2006年発売のSO903iではメモリースティック PRO DuoとminiSDの両規格に対応した外部メモリースロットを搭載した。同社は2007年発売の後継機SO903iTV以降、メモリースティック、miniSDのいずれも廃止し、microSDに移行している。

miniSDカード (256 MiB)

miniSDカードとアダプタ

miniSDカードの内部

microSDカード microSDカード(右)とアダプタmicroSDアダプタの内部構造。端子を変換するだけの非常に簡素な構造である。

microSDカード(マイクロエスディーカード)は、SDアソシエーションによって2005年(平成17年)7月13日に承認されたフラッシュメモリ電子媒体である。サンディスクが2004年(平成16年)2月に開発したトランスフラッシュ(TransFlash; TFカード)の仕様を引き継いだもので、名称は異なるが媒体そのものは同じである。


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