SDガンダムフォース
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SDガンダムフォース
ジャンル
ロボットアニメ子供向けアニメ
ヒーローアニメ
アニメ
原作矢立肇富野由悠季
監督阿部雄一
キャラクターデザイン木村貴宏
音楽池頼広
アニメーション制作サンライズ
製作テレビ東京創通エージェンシー
サンライズ
放送局テレビ東京系列
放送期間 2004年1月7日 - 12月29日
2005年6月2日 - 2006年1月19日
話数全52話
漫画:SDガンダムフォース
作者あおきけい&みかまる
出版社講談社
掲載誌コミックボンボン
発表号2004年1月号 - 2005年8月号
巻数全3巻
話数全20話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『SDガンダムフォース』(エスディーガンダムフォース、Superior Defender Gundam Force)は、2003年アメリカで先行放送され、2004年1月7日から12月29日までテレビ東京系列で放送されたテレビアニメ。同時期にBSジャパンでも時差放送された。通称『SDGF』[1]
概要

TVアニメガンダムシリーズの10作目にして、ガンダム生誕から25周年という節目に製作。また、SDガンダム諸作品のうち、サンライズ谷原スタジオが母体となり、当初からTVアニメーションとして制作された初の作品[注釈 1]で、日本TVアニメ史上初のフル3DCGアニメーションでもある[2]バンダイがアメリカにおいてSDガンダムの商品展開するにあたって企画・製作されたもののため、アメリカで先行放送され、製作の基準もアメリカの基準に則っている部分が多い。ただし、アメリカでは第2クール(26話)までの放送に終わっている[注釈 2]

武者・騎士・コマンド SDガンダム緊急出撃と同様に、それぞれテーマジャンルが異なる3部門のシリーズキャラクターが集った作品でもある。その商品展開上の性質から、原則として登場する人物以外のキャラクターは、ガンダムシリーズの中でも過去にアメリカでTV放送済みか、または正規映像ソフトがアメリカで発売済みの作品をモチーフとするものとされている。また、登場するキャラクターの一部は過去のSDガンダム作品に出典を持つ。他にも過去に発売されたSDガンダムシリーズのデザインが流用されており、ラクロア・天宮の主要なキャラクターは、SDガンダム英雄伝でのリニューアルデザインをベースとし、その他のキャラクターは、ラクロア側は『新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記』の主要キャラクターと機兵、天宮側は『新SD戦国伝 超機動大将軍編』の主人公と敵側となっている。
作品解説

当初はシリアスなストーリーではなく、派遣会社のベビーシッターとなったキャプテンガンダムが、毎回ザコソルジャー達の盗んだものを取り返すという温和なストーリーだった。しかし、アメリカからベビーシッターの設定にクレームがつき、現在の形となる[3]

世界設定としては、従来のSDガンダムを踏襲している。また、旧作に登場した「スペリオルドラゴン」や「頑駄無結晶」などの、過去の作品における重要な要素も一部設定を変えて使われている。反面、種族自体の設定には「ガンダムが喋ると口が点滅する」「騎士ガンダムの特異な生誕方法」「頑玉(武者頑駄無の生命)」等、独自の設定も多く含まれる。また、異文化に対するカルチャーショックを描いたシーンが多い。また、勇者シリーズで見られた「ロボットと少年との交流と絆」といった描写も特徴の一つで、作中でもキャプテンガンダムと少年・シュウトとの交流によって育まれる友情と絆が展開される。

設定に時間や空間の要素を取り込んでいるため、明示的にコメントはされていないが、作品の設定構造は複雑に練られており、タイムパラドックスにも触れている。子ども向け作品ながら、SF作品ということを考慮しており、プロデューサーの堀口は「ハードSF」と称している[4]

SDガンダムで行われていたパロディも、違った形で多く採用されており、一部のシーンはそれぞれの出展作品にちなんでいるものだけではなく、あらゆるガンダム作品から引用されたものも存在する。その一例として脚本家の竹田はコマンダーサザビー/ザコレッドの台詞を書く際、「シャアの台詞を書くのは楽しかった」と思い出を話している[5]

本作は、今までにない新しい製作体制で行われていたため、最初のうちはスタッフも手探り状態であった。また、キャプテンガンダムのマスクの下に口があるということにも意見が多い[注釈 3]

本作では監督に『GUNDAM THE RIDE』で縁があり、CGやVFXなどの分野に詳しい実写映画監督の阿部雄一(現アベユーイチ)を投入し、副監督として数多くのアニメ作品において監督や演出を務めた経験を持つ近藤信宏が起用された。副監督という役職を設けた理由は、実写とアニメ両方の面の要素を取り入れるためで、それぞれに明るい人物を配して新しいCGアニメーションを作るという意図を持った布陣であった[6]
3DCG技術・モーションキャプチャー

アニメーション全体がトゥーンシェーディング方式を取り入れた3DCGにより表現された、滑らかなフル3DCGアニメーションとなっている。この技術の使用により、製作時間とコストの大幅削減を実現している。[2]

CGアニメーション製作の際、本作にはモーションキャプチャーが使われており、実際の人間の動きをトレースしつつ描かれている。第1話で、キャプテンガンダムがシールドを軸にキックアクションをするシーンは、放送前より本手法の代表的な1シーンとして紹介されている。この手法によって、サンリオピューロランドのアトラクションとして作られた特別編「破壊大将軍あらわる!!ザコ?」では、プロレスラー橋本真也がアクター(声優も兼ねている)として参加している。

ただし、モーションキャプチャーは全て人間によって行われるため、人以外のキャラクターの製作には困難が付き物であることが、ダルタニアン岡崎がブログによって触れている。

本作品のCG製作は、製作時の全ての要素の洗い出した末、出来上がったデータを最終的に合わせている。加えて、デフォルメキャラという、モーションキャプチャーの役者とは異なる要素を持ったキャラクターを動かすため、デザインの通り動かせない、またはそれらが困難を極めたこともあった。爆熱丸の最初のデザインは、アクションするごとに角や肩などが身体の他の部分に当たってしまうものだったため、デザインの調整が施されたり、背中から剣を取り出すと、SDキャラクターがCG上自らの頭を叩き割る結果になってしまうなど。関連項目のマーガレット市長の件もそれに含まれる。また、本作の試作時には「武者○伝」のキャラクターがよく使用されていた。

また、製作時間やコスト削減の成功を収めた反面、ストーリー面においては余裕のない状況がいくつか生まれ、お蔵入りになってしまった展開も多く存在している。

モーションキャプチャーを担当した俳優には「着ぐるみに入っているように演じてくれ」という注文がなされるなどしている。また、多数のパーツが連鎖的に動き、弾かれたり絡まったりするロープの使用が3話以降使用禁止になり、後半はほとんどがワイヤーになっている。また、自然物は手間がかかるという理由で極力省かれている。

業界でもこの新しい製作体制は一目置かれており、スタッフがインタビューなどで度々それを語っている。実際、後述するように原作者の富野由悠季が興味を持ち、アポ無しで現場を見学しにいくほどであった。

製作の中で経験を重ねた結果、演出効果や製作効率は向上し、戦闘におけるスピード感や、ガンダムキャラクターの目の表情が多彩になるなど、描写は進歩していった。ザコソルジャーがひしめくシーンや天宮の合戦シーンなどにおいては、それぞれのアクションを明確に奥のキャラクターまで一つ一つ別に描写する[注釈 4]等、セルアニメでは困難と言える試みも行われている。製作自体は2002年から本格始動し、放送前にほぼ完成していた。アフレコなども早くから済んでいた[注釈 5]

CGテクニカルディレクターである鈴木健一自身が「1話と26話では雲泥の差」「1話ごとにどんどん進化している」と、賞賛している[7]。しかしスタッフ達は初期にも良いエピソードがあるので、是非見てほしいと語っている。

本作品にて培われたCG技術は、短編OVA『GUNDAM EVOLVE』の、鈴木健一が監督を務めた武者頑駄無編など、CG作品にいくつか生かされている。
続編構想

本作品は、ジュネラルの正体・残りの五聖剣の行方・ソウルドライブの出所・敵役の生死不明者の謎・英知の園の巨人の足跡・ダークアクシズ要塞の行方など、謎のキーワードや伏線が残されたまま終了している。これらは、監督の阿部自身が『第二部・次元パトロール編』という続編を想定した伏線として残したことを、雑誌やトークショーなどで明かしている。

この構想は、ダークアクシズが次元を跨いだ侵略行為を行ったことから起こった次元の歪み(アベ曰く『次元骨折』)を正しに行くというストーリーである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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