この項目では、ラテン文字のSについて説明しています。アルメニア文字の?については「?」を、キリル文字の?については「?」を、グルジア文字の?については「?」を、音楽・芸能プロダクションについては「S (音楽・芸能プロダクション)」をご覧ください。
Ss Ss
ラテン文字
AaBbCcDd
EeFfGgHh
IiJjKkLlMmNn
OoPpQqRrSs
Sは、ラテン文字(アルファベット)の19番目の文字。小文字は s 。ギリシャ文字のΣ(シグマ)に由来し、キリル文字のСと同系の文字である。
字形筆記体ジュッターリーン体。真ん中は長いs
左半円の下に右半円を重ねた形である。これはΣ(シグマ)の小文字語末形 ? と共通の形である。大文字も小文字も同じ形である。 この文字が表す音は、/s/(無声歯茎摩擦音)ないしその類似音である。ただし、西欧の多くの言語で、母音・有声子音に挟まれた単独のsを有声の/z/で読む。この場合、母音・有声子音に挟まれた無声の/s/を表すにはしばしばssと書く。
大文字の筆記体は、しばしば、左半円の右半分に、本来の曲線と交差しながら左下から線が延びる。
小文字の筆記体は、前述の大文字の筆記体の下半分であり、左下からの斜線から山形に曲がって、右下半円を上から時計回りに描き、最初の斜線に到達して引き返し、次の文字に続く。
過去に、「長いs」と呼ばれる、?(f に似ているが、横棒がある場合右に突き出さない)が用いられた。
フラクトゥールに関しては以下の特徴を持つ。
大文字は S {\displaystyle {\mathfrak {S}}} であって、他の書体のGとよく似ている。ちなみにGのフラクトゥールは G {\displaystyle {\mathfrak {G}}} である。
小文字は s {\displaystyle {\mathfrak {s}}} であるが、この字体は語尾にしか使われず、語頭・語中には長いs(?) のが常用される。
呼称
拉・独・仏・英・蘭・葡・羅・尼・スラヴ語:エス
西: ese(エセ)
伊: esse(エッセ)
洪:エシュ /??/
エス:ソー
音価
ドイツ語では無声の/s/を表すのに短母音の後で ss, 長母音の後ではsを使う。標準語では母音の前のsを有声で発音する。
ドイツ語ではsp、stの2字でそれぞれschp、schtの綴りと同じ/?p/、/?t/を表す。しかし、schp、schtの綴りとは違う/sp/、/st/を表す例もある。
フランス語では、無声の/s/を表すのにしばしばcないしcを使う。また、フランス語では語末のsを原則として黙字化するが、次の単語が母音で始まる場合にはリエゾンして /z/ で発音される。
イタリア語では、sを有声で読むか無声で読むかは方言により変化する。標準語では単語ごとに異なる。
英語も、単語ごとに異なる。単語によってはどちらで読んでもいいもの、意味により変化するもの、黙字となるものがある。また単語によっては、/z/を表すsをzで書き換えることができる。また、dessert, possession は例外的に濁る(フランス語の dessert, possession は濁らない)。
ハンガリー語では、/?/をあらわす。/s/ をあらわすには sz を用いる。
日本語のローマ字表記ではサ行の子音に用いる。ヘボン式ではシおよびシャ、シュ、ショの子音はshとする。
朝鮮語のローマ字表記では初声の?に用いる。?はssとする。
sh(英語)は/?/、sch(ドイツ語)も/?/、tsch(ドイツ語)は/t?/である。
Sの意味宇田川榕菴が著した「舎密開宗」の化学実験図。第一図(上部)において実験に用いる器具(管部分)を「S字様管」と記している。
単位・数学記号
数学で面積を表すのに用いることがある
コクセター群の生成系
対称代数
秒 (second) ※SI 単位の場合、小文字に限る
ジーメンス (siemens)
生化学で沈降係数を表す単位スヴェドベリ(テオドール・スヴェドベリ)
対称操作のひとつである回映操作を表現する記号。具体的な使用例は分子対称性を参照。
非SI接頭辞(ジム・ブロワーズ (Jim Blowers) の提案)
ソルタ (sorta)(1042)(大文字)
ソトロ (sotro)(10?42)(小文字)
自然科学
硫黄の元素記号。
有機化学で光学異性体の一つ、S体。
電界効果トランジスタ (FET) の端子の一つ。ソース (Source)
熱力学でエントロピーをあらわす。
コンピュータ言語。→S言語
二十八を意味する数字。三十六進法など、二十九進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過)において二十八(十進法の28)を一桁で表すために用いられる。ただし、アルファベットの I と数字の 1 、およびアルファベットの O と数字の 0 が混同し易いために、アルファベットの I と O を用いないことがあり、この場合、J が十八、K が十九、…、N が二十二、P が二十三、…、S が二十六を意味する。
文学・風俗
文法で主語 (subject) をあらわす。
南 (south) の略。磁極のS極もsouthによる。
昭和の略記。
洋服などのサイズで、小さめ (small)。
劇場や競技場、業績などの順位で特別 (Special) または優良 (Superior) という意味で、Aよりも上で希少性の強い最上位を表す。この場合、Sは「特A」、Aは「平A」という扱いになる。用例として、S級、S席など。Sよりも上の順位でSを重ねてSSやSSSとする例もある。
テレビ番組表でステレオ放送の意。四角囲み記号が一般的。
「sister」の略で、女学生同士の同性愛を意味する。
将棋の銀将 (Silver) の略号。
風俗用語で、スキン(コンドーム)を指す隠語。
シエラの略記。警察などで部隊名として使われる隠語の一種。
ヤクザ用語で、スピード(覚醒剤)の隠語。
東京ディズニーシー (Tokyo Disney Sea) の略号。
スパイを示す符丁。