Rockbox
iPod ビデオのipodVisionテーマ
開発元The Rockbox Project
最新版3.15 / 2019年11月15日。カレントビルドは毎日
リポジトリ
git.rockbox.org/cgit/rockbox.git/
Rockboxは、デジタルオーディオプレーヤーに搭載されたファームウェアを置き換えるフリーソフトであり、拡張性の乏しいプレーヤーに様々な機能を追加するためのプラグイン機能を(多くの場合、元のファームウェアを取り除かないで)提供する。オープンソースのファームウェアであり、誰でも開発、配布が自由である。拡張機能にはPDA機能、アプリケーション、ユーティリティ、ゲームなどがある。また、2000年中頃にリリースされたプレーヤーにもビデオの再生機能を加える。また、視覚障害をもつユーザのための声で操作できるユーザインタフェースも用意されている。
Rockboxはハードウェア能力が非常に異なっている様々なポータブルオーディオデバイス上で動くものであるため、1ビットのキャラクタセルベースのディスプレイをもつ早期のArchosプレーヤーから、近代的な高画質のディスプレイ/デジタルの光学オーディオ機器/高度な録音能力をもっているプレーヤーまで対応している。多くの場合、フラッシュメモリから実行されるよりも、ハードディスクからRockboxか標準のファームウェアのどちらかから読み込み可能なサポートされているデバイスのフラッシュに最小限のブートローダーがインストールされる。また、一部の機器ではフラッシュメモリへのインストールもできる。 Rockboxプロジェクトは2001年の後半に、初期のArchosシリーズのハードディスク内蔵型MP3プレイヤーと、フラッシュメモリ型のOndioを含んだ録音機能つきモデルを対象に行われた。Rockbox開発は、ユーザーインターフェイスやデバイスの取り扱い方法に不満をもったことにより開発された。これらの機器の処理能力は限られており、音楽再生はMP3デコードチップ(MAS)で行っていたため、Rockboxは音楽の再生品質を変えることはできなかったが、その代わり、Rockboxは改良されたユーザーインターフェイスを提供し、工場出荷時のファームウェアに無い機能をプラグインで導入可能にした。Rockboxは製品に搭載されたフラッシュメモリの起動領域を書き換え、元のファームウェアとそっくりそのまま入れ替えてしまうことができた。 Rockboxにはより新しい製品に対応したバージョンも用意されている。こちらではソフトウェアデコードにより演奏しており、既にArchos版で実装している機能に加えて、オリジナルのファームウェアが対応しないオーディオフォーマットの演奏が潜在的に可能となっている。専用のブートローダーで製品が起動後、Rockboxはハードディスクから立ち上がる。つまり、Rockboxをアップグレードするのにユーザーが必要なことは、ハードディスクにファイルをコピーして再起動することだけである。ブートローダーの差し替えのためにはファームウェアの書き換えが必要になるが、製品によっては差し替え不要である。 2004年の後半に始まった初めてのこれらの移植はiriverが製造したモトローラー製のColdFireプロセッサーを使ったデバイス、つまりハードディスク・プレイヤーであるiriver H100 シリーズ(H110/H120/H140)だった。およそ1年後に、iriver H300 シリーズへの移植は機能的になり、同じような機能を提供するようになった。
開発
2005年後半に、Apple製のiPodにRockboxの移植が始まった。
2006年の1年間は、Cowon iAUDIO X5シリーズと同様に、Rockboxを様々なiPod(iPod photo, iPod nano, iPod第4世代, iPod mini, iPod第5世代)で利用可能にした。
2007年2月には、iriver H10や東芝のgigabeat FとXシリーズへの移植が利用可能になった。
2007年3月5日には、Cowon iAUDIO M5への移植が機能的になった。
2007年3月11日には、SanDisk Sansa
2007年5月23日には、iPod 5.5世代 80 GBモデルに対応し、iPod videoのラインアップが完結した。
2007年7月27日には、iPod 1G と 2Gの最初のサポートが追加された。
2007年9月23日には、Sansa c200シリーズがラインアップに追加された。
2008年3月18日には、オリンパスのm:robe MR-100がラインナップに追加された。
2008年3月23日には、Cowon iAudio M3がラインナップに追加された。
2008年5月3日には、東芝 gigabeat Sの利用が可能となった。
2009年3月10日には、オリンパスのm:robe MR-500iの利用が可能となった。
2010年にはandroidへの移植が始まる。
現在、Rockboxはmpegplayerプラグインを使用し、MPEG再生に対応。[1]
現在のところ全てのRockboxはメーカーの手助けをほとんど借りることなくリバース・エンジニアリングのみによって移植を完了してきた。しかし、フリーソフトウェアではあるが、開発者、支援者は移植されたRockboxにメーカーの公式サポート、あるいは新製品への移植に非公式な手助けが得られることを望んでいる。今でも少数の企業がRockboxに興味を示すに留まっており、開発プロジェクトへの公式なコード提供や、製品への組込を行う企業は皆無である。Sansaへの移植はメーカーの要請により始められ、開発チームにサンプル品が提供されている。[2]また、Sansa E200 v2などのSoCを開発しているAustriaMicrosystemsもデータシートを提供するなど開発に協力している。[3]また、ロシアのフォーラムで有志がHiFiMAN HM-801にrockboxの移植を行ってもらおうと呼びかけ、賛同者がrockboxの開発者にHM-801を提供し、移植されたという例もある。
Rockboxは継続的に開発されており、ソースコードの毎変更ごとのSVNビルドがリリースされている。[4] Rockboxのインターフェイスは特有のプラットフォームごとの制限に左右されるが、様々な方法でカスタマイズ出来る。フォントや表面と背景の色は追加したり選ぶことが出来る。その一方、メニューや再生中の画面のテーマを作るのには簡単なマークアップ言語が使われている。これらのテーマとして、背景や他の画像(アイコンのような物とか)があげられ、加えて、様々な拡張子、ID3タグ、ファイルの進捗状況、時間やシステムの情報があげられる。2007年11月11日の時点で、アルバムアートの表示が正式にサポートされた。2011年2月27日にはmp3のID3(v2)タグに埋め込まれたJPEGが正式にサポートされた。Rockboxは原則的にファイルツリーが基本のプレイヤーであり、そしてフォルダ構造による操作が出来る。(フォルダはプレイヤーにドラッグ・アンド・ドロップすることができる。)プレーヤー内で切り取り・貼り付けや削除をすることもできる。また、最近のバージョンには、プレイヤーにファイルのID3タグからの情報を集めることを可能にしたデーターベース機能がある。ユーザーはその結果ファイル構造に関係なく、このデーターベースを用いることでファイルを操作することが出来る。 ソフトウェアでデコードするプラットフォーム(Archos以外)では13つの非可逆コーデックと6つのロスレスコーデックと4つの非圧縮コーデックと14つのチップチューンフォーマットの再生をサポートしている。また、DRM機構のファイルはRockboxにおいて再生できない。Rockboxはオープンソースのプロジェクトなので、この機能は意図的に決して実装されることはない。
カスタマイズ
特徴
コーデック
非可逆コーデック
AC3(rawもしくはRealMediaコンテナ)
ADX
Advanced Audio Coding(AAC-LC/HEv1/HEv2)(MP4コンテナもしくはRealMediaコンテナ)
MPEG audio layers I-III (MP3/MP2/MP1)
Musepack
Ogg Vorbis
ATRAC3[5](OpenMGコンテナもしくはRealMediaコンテナ)
Cook Codec
Speex
Dialogic telephony type
Windows Media Audio
Windows Media Audio Professional
Opus
可逆コーデック
FLAC
WavPack
Shorten
Apple Lossless
Monkey's Audio[6]
TTA[7]
非圧縮コーデック
PCM
WAV
AIFF
Sunオーディオファイル[5]
Wave64
チップチューンフォーマット
Atari Sound Format
Synthetic music Mobile Application Format[8]