Remote_Desktop_Protocol
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Remote Desktop Protocol (リモート デスクトップ プロトコル、RDP)は、リモートデスクトップサービス(RDS、旧称:ターミナルサービス)が稼動しているサーバクライアントが接続するリモートデスクトップの多重チャネルプロトコルである。リモートデスクトップ接続(RDC、旧称:ターミナルサービス接続)として TCP ポート 3389 および UDP ポート 3389 を使用して接続する。
目次

1 特徴

2 歴史

3 Windows Server のライセンス

4 マイクロソフト以外による実装

5 RDPを使ったトリック

6 関連項目

7 参照

8 外部リンク

特徴

RDP 5.2 で以下の機能をサポートしている。

24ビットの色表現のサポート(8 · 15 · 16 ビットもサポート)

128 ビットまでの RC4 暗号化のサポート

TLS のサポート(暗号化のみ)

ローカル上でリモート上のサウンド再生

ファイル システム リダイレクションのサポート

プリンタのサポート

シリアルポートパラレルポートの接続をサポート

クリップボードの共有

RDP 6.0 では、以下の強化がされた。

シームレス ウィンドウのサポート

32 ビットカラーのサポート(Windows Server 2008 より24ビットが廃止になり、32ビットを代わりに使用する必要あり)

1600×1200 以上の画面解像度のサポート

TLS 1.0 の暗号化に加えて認証もサポート

複数モニタのサポート

帯域幅の改善

ClearType や Aero Glass テーマのサポート

Windows Presentation Foundation アプリケーションのリモーティングのサポート

IIS 7.0 を通しての HTTPS 接続のサポート

RDP 7.1 では、以下の強化がされた。

RemoteFX

歴史

RDPの前身は米国Citrix Systems社が開発したWinFrameと呼ばれる技術である。WinFrameは、Windows NTを複数の端末から、複数のユーザが同時利用できるようにする拡張機能で、1995年に発表され、Citrix Systemsの主力商品となった。

この「ターミナルサービス」は、WinFrame同様、複数のユーザが複数のクライアント端末からサーバとして動作しているWindows NT機に接続して利用できるサービスで、この機能によって、Windowsはリモートからも操作できるOSになった。「ターミナルサービス」は、その後「リモートデスクトップ」に名称を変更し、Windows XP以降ではOSの標準機能として組み込まれることになった。

RDPのバージョンはいきなり4.0から始まっていて、Windowsのバージョンに合わせている。
Version 4.0
ITU-T プロトコル (T.128) を基に、Windows NT 4.0 Terminal Server のターミナル サービスとして搭載された。
Version 5.x

Version 5.0
Windows 2000 Server のターミナル サービスとして搭載され、ローカル プリンタのサポートやネットワーク帯域幅の使用の改善を行った。
Version 5.1
Windows XP に搭載され、24 ビット カラーのサポートやサウンドの再生をサポートした。
Version 5.2
Windows Server 2003 に搭載され、コンソールモード接続やセッション ディレクトリとローカル リソース マッピングをサポートした。
Version 6.x

Version 6.0
Windows Vista, Windows XP SP2, Windows Server 2003 SP1/SP2, Windows Embededd CE 6.0 R2 に搭載され、多くの機能強化が含まれた。ネットワークレベル認証、マルチモニタなど。
Version 6.1
Windows Vista SP1, Windows Server 2008, Windows XP SP3 に搭載された。「TS RemoteApp」 · 「TS Gateway」 · 「TS EasyPrint」機能が追加された。
Version 7.x

Version 7.0
Windows 7, Windows Server 2008 R2 に搭載された。本バージョンよりサーバー側の名称がターミナルサービスからリモートデスクトップサービスに変更になった。デスクトップ コンポジションを Windows Vista Professional, Windows 7 Professional やそれ以上で有効にすれば Windows Aero を利用できる。しかし、Windows Aero の Aero Glass は Windows 8 で廃止されたため、Windows Vista, 7 でしか利用できない。また、Aero Glass はサーバー/クライアントが同じバージョンでないと利用できない[1]。また当初、DirectX のクライアントレンダリングを行う計画があったが、リリース直前に廃止になった[2]。クライアントレンダリングしているのは、言葉の定義として動画のデコードはクライアントレンダリングに含めないとすると、RDP 4.0 からやっている GDI のクライアントレンダリングのみであり、それ以外は静止画や動画で転送している。
Version 7.1
Windows 7 SP1, Windows Server 2008 R2 SP1 に標準搭載された。RemoteFX が追加された。RemoteFX により Hyper-V との組み合わせで GPU 仮想化、USBリダイレクションが利用可能になった。
Version 8.x

Version 8.0
Windows 8Windows Server 2012 から標準搭載。Windows 7 SP1, Windows Server 2008 R2 SP1 も Windows Update することで利用可能。TCP に加えて UDP (ポート3389)も併用するようになった。パフォーマンスの改善。マルチタッチ対応など RemoteFX の強化[3]
Version 8.1
Windows 8.1Windows Server 2012 R2 から標準搭載。Windows 7 SP1, Windows Server 2008 R2 SP1 も Windows Update することで利用可能。
Version 10.x

Version 10.0
Windows 10に標準搭載。
Windows Server のライセンス

リモートデスクトップを使用するには、基本的には以下の Windows Server のライセンスが必要である。括弧の意味は演算子の優先順位を表現する意味。

仮想化なし:CAL + RDS CAL

仮想化あり:CAL + RDS CAL + (VDA or SA)

なお、これらは、Windows Server のライセンスであり、RDP 以外のプロトコルを使用しても必要。そして、上記のルールを基本に、様々な例外条項があり、複雑なため詳細はマイクロソフトのホームページを参照。

仮想化なしとは、リモート・セッションで使う場合のこと。仮想化ありとは Hyper-V + RemoteFX などで使用する場合の事。

略語の意味は以下の通り。

CAL: Client Access License

RDS: Remote Desktop Service

VDA: Virtual Desktop Access

SA: Service Assurance

マイクロソフト以外による実装

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2014年2月)

RDPのクライアント、サーバーにはMicrosoft以外により開発されたサブセットの製品も多数存在する。一例としては、オープンソースのコマンドラインのクライアント rdesktop が Linux/Unix, また Windows オペレーティングシステムに提供されている。GUIのクライアントも多数存在する。一例として rdesktopをベースにした en:tsclient と en:KRDCがあり、Macintosh用には CoRD がある。[4] Microsoft client for OS X と異なり、CoRD はウインドウ1つにすべてのリモートセッションをタブで表示するようになっており、 ZDNet のレビューでは混乱することが少ないと評価されている。[5]

別の2011年に行われたレビューでは CoRDの接続の安定性はMicrosoftの OS X クライアントに勝るとしている。[6]

2009年に rdesktop より分岐して FreeRDPプロジェクトが立ち上がり、よりモジュラー化されたコードと、既知の各種問題の解決、および新機能の実装を目標に掲げた。[7] FreeRDP はコンソールアプリのクライアント xfreerdpを備え、RDP6で登場したシームレスウインドウを実装する。その他GTKアプリケーションのen:Remmina[8]が存在する。

リモートデスクトップ プロトコルのサーバーのオープンソースな実装としては、Unix ではFreeRDPxrdpが存在する。Windowsのリモートデスクトップクライアントからこのサーバーに接続することもできる。プロプライエタリなRDPクライアント製品である en:rdpclient などは、スタンドアローンのアプリケーションとしても、クライアントのハードウェアに組み込む形態でも提供される。新しいアクセス方式である、ブラウザー経由でのアクセスでは、en:2X_Software の2XApplicationServer および 2X Client という無料クライアントがある。

2X Client はUIにタブ切り替えを設けたクライアントで、独自のプロトコルによるサーバー「2X ApplicationServer」「2X SecureRemoteDesktop」と並んでMicrosoft RDPをサポートしている。2Xのサーバー製品を持たないユーザーも、RDPの接続については無償で利用することが出来る。
RDPを使ったトリック

VMwareを使ってWindows(ホスト)上で別の仮想Windowsマシン(ゲスト)を走らせるとき、VMware上のゲストのデスクトップを直接使うよりこのゲストに同じホストからRDPでアクセスしたほうが画面更新が圧倒的に速いことがある。これは、VMwareのゲストが一旦ハードウェアに依存しない(従って最適化されておらず遅い)仮想画面ドライバに出力してからそれをVMwareを経由してホストの画面ドライバに渡すのに対して、RDPは画面の更新をRDP経由で直接ホストのハードウェアに最適化された画面ドライバに渡すからと考えられる。[独自研究?]
関連項目

リモートデスクトップ

リモートデスクトップサービス

rdesktop

FreeRDP

xrdp

Citrix WinFrame

参照^Aero Glass Remoting in Windows Server 2008 R2 - Remote Desktop Services (Terminal Services) Team Blog - Site Home - MSDN Blogs


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