Raspberry_Pi
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Raspberry PiRaspberry Pi 4 Model B
製造元Raspberry Pi Ltd
種別シングルボードコンピュータ
発売日2012年2月29日 (2012-02-29)
売上台数累計4,600万台(2022年2月28日時点)[1]
ウェブサイトwww.raspberrypi.com

Raspberry Pi Ltd種類非公開会社(2024年6月ロンドン証券取引所に上場予定[2]
設立2012
本社194 Cambridge Science Park, Milton Road, Cambridge, England, CB4 0AB
主要人物Eben Upton (CEO)
製品Raspberry Pi
売上高US$265,797,000[3] (2023)
営業利益US$37,532,000[3] (2023)
利益US$31,572,000[3] (2023)
総資産US$265,354,000[3] (2023)
純資産US$159,214,000[3] (2023)
従業員数103[3] (2023)
ウェブサイトwww.raspberrypi.com

Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータイギリスRaspberry Pi 財団(非営利組織)とRaspberry Pi Ltd(営利組織)によって開発されている。日本語では略称としてラズパイとも呼ばれる[4]

2012年の立ち上げ当初は教育で利用されることを想定して制作された。IoTが隆盛した2010年代後半以降は、安価に入手できるシングルボードコンピュータとして趣味や業務(試作品の開発)等としても用いられるようになった。その後 Raspberry Pi Compute Module を商品に組み込む用途まで広がっていき、2023年は売上の72%が産業・組み込み市場となっている[5][6]
概要

Raspberry Piは、かつてイギリスで教育用コンピュータとして普及したエイコーン社の「BBC Micro(1981年)」の再来として、学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進することを意図している[7][8][9]。Model A、Model Bという名称もBBC Microに由来しており、サポートされるコンピュータ言語の中にはBBC Microで利用されたBBC Basicも含まれている。

ハードウェア的にはエイコーン社のCPU部門(Acorn RISC Machine、略してARM)が独立したARM社の開発するARMプロセッサを搭載している。また、エイコーンのオペレーティングシステム (OS) であるRISC OSも、Raspberry Pi用がRISC OS Open Limitedより公式リリースされている。内蔵ハードディスクソリッドステートドライブを搭載しない代わりに、SDメモリーカード(SDカード)またはmicroSDメモリーカード (microSD Card) を起動および長期保存用ストレージに利用する[10]STEM教育の一環として本製品以外にも、ArduinoIchigoJamM5StackObnizなどが見られる。
出荷台数Raspberry Pi 累積出荷台数(百万台)

2012年2月29日発売からの累計出荷台数は2013年10月31日までで200万台[11]、2014年6月11日までで300万台[12]、2015年2月18日までで500万台[13]、2015年10月13日までで700万台[14]、2016年2月29日までで800万台[15]、2016年9月8日までで1,000万台[16]、2016年11月25日までで1,100万台[17]と、年間約230万台のペースであった。

その後、累計出荷台数は、ペースが上がり、2018年3月14日までで1,900万台[18]、2019年12月14日までで3,000万台[19]、2021年1月21日までで3,700万台[20]と年間約600万台強の直線的な増加を記録した。

その後、累計出荷台数は、2021年5月12日までで4,000万台[21]、2021年9月22日までで4,200万台[22]、2021年11月16日までで4,300万台[23]、出荷開始からちょうど10年間経過の2022年2月28日までで4,600万台[1]を記録。

2021年10月20日、世界的な半導体不足により、Raspberry Pi の供給不足および一時的な値上げを発表[24]。2022年4月4日、再度、供給不足の状況を説明し、商品に組み込んでいるなど産業用で必要な企業を、家庭用よりも優先すると発表[25]。2022年12月12日、2023年第2四半期から生産数が回復し、2023年第3四半期から在庫がある状態に戻る見通しであると述べた[26]。2023年6月1日、2023年7月から月産100万台に回復できる見通しであると報道された[27][28]
製造企業

ハードウェアの設計は英国Raspberry Pi Ltdが行い、製造はRaspberry Pi Ltd自身と、Raspberry Pi Ltdから製造権を供与されたelement14(Premier Farnell社)が担当している(2022年まではRSコンポーネンツ社も製造を任されていたが、2022年にRaspberry Pi Ltdより契約を解除された[29])。この2社から製品の供給を受けた各国のリセラー(日本ではBAKS、スイッチサイエンス、DigiKey、KSY、Mouser Electronicsの5社[30])によって製品が販売される。いずれのメーカーも実際の製造はソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ社に委託されている[31]。2022年現在、ほとんどの製品が英国内の工場(ソニーペンコイド工場、ウェールズ)で製造されているが、日本向けモデルの一部は日本国内の工場(ソニー稲沢テック、愛知県)で製造されている[32]。2021年現在はRaspberry Pi Picoを稲沢テックで製造中[33]
ハードウェア
Model A, Model B

Model A, Model B はクレジットカードと同程度(Model A は長辺方向がクレジットカードの5分の4程度)の大きさ。Model A の方が価格が安い。Model A, Model B には USB をはじめとして、様々な端子が取り付けられている。

モデルごとの仕様一覧表(Model A / Model B)Model AModel BRaspberry Pi 5
Raspberry Pi 1
Model ARaspberry Pi 1
Model A+Raspberry Pi 3
Model A+Raspberry Pi 1
Model BRaspberry Pi 1
Model B+Raspberry Pi 2
Model B
v1.1Raspberry Pi 2
Model B
v1.2Raspberry Pi 3
Model BRaspberry Pi 3
Model B+Raspberry Pi 4
Model B
発売日2013年2月2014年11月10日2018年11月15日
[34][35]2012年2月15日2014年7月2015年2月1日2016年2016年2月29日2018年3月14日[36][37]2019年6月24日[38][39]2023年10月23日[40]
FCC認証ーー2016年7月26日2016年2月26日[41]2023年10月18日[42]
電波法認証2019年9月19日[43]ー2016年2月25日[注釈 1]2018年5月17日2019年9月4日[44]2024年1月11日[45]
ターゲット価格[8][46]$25$20$25$35[47][48]$35→$25[49]$35$35(1 GB)

$45→$35[50]→$45[24](2 GB)
$55 (4 GB)
$75 (8 GB)[51]$60 (4GB)
$80 (8GB)
SoC[8]
(CPU, GPU, DSP, SDRAM, USB)Broadcom BCM2835[52]Broadcom BCM2837B0[53]Broadcom BCM2835[52]Broadcom BCM2836Broadcom BCM2837[注釈 2]Broadcom BCM2837[54]Broadcom BCM2837B0[55]Broadcom BCM2711[56]Broadcom BCM2712[57]
CPUARM1176JZF-S[58]ARM Cortex-A53[53]ARM1176JZF-S[58]ARM Cortex-A7ARM Cortex-A53[注釈 2]ARM Cortex-A53[54][55]ARM Cortex-A72[56]ARM Cortex-A76[57]
シングルコアクアッドコア[53]シングルコアクアッドコア[54][55][56][57]
700 MHz1.4GHz[53]700 MHz900 MHz1.2 GHz[54]1.4 GHz[55]1.5 GHz → 1.8 GHz[59][56]2.4 GHz[57]
ARMv6ARMv8 (64bit)[53]ARMv6ARMv7ARMv8 (64bit)[注釈 2]ARMv8 (64bit)[54][55][56][57]
ARM11ARM Cortex-A[53]ARM11ARM Cortex-A[54][55][56][57]
GPU
Broadcom VideoCore IV[60]Broadcom VideoCore VI[61]Broadcom VideoCore VII[57]
250 MHz400 MHz(3D 300 MHz)250 MHz400 MHz (3D 250 MHz)400 MHz (3D 300 MHz)2コア
500MHz[61]12コア
800 MHz[61]
OpenGL ES 2.0 (250 MHz の場合 24 GFLOPS)OpenGL ES 3.1, Vulkan 1.0[56]OpenGL ES 3.1, Vulkan 1.2[57]
H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)[52]
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]H.264(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4(1080p30デコード)[64]H.264 High Profile(1080p30デコード・エンコード)[52]
MPEG-2[62][注釈 3]
VC-1[63][注釈 3]H.264(1080p30デコード・エンコード)
MPEG-4(1080p30デコード)[65]H.265(4Kp60デコード)
H.264(1080p60デコード、1080p30エンコード)[56]H.265(4Kp60デコード)[57][61]
メモリ
(GPUと共用)256 MB512 MB[53]512 MB
256 MB[注釈 4]512 MB1 GB[54][55]1 GB, 2 GB, 4 GB, 8 GB[56]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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