RCEP
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「RCEP」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「RCEP (曖昧さ回避)」をご覧ください。

地域的な包括的経済連携協定
通称・略称RCEP協定
署名2020年11月15日(署名国の首都)
署名場所第4回RCEP首脳会議[1](ベトナムを議長国とし、テレビ会議方式(Virtual Summit)で開催[2][注釈 1]
発効2022年1月1日[4]
締約国

14

 オーストラリア

 ブルネイ

 カンボジア

 中国

 インドネシア

 日本

 韓国

 ラオス

 マレーシア

 ニュージーランド

 フィリピン

 シンガポール

 タイ

 ベトナム

当事国

15

 オーストラリア

 ブルネイ

 カンボジア

 中国

 インドネシア

 日本

 韓国

 ラオス

 マレーシア

 ミャンマー

 ニュージーランド

 フィリピン

 シンガポール

 タイ

 ベトナム

寄託者東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局長
文献情報令和3年7月14日官報号外第158号?第162号条約第7号
言語英語
主な内容締約国相互間の関税の撤廃、知的財産権(特許・著作権の保護期間等)等
条文リンク地域的な包括的経済連携協定 - 外務省、REGIONAL COMPREHENSIVE ECONOMIC PARTNERSHIP AGREEMENT - Foreign, Commonwealth & Development Office
テンプレートを表示

地域的な包括的経済連携協定(ちいきてきなほうかつてきけいざいれんけいきょうてい、英語: Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement (略称:RCEP、通称:アールセップ)、簡体字中国語: 区域全面???伴?系?定、朝鮮語: ?? ??? ?? ??? ??)[注釈 2]は、ASEAN加盟10カ国(ブルネイカンボジアインドネシアラオスマレーシアミャンマーフィリピンシンガポールタイベトナム)と、そのFTAパートナー5カ国(オーストラリア中国日本ニュージーランド韓国)の間で、2020年11月15日に第4回RCEP首脳会議の席上で署名された[1]経済連携協定 (EPA) である。署名15か国は、世界の人口とGDPの3割を占めている[9]日本法においては、国会承認を経た「条約」であり、日本国政府による法令番号は、令和3年条約第7号である。

インドは、交渉が開始された2011年から、FTAパートナー国として、RCEP交渉に参加していたが、主に中国からの製造品やオーストラリアやニュージーランドからの農産物・乳製品のダンピング懸念を理由に、交渉の最終時点の2019年11月に交渉から離脱した[10]
価値RCEP人口? 2012年: IMF ? World Economic Outlook Databases (October 2013)RCEP GDP ? 2012: IMF ? World Economic Outlook Databases (October 2013)

RCEPには30億人以上の人口、つまり世界人口の45%が参加し、GDP合計で約21.3兆ドル、世界貿易の約40%を占める可能性があったが、インドがRCEPへの不参加を決定したことで、RCEPの潜在的な影響は大幅に減少した[11]。潜在的なRCEP加盟国のGDPの合計は、2007年には環太平洋経済連携協定(TPP)加盟国のGDPの合計を上回った。特に中国、インド、インドネシアの経済成長が継続すれば、RCEPのGDPは2050年までに100兆ドルを超え、TPPの約2倍の規模に成長する可能性があった[12]。また日本にとっては経済的に繋がりの深い隣国である中国、韓国との初めての経済連携協定(EPA)となる[13]

2017年1月23日、アメリカ合衆国ドナルド・トランプ大統領は、RCEPの成功の可能性を高めると見られていた動きであるTPPからの脱退を明記した覚書に署名し[14]、米主導による対中国を意識した経済圏を目指したTPPは米が抜け大きく縮小したTPP11となって2018年12月に発効した。

2020年に署名されたRCEPはインド抜きでも世界のGDPや貿易額・人口の約30%を占めることとなり、発効時点ではTPP11(世界のGDPの約13%、人口約5億人)やEUUSMCAを大きく上回る世界最大の自由貿易圏となる[15][16]。経済大国への成長が予想されているインドが抜けたことにより、一強である中国の地位がさらに強化され、中国による貿易ルール形成主導が起きる可能性が懸念されている[16][17]2050年までの潜在的なRCEP加盟国のGDP予測。 [12]

インドの離脱により中国主導が懸念される中、日本がインド抜きの15か国による協定署名に踏み切った理由について、「新型コロナウイルスの世界的流行で経済が冷え込む中、RCEPへの経済界からの期待は高いこと、日本がRCEPから退けば、ASEANでの中国の存在感がさらに強まるとの懸念があること。中国と知的財産や電子商取引の分野で共通のルールを持つ意味は大きい。日本は「中国を縛り監視するためにも、協定にとどまる必要があること。」との指摘がある[18]

2021年3月19日、日本政府は、協定の関税収入・支払減少額試算[19] 及び経済効果分析[20] を公表した。いずれも日本についての分析であり、関税については引下げの最終年度において日本の関税収入は、3,159億円減少する一方で、日本からの輸出品に課される関税は1兆1,397億円減少するとしている。また経済効果については、「日本の実質GDPは、RCEP協定がない場合に比べて、相当の調整期間を経て最終的には約2.7%押し上げられることが示された」としている。
交渉開始までの経緯

従来、中国が2005年4月から提唱してきた「東アジア自由貿易圏(EAFTA(英語); ASEAN+3)」と、日本が2006年4月から提唱してきた「東アジア包括的経済連携(CEPEA; ASEAN+6)」が併存しており、双方について、これまで、民間研究および政府間の検討作業が実施されてきた。

2011年8月の日中共同提案「EAFTAおよびCEPEA構築を加速させるためのイニシアチブ」を受け、同年11月に、ASEAN首脳は両構想を踏まえ、ASEANとFTAを締結しているFTAパートナー諸国とのRCEPを設立するためのプロセスを開始することで一致した[21]

2012年4月に、ASEAN首脳は2012年11月の交渉立上げを目指すことで一致し、2012年11月20日カンボジアプノンペンでのASEAN関連首脳会議で交渉立ち上げ式が開催され、交渉開始が宣言された[22]
会合の日程

2013年5月9日?5月13日の日程でブルネイにおいて第1回交渉会合が開催された[23][24]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:314 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef