R-30_(ミサイル)
[Wikipedia|▼Menu]

R-30 (RSM-56) Bulava [1]
種類SLBM
運用史
配備期間2013年1月10日 -
配備先 ロシア海軍
開発史
開発者モスクワ熱技術研究所
製造業者Votkinsk生産工場
諸元
重量36.8 トン
全長11.5 m (弾頭含まず), 12.1 m (打ち上げコンテナ)
直径2 m (ミサイル), 2.1 m (打ち上げコンテナ)

弾頭6機 (10機まで運搬可能) 弾頭はそれぞれ核出力150 kt総重量1150kg以下[2]

エンジン3段式固体燃料ロケット
誘導方式慣性誘導, 可能ならば天測航法を併用、およびGLONASSへ更新
発射
プラットフォーム

ボレイ型原子力潜水艦タイフーン型原子力潜水艦 Dmitry Donskoy
テンプレートを表示

R-30「ブラヴァー」(ロシア語:Р-30 ≪Булава≫エール・トリーッツァヂ・ブラヴァーローマ字表記は、Bulava)は、ロシア連邦で開発されている新型潜水艦発射弾道ミサイル(БРПЛ)である。システム名として3M14「ブラヴァー」(3М14 ≪Булава≫トリー・エーム・チトィーリナツァチ・ブラヴァー)とも呼ばれる。愛称の「ブラヴァー:Bulava」とはウクライナ・コサック権威象徴である、棍棒型の武器のことである。DoD番号では、開発中はXナンバーが付いたSS-NX-30と呼ばれていたが、実戦配備に伴いSS-N-30と呼ばれるようになる。目次

1 概要

2 飛行テスト

3 登場作品

4 脚注

概要 Project955 Borey SLBMブラヴァーはボレイ級原子力潜水艦搭載用として開発された。当初、ボレイ級には新開発の固体燃料ロケット弾道ミサイルR-39UTTkhバルク(SS-NX-28)が搭載される予定であったが、ソ連崩壊後の開発予算削減により開発は進まず、1994年、1997年、1998年に行なわれた発射テストは全て失敗した。一方、ソ連時代には陸上用弾道ミサイルを設計していたモスクワ熱技術研究所は、潜水艦発射弾道ミサイルの分野への進出を図り、国防省や海軍関係者への働きかけを強めた。モスクワ熱技術研究所は、既に実用化されている陸上用弾道ミサイルをベースにした潜水艦発射弾道ミサイルを作れば、開発費を節約できると主張した。その結果、国防省と海軍は1998年にバルクの開発中止を決定し、モスクワ熱技術研究所が設計した陸上用大陸間弾道ミサイルRT-2PM2 トーポリMを潜水艦発射用に改修したブラヴァーが作られる事になった。開発に当たり、タイフーン級原子力潜水艦のTK-208「ドミトリー・ドンスコイ」が、ブラヴァーの海上発射テスト用プラットフォームに改造された。ロシア側の報道によると、ブラヴァーは原型となったトーポリMに比べて小型化され、最大で10個の核弾頭が搭載可能であり、約8,000から10,000キロメートルを飛翔する能力を有する[3][4]。ミサイルの生産はトーポリMと同じくヴォトキンスクにある連邦国営単一企業「ヴォトキンスキー・ザヴォード」で行われる。2013年1月10日のボレイ級原子力潜水艦の1番艦・ユーリイ・ドルゴルーキイの就役とともに実戦配備された。

発達系譜

RT-2 ICBM 

     

RT-2PM 車載移動化 

     

   スタールト1 商用ロケット 
  
     

RT-2PM2 改良型 

     

   R-30 SLBM
  
     

RS-24MIRV  


飛行テスト

これ以前にも2004年9月23日に飛行を伴わない発射テストが行われている。

1回目(2005年9月27日実施):原潜は浮上した状態でミサイルを発射、カムチャツカ半島の兵器試験場に着弾。


2回目(2005年12月21日実施):初の水中発射実験、ミサイルはカムチャツカ半島の兵器試験場に着弾。


3回目(2006年9月7日実施):発射数分後に弾頭部分が脱落して海上に落下、失敗。


4回目(2006年10月25日実施):発射数分後にミサイルは軌道から逸脱した為に自爆装置を作動させ、失敗。


5回目(2006年12月24日実施):失敗。

特に、2006年に3度に渡って実施された発射テストは、3度に渡って失敗に終わった。

これを受け、ロシア日刊紙コメルサントイワン・サフロノフは「ロシアの核戦力整備計画が危機に瀕している」と報道し、ロシア連邦宇宙局長官アナトーリー・ペルミノフは、「ブラヴァーは、あと12?14回の発射テストを行う必要が有る」とコメントした。

2007年2月7日、ロシア連邦国防相セルゲイ・イワノフは、ロシア連邦議会下院議員の会合に出席し、度重なるブラヴァーの発射テスト失敗に不安を持つ議員達に対し「ブラヴァーの発射テストが失敗した事もある。しかし、これは普通の事だ。ブラヴァーが既に実戦配備されていたのであれば、今回の失敗は悪夢となっただろう。だが我々は、まだそこまではやっていない」と語り、実戦配備前の段階における発射テストの失敗は充分に起こりうる事を指摘した。

イワノフは、「ソ連邦時代、弾道ミサイルは配備される前に、3?4年に渡って海上発射を含むテストが行われていた」と指摘し、「弾道ミサイルは、少なくとも20?25回ほどの発射テストが行われていた。また、そのテストは、いつも滞り無く進んでいたわけでは無かった」と付け加えた。これは、暗に、予算不足によってブラヴァーの発射テストが、まだ充分に行われていない事を示唆したものと見られる。

さらにイワノフは、原潜からのミサイル発射テストに関する危険性を危惧する議員に対しては、「設計者が事前にあらゆるシミュレーション・テストを行ない、発射の安全を保証した為、潜水艦からの弾道ミサイル発射テストには危険は無かった。従って私は、安全性を脅かすものは無いと見ている」と答えた。

その後、さらに実験は継続中である。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:14 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef