2012年9月4日、渋谷のカシオ計算機ショールームに保存されている本機が、国立科学博物館により第5回重要科学技術史資料(未来技術遺産)として登録された(登録番号第00113号)[4]。選定の理由としては、世界初のカラー液晶モニターを搭載した一般向けデジタルカメラとして、低価格と優れた携帯性・操作性によりデジタルカメラ普及のきっかけとなったことと、日本の科学技術発展の独自性を示してカメラ文化の転換点を担ったことが挙げられている[5]。なお、カシオ計算機の未来技術遺産としては、2008年登録の「電子式卓上計算機 カシオミニ」、2009年登録の試作デジタルカメラ「DC-90
(熱子/重子)[6]」に続く3回目の登録となる。この商品には不満な点も多く指摘された。それらはQV-10以降のデジタルカメラの発展の方向性を決定付け、標準装備として徐々に取り入れられていった。
レンズがズームレンズでなく、単焦点。
ストロボフラッシュが内蔵でなく、外付け連動用の端子(シンクロ接点やアクセサリーシュー)もない(ただしQV-10は比較的、暗所撮影に強かった)。
外部記録媒体(メディア)に保存する機能がない(パソコンへの取り込みは別売りのケーブル・連携ソフトが必要だった)。
「電池を飲む」といわれたほど、電池寿命が短かった(当時のアルカリ乾電池の性能も一つの要因で、ニッケル水素蓄電池を使用することで改善された)。なお、当時ペンタックスなどのカメラメーカーがデジタルカメラ市場に参入した頃は電池持続時間を延ばすべく主にフィルムカメラに使われるCR123A