QSLカード
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ヨーロッパでは、2UV、ビル・コーサム(William E. F. "Bill" Corsham)が1922年イングランドのハーレスデン(Harlesden)から交信した時に最初にQSLカードを発行した。
記載事項

最初の10項目は必須であり、欠けているとアワード申請における所持証明の際に無効となる[5]QSLカード情報欄の例
自局のコールサイン

相手局のコールサイン

送り先のコールサイン

交信したことを証明する旨の文言

交信した年月日とタイムゾーンを含む時刻

RSTコードによる相手の信号の状況

交信に用いた周波数帯もしくは波長帯、または周波数

交信に用いた電波型式

自局の運用場所

アマチュア衛星による交信の場合は使用した衛星の名称

署名

自局の運用場所DXCCエンティティー(後述のDXCCに用いられる地域番号)、ゾーン番号(国際電気通信連合(ITU)の定めるものとUS-CQ社の定めるものとの二種類がある。)、JCC/JCGナンバーグリッド・ロケーターによる経緯度などの補助情報

自局の無線機や出力(空中線電力)、アンテナ

交換の方法
QSLビューロー

世界各国にQSLカードを転送事務を行うQSLビューローと呼ばれる機関があり[6]、それらを経由する方法である。郵便事務と同様に、受け付けたQSLカード受付けを仕分け、転送する仕組みである。

国によってはボランティアにより運営されているケースが多いが、日本ではJARLが会員限定で独占的な運営を行っており、JARL会員以外はビューローを利用できず、国内局同士ではQSLマネージャも禁止とされているためクラブコール宛て等での転送も不可能となっている。しかし、JARLの会費[7]を鑑みても年間約88通以上のQSLカードを交換する場合は後述するダイレクトよりは安上がりである。

現在、コロナ禍における就労者不足などの原因から、半年程度からそれ以上の遅延が頻繁に発生している[8]。交信相手が発送するまでの時間も含めるとニューカマーがJARLに入会,年会費を払っても1年間全く届かずに退会に至るケースも発生している。 特に、FT8が流行り始めてからは総交信数が増加し、より悪化している。

QSLビューローの費用はJARLの年会費から支出されているため、発送数の違いにおける不公平感を訴える声もある。

外国との転送では、数か月から数年もの時間がかかったり、年月の経過とともにQSLマネージャや転送ボランティアが居なくなって未着や紛失となる場合がよくあるため、2010年頃以降は多く場合で後述のインターネットを利用した電子QSLが主として使われている。
ダイレクト

郵送等によってQSLカードを送付、もしくは手渡しする方法である。
国外

DXペディションなど珍局と交信した場合、船便を用いるビューロー経由では時間がかかってしまうため、ダイレクトで送付し返信を要求する場合がある。この際に相手に負担をかけないようにSASE(自分宛て住所を書いた切手付き返信用封筒)を用いる。国際的にはSAE(Self‐Addressed Envelope、自分宛て住所を書いた切手のない返信用封筒)+IRC)とする。IRCにかえて米ドル紙幣を同封することもある。なお、日本に於いて一般に通常郵便物に紙幣(現金)を同封することは郵便法違反であるが、外国紙幣は該当しない。相手先国での扱いについては注意が必要である[9]
国内

かつては郵政省(当時)が無線局情報をJARLに提供し、アマチュア無線局名録(通称コールブック)をほぼ隔年毎に発行し書店で販売していたため、交信相手に直接QSLカードを送付,請求する事ができた。
しかし、社会情勢の変化とともに1990年版を最後に郵政省からの個人情報提供は行われなくなった[要出典]ため、その後はJARL会員情報に基づく会員名簿という形で発行を続けた。

2003年には、個人情報を利用した悪質ビジネスや犯罪の深刻化に伴い個人情報保護法が施行され、第三者への個人情報の提供には利用目的の説明や承諾が必要となったが、JARLは「会員は第三者ではないから個人情報保護法に基づく説明や承諾を行わなくても合法」と解釈し、会員限定として販売[10]を続けた。しかし、住所の詳細など情報の削除にも応じるようにもなったため、局名録を購入しても相手の個人情報が入手できるとは限らなくなった。

よって、そもそもJARL会員同士であるならJARLが運営するQSLビューローを使えばいいため、別料金を払って直接送る意味がなく、郵送での交換は滅多に行われていない。
また、何らかの事情でどうしても急ぎで必要な場合、JARLが運営するコールサインアドレスのメール転送サービスや、JARL会員以外の場合でもTwitter等の開かれたSNSで相手を見つけて連絡する等の方法がある。
手渡し

国内においては、どちらかがハムフェア等に参加,出展等している場合、手間や時間のかかるビューロへ送らず会場で直接手渡しする事がよく行われいる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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