QR・バーコード決済
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一方、2000年代の中国本土では普及し[3]、その後各国に広がりを見せた。中国でWeChatなどのコミュニケーションアプリを展開するテンセントは、2014年にWeChat PayというQRコード決済サービスを展開し、中国国内でアリペイに次ぐ高いシェアを獲得した[4]

日本では、PayPayが会計の20パーセントを還元し、合計100億円を提供するキャンペーンを行ったことにより、後発にも拘わらず一気に首位に上った[5][要検証ノート]。

2019年には日本国内における共通規格としてJPQRが提唱されており、同年8月より同規格の一部について主要プロバイダが対応を開始する予定である。

なお、中小の店舗にまでクレジットカード決済がすでに普及しているアメリカでは、2022年現在ほとんど使われておらず、普及する見込みは立っていない。
システム

決済時の手続きの方法により、以下の2方式に分けられる。
ユーザースキャン方式
店舗提示型(Merchant-Presented Mode、MPM)とも呼ばれる
[6]。店舗側が提示するQRコードを客が読み取り、会計金額を入力後、店員の確認を経て確認ボタン等を押すと決済が完了する。QRコードには基本的に店舗(支払先)の情報のみが埋め込まれているが、金額情報が埋め込まれたQRコードの場合は、金額を入力する必要がない[7]。基本的には紙に印刷されたQRコードを設置する(或いは店側手持ちのスマートフォン・PC・タブレット端末にQRコードを表示させる)だけで導入可能なため、店舗側の導入コストが低い。紙のQRコードを表示する方式であれば、電源の取れない無人店舗などでも導入可能。
ストアスキャン方式
利用者提示型(Consumer-Presented Mode、CPM)とも呼ばれる
[6]。客側がスマートフォンを操作して専用アプリを起動し、アプリ内に表示させたQRコード・バーコード(以下、総称して「QRコード等」と言う。)を、店舗側がコードリーダーで読み取る[7]。店舗側の決済速度は比較的速いが、コード決済システムと連携したPOSレジシステム(対応する光学リーダー、またはタブレットスキャナー)が必要なため、導入コストは高くなる。

また、ユーザー側の決済方法について、以下の3通りがある[7]
事前チャージ
アプリ側にて事前に残高を設定し、その残高の範囲で決済を行う。チャージ可能なコード決済へのチャージ方法の例として以下のようなものがある。

連携した金融機関口座からのチャージ

登録したクレジットカード等からのチャージ

金融機関またはコンビニ店頭のATMを用い現金等によるチャージ

コンビニ店頭レジで現金等によるチャージ

即時払い
決済手続きと同時に、事前に設定したクレジットカードや銀行口座からの引き落としを行う。
後払い
決済分を後日まとめて請求するもの(クレジットカードの支払いと同様)。
支払いシステムの補足
NFC(Type-A/B)、FeliCa(Type-F)、国際ブランドのプリペイドカードなどを発行し、コード決済用のチャージ残高を他の決済プラットフォームで支払いできるプロバイダもある。
メリット
導入コスト
信用照会端末などの機械類が設置不要であり、ユーザースキャン方式であれば紙に印刷されたQRコードを設置するだけで導入可能なため、クレジットカード等と比べ加盟店の導入コストが低い傾向にある[8]クレジットカード電子マネー等の導入が難しい中小の店、個人経営店でも導入ハードルが低い[3]
詳細な顧客情報の把握と販売促進
ストアスキャン方式の場合、アプリ内のバーコードに顧客情報が付加されることで「どの顧客がいつどの商品を購入したか」を店舗側が詳細に把握することができるため、現金等による決済と比べ店舗側にとっては売れ筋商品の傾向の把握や顧客の動向をつかみやすくなる[9]。またアプリ画面上に店舗情報などを通知させる機能を活用して、顧客の来店誘導を促す事が可能になる。これらは従来のクレジットカードやICカード型電子マネーでは実現が難しいとされてきた[10]
セキュリティ
「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」(「JPQR」参照)では、端末側に表示するQRコード等はワンタイム仕様が求められており、発行されたバーコードは限られた短い時間で一度きりしか決済が通らない仕組みとなっている。一定時間経過するかリロードすると、強制的にバーコードが更新される。なおかつ大半の決済サービスはSSLで通信が暗号化されている。またスマートフォンそのものに指紋認証やPINによるロックを掛ける機能も活用したり、万一紛失時にはコールセンターを通じた利用停止も可能である[11]。また仕様上、スマートフォンのロックを解除しなければ決済できないため、スキミングの可能性がある磁気カードやカード情報自体の窃取リスクがあるクレジットカード等よりは安全と考えられている[3][9][注 2]
ハードウェア依存性の低さ
非接触決済で用いられるFeliCaやNFCといったチップは必要としない。基本的にコード決済アプリが動作し、QRコードを読み取りできるカメラとバーコードを画面に表示できるディスプレイがついてれば良い。そのため非接触決済よりも対応可能端末の幅が広く、FeliCa(おサイフケータイ)非対応の端末でも動作可能である[注 1][注 3]。また店舗側もユーザースキャン方式であれば、レジ改修や機器追加など特別なハードウェアを必要としない。
金銭授受や管理のオペレーションコスト軽減
現金が必要ないため、客側から見れば別途財布を持ち歩く必要がない。そのため衛生的であり、釣り銭が不必要となる。釣銭等の違算金による損失がない[12]。また、店舗側でも現金決済と比べて、釣銭等の違算金発生や、釣銭等を含む現金の確認、交換、輸送や金庫管理、レジ締めに要する事務作業を軽減することができる[9] ほか、クレジットカード決済に比べても店舗への売掛金入金時期が早い[注 4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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