PowerVR
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PowerVR搭載製品
Matrox m3D

PowerVR(パワーブイアール)は、イギリスファブレス企業であるビデオロジック(現:イマジネーションテクノロジーズ(英語版))が開発した、グラフィックコントローラIPコアおよびそれを集積回路として実装したグラフィックチップである。チップ製造はNECSTマイクロエレクトロニクス[1]等が行なってきた。当初、メインターゲットとされていたパソコンビデオカードとしては、ほとんど普及しなかったが、比較的メモリへの負荷が少ないというその特徴から、家庭用ゲーム機およびアーケードゲーム基板携帯電話携帯情報端末 (PDA)、カーナビゲーションといった組み込みシステムに広く採用されている。

また Intel AtomApple AxシリーズTexas Instruments OMAP などに GPU として組み込まれ、携帯電話・タブレットなどに広く採用されている。

特徴は、Zバッファ法で通常行なうような「手前にある物体は上書きする」という方式を基本的に採らず、「一番手前の物体しか描画しない」という手法により、Zバッファ用のメモリをほぼ不要にした点である。タイル単位でこの処理を行なうことから "tile-based deferred rendering" と呼んでおり、TBDRと略す(詳細はw:Tiled renderingを参照)。2009年現在、OpenGL ESプログラマブルシェーダーや、H.264MPEG-2MPEG-4などの動画コーデックに対応した高機能な製品をリリースしている。
IPコアの一覧
PowerVR VXD370
HD(
ハイディフィニション) 品質のデコードなどに向けたIPコア
PowerVR M2VXファミリー
SD(標準精細度)品質のデコードなどに向けたIPコア。
PowerVR MVED1
モバイル機器に向けたIPコア。
PowerVR チップセットの一覧

[1] 公式 Imgtec データ

[2] USSE (Universal Scalable Shader Engine) pipes/TMUs

[3] USSE2 (Universal Scalable Shader Engine 2) pipes/TMUs

全モデル Tile based deferred rendering (TBDR) 対応

Series 11996年、秒間30万ポリゴンのPCX1発表。1997年、性能が秒間45万ポリゴンに向上したPCX2発表。これらは3D演算機能と4MBの専用RAMのみ搭載したPCIバスのボードで、表示には別途ビデオカードが必要となる。ビデオキャプチャボードのオーバーレイ機能と同様に、DirectDrawを経由し、ビデオカードのVRAMに直接表示データを書き込む。グラフィックライブラリはDirect3Dのほか、オリジナルのSGL (Super Graphics Library) が利用できる。全モデル DirectX 3.0 サポート。

モデルLaunchFab (nm)メモリ (MiB)コアクロック (MHz)メモリクロック (MHz)設定コア1フィルレートメモリ
メガ命令/sメガピクセル/sMTextels/sメガ頂点/s帯域 (GB/s)バス種別バス幅 (ビット)
PCX11996500460601:0:1:160606000.48SDR64
PCX21997350466661:0:1:166666600.528SDR64


1 ピクセルシェーダ : 頂点シェーダ  : テクスチャマッピングユニット : レンダー出力ユニット

Series 21998年2月23日発表。2D表示機能を搭載し、単独で使用できる2D/3Dビデオカードとなった。ドリームキャストに搭載されているほか、PC用のAGPカードも存在したが、日本ではほとんど普及しなかった。全モデル250 nm プロセスで製造、 DirectX 6.0 対応。PMX1 は Mini-GL 対応。

モデルLaunchメモリ (MiB)コアクロック (MHz)メモリクロック (MHz)設定コア1フィルレートメモリ
メガ命令/sメガピクセル/sMTextels/sメガ頂点/s帯域 (GB/s)バス種別バス幅 (ビット)
CLX2199881001001:0:1:110010010000.8SDR64
PMX11999321251251:0:1:112512512501SDR64


1 ピクセルシェーダ : 頂点シェーダ  : テクスチャマッピングユニット : レンダー出力ユニット

Series 3PowerVR3 KYRO II2000年、KYRO発表。KYRO IIは2001年発表。KYROのバグフィックスとクロックアップ。 全モデル DirectX 6.0 対応。

モデルLaunchFab (nm)メモリ (MiB)コアクロック (MHz)メモリクロック (MHz)設定コア1フィルレートメモリ
メガ命令/sメガピクセル/sMTextels/sメガ頂点/s帯域 (GB/s)バス種別バス幅 (ビット)
STG4000200025032/641151152:0:2:223023023001.84SDR128
STG4500200118032/641751752:0:2:235035035002.8SDR128
STG4800Never Released180642002002:0:2:240040040003.2SDR128
STG5500Never Released130642502504:0:4:410001000100004DDR128


1 ピクセルシェーダ : 頂点シェーダ  : テクスチャマッピングユニット : レンダー出力ユニット

Series 4

モデル年ダイサイズ (mm2)[1]設定コアフィルレート (@ 200 MHz)バス幅 (ビット)API (version)
メガ三角形/s[1]メガピクセル/s[1]DirectXOpenGL
MBX LiteFeb 20014@130 nm?0/1/1/11.0100648.01.1
MBXFeb 20018@130 nm?0/1/1/11.68150648.01.1


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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