PlayStation Portable (以下、PSP) の後継として発売された[5]。公式では、本機を「携帯型エンタテインメントシステム」と表現している。名称については「エンタテインメントと現実の境界を越え、日々の生活そのものを遊びに変えていきたい」という気持ちをこめて、英語の「Life」に相当するラテン語の「Vita」が採用された[5][6]。
本機は、PlayStation 3 (以下、PS3) とほぼ同等のグラフィック性能を有した高スペックな携帯ゲーム機として開発された。PSPの特徴であるマルチメディア機能を踏襲しつつも、UIが刷新されており、Wi-Fiのみならず、3G回線を利用したネットワーク機能が強化されている。メディア媒体、メモリーカードもPSPから大きく変更され、フラッシュメモリータイプのものが採用されており、ロード時間が短縮されている。
PSPが発売された当時とは異なり、本機が発売された頃はiPhoneやスマートフォンが本格的に普及し始めており、スマホ専用のアプリゲームが大ヒットしていたことで、ハンドヘルド機の普及が進まなかった。ユーザー層がスマホ市場とバッティングしていた本機は、競合ハードであるニンテンドー3DS以上にその影響をモロに受けることとなり、ハード・ソフト両方において、販売面で苦戦を強いられた。
2019年をもって、全モデルの出荷が終了。生産終了以降SIEは携帯ゲーム機市場から完全に撤退した。PSPは8000万台を売上げたが、本機はわずか1600万台に留まった。ソフトについては、ハードを牽引するキラータイトル不足により、日本国内でミリオンセラーを達成した作品は『Minecraft』のみであり、世界市場でのミリオンセラーも7本のみと少ない。
2021年10月27日に『PlayStation 3』とともにPlayStation Store内でのクレジットカード決済を終了、2022年11月9日には公式ホームページで2023年1月10日14時をもってのサービス終了が伝えられた。しかし、その後サービス終了は撤回されているため、CERO:Z作品のみが配信を終了した[7]。
歴史
2008年
SCEでPlayStation Vita開発プロジェクト開始[8]。
2011年
1月27日:PlayStation Meeting 2011にてコードネーム「Next Generation Portable」の名で発表[9]。
6月6日:Electronic Entertainment Expoで、正式名称、モデルの内容、仕様、希望小売価格を発表[5]。希望小売価格はWi-Fiモデルが24,980円(税込)/249USドル/249ユーロ、3G/Wi-Fi対応モデルが29,980円(税込)/299USドル/299ユーロ。
7月20日:PlayStation Vitaコミュニティサイト(現:プレコミュ)が始動。
9月14日:SCEプレスカンファレンスで、日本での発売日や3G回線のキャリアとプリペイドデータ通信プランの内容、周辺機器、同時発売ソフトなどの発表[10]。
9月17日:東京ゲームショウ2011(一般公開初日)にて一般ユーザに初お披露目。
10月18日(現地時間):サンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Summitで、北米地域およびヨーロッパでの発売日が2012年2月22日であることが発表された[11]。
10月21日:SCE香港が香港での発売日を12月23日と発表[12]。
11月11日:公式PS Vitaサイトがリニューアル。
11月16日:PS Vitaコミュニティサイトが、PlayStation全機種対応の「プレコミュ」として再始動。
11月17日:オーストラリアで発売日発表と同時に先行予約開始[13]。
11月19日:PlayStation Vita PLAYキャラバン開始。札幌、福岡(19?20日)、名古屋(26?27日)、大阪(12月3?4日)、東京(10?11日)、ジャンプフェスタ2012(17?18日)。
11月23日:ティザーCM地上波テレビ放送開始[14]。
11月30日:PS3がPS Vita対応アップデート。
12月1日:「遊んだら仲間だ篇@」CM地上波テレビ放送開始。
12月3日:PlayStation Vita先行体験キャンペーン開始(全国161店舗にて16日まで。詳細は各店舗に問い合わせ)[15]
12月6日:UMD Passport開始。
12月8日:「遊んだら仲間だ篇A」CM地上波テレビ放送開始。