PL/Iパラダイム構造化・命令型
登場時期1964年 (60年前) (1964)
開発者IBM (Hursley
PL/I(ピーエルワン)は、汎用プログラミング言語の一つ。名前は英語の「programming language one」に由来する。
PL/Iは科学技術用、工業用、商業用などにデザインされた命令型プログラミング言語である。1964年に生まれ、教育機関、商用、工業で使用されてきた。
PL/Iの主要な用途はデータ処理で、再帰および構造化プログラミングに対応する。言語の構文は英語に似ており、検証や操作が可能な幅広い機能のセットを持ち、複合的なデータ型を記述することに適している。 提案当時は「NPL」[注釈 1]と呼ばれていた。初期には「PL/1」と表記していたが、その後「PL/I」が正式名称となった(I はローマ数字)。同時期の「DL/I」(ディー・エル・ワン、IBMの階層型データベース照会言語)と同じネーミングと考えられる。 を同時に持っている。 予約語が無いのも特徴。 1965年 IBMが完成させた 科学技術計算向けのFORTRAN、ビジネス処理向けのCOBOLと言われていた時代に、ALGOL並のアルゴリズム記述能力も加え、ひとつの言語であらゆるニーズを満たすために開発されたプログラミング言語。 言語仕様が複雑なため、大型計算機以外では余り使われなかったが、デジタルリサーチ社のゲイリー・キルドールが、インテルのi8080のために、サブセット版のPL/M[注釈 2]および、一部をPL/Mで記述し、オペレーティングシステムCP/Mを作った。また、CP/M上で動作するPL/I(PL/I-80)も作成している。 UNIX開発のきっかけとなったMultics(のちにMulticsは「成功しなかったプロジェクト」と見なされることとなる)は、PL/Iで書かれていた。Multicsの失敗はPL/Iが原因ではなかったものの、記述言語においても簡潔極まるC言語を生んだ事は皮肉である。 2016年時点でも、メインフレームで稼働する銀行の勘定系システムの多くはCOBOLまたはPL/Iで記述されている[1]。 IBMのPL/Iコンパイラでは、メッセージIDが「IBM」で始まる。IBMが当時PL/Iに力を入れていたためと言われている。
呼称
特徴
言語としての特徴
FORTRANの記述形式
COBOLのレコード構造や入出力機能
ALGOLのアルゴリズム記述能力
長所
商用計算と科学技術計算を、1つの言語で記述できる
最初から構造化されている
積み木構造(初歩的機能から入門し、徐々に高度な機能を学習できる)
IBMメインフレーム(OS/390、z/OS、IMS、CICSなど)で広く使われている
短所
言語仕様が複雑で大規模なため、当時の小型機では性能的に厳しく、大型機以外に広まらなかった
歴史
エピソード
コードの実例HELLO:PROC OPTIONS(MAIN); DCL HELLO1 CHAR(12) INIT('HELLO WORLD!'); DCL 1 HELLO2, 2 HELLO2_1 CHAR(12) INIT('HELLO WORLD!'); DISPLAY('HELLO WORLD!'); DISPLAY(HELLO1); DISPLAY(HELLO2);END HELLO;
関連項目
COBOL
FORTRAN
ALGOL
脚注
注釈^ 英語「new programming language」に由来する名前。
^ 英語「programming language for microcomputers」に由来する名前。
出典^ FinTech時代の今、COBOLやPL/I、メインフレームが勘定系システムで必要な理由 - atmarkIT
外部リンク
⇒IBM Enterprise PL/I for z/OS V3.9の発表(2009年10月21日) - 日本IBM
⇒PL/I RESOURCES
Micro Focus Open PL/I
⇒PL/I for GCC(GCCにPL/Iのフロントエンドを開発するプロジェクト)