PENTAX
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リコーイメージング株式会社
RICOH IMAGING COMPANY, LTD.



銀塩一眼レフLXとデジタル一眼レフのK-1
種類株式会社
本社所在地 日本
143-8555
東京都大田区中馬込1-3-6
設立2011年10月1日
業種光学機器
法人番号8011401015834
事業内容電子部品光学機器レンズ関連
代表者森 泰智(代表取締役社長)
資本金1億円
純利益11億4100万円
(2023年3月期)[1]
総資産74億6300万円
(2023年3月期)[1]
従業員数約400名
外部リンクhttps://www.ricoh-imaging.co.jp/
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PENTAX(ペンタックス)は、レンズカメラデジタルカメラ天体望遠鏡内視鏡など旧旭光学工業時代から続く製品群のブランド名。

現在では、リコーの子会社であるリコーイメージング株式会社が製造販売するデジタルカメラ、双眼鏡、セキュリティカメラ用レンズ等光学機器、HOYA株式会社が製造販売する内視鏡、喉頭鏡、人工骨、音響・音声解析ソフトなどの医療関連製品、TIアサヒが製造販売する測量機、セイコーオプティカルプロダクツが製造販売する眼鏡レンズで使用される。

この項では主にリコーイメージング株式会社について記述する。
概要国産初の一眼レフ、アサヒフレックスI

PENTAXブランドのカメラ製造メーカーは、現在のリコーイメージング株式会社に事業が引き継がれる前は、社名を旭光学工業株式会社(あさひこうがくこうぎょう、英:Asahi Optical Co., Ltd.)といい、眼鏡用レンズ製造会社として大正8年(1919年)に創業。独自に培ったレンズ研磨・コーティング技術を活かし、国産初の映写用レンズや、双眼鏡、カメラ用レンズを製造していたが、昭和27年(1952年)には国産初の一眼レフカメラ「アサヒフレックスI」を発表。これを皮切りに一眼レフカメラの先駆者として世界から注目を集める企業へと成長する。本社は東京都(東京都板橋区前野町2-35-7)、国内事業所栃木県(栃木県芳賀郡益子町大字塙858)、宮城県(宮城県栗原市築館字下宮野岡田30-2)、山形県(山形県長井市日の出町4-1)にあった。

ほかのカメラメーカーが舶来のカメラをお手本に、ブローニーフィルムを使う二眼レフカメラや35mmフィルム判のレンジファインダーカメラを製造するなか、旭光学工業は一眼レフカメラに高い将来性を感じ、国内ではいち早く35mm判一眼レフカメラの開発に取り組んでいた。当初は上から覗きこむウエストレベルファインダーであったが、自然な姿勢で覗くファインダーを設けるためにペンタプリズムを導入して、現在の一眼レフカメラの構造を完成させる。さらに、昭和35年(1960年)、世界初のTTL露出計による測光機能を搭載した35mm判一眼レフカメラ「スポットマチック」を発表。昭和39年(1964年)に販売が始まった「アサヒペンタックスSP」は、一眼レフカメラの大衆化に貢献する世界的ベストセラー機となった。また、中判カメラでもロングセラー機となる一眼レフ機を開発。そして、110フィルムを使用した世界最小の一眼レフカメラや、世界初のフラッシュ内蔵オートフォーカス一眼レフカメラも発売。平成9年(1997年)にはデジタルカメラ市場に参入。

デジタルカメラ部門でも35mm判及びAPS-C判Kマウントと中判645マウントのデジタル一眼レフに、最小最軽量のノンレフレックスカメラのQマウントを加えて多マウント展開。銀塩カメラ時代からの特徴的な露出操作体系に加え、デジタルカメラにおいても画像仕上げの機能の充実や、手ブレ補正のためのセンサーシフト機構を構図の調整や天体追尾、画質の向上に積極的に応用するなど、趣味性の高いカメラのニッチ市場で特徴ある製品を出している。また過去のレンズ資産についても純正のアダプター1枚で、1957年以降に発売されたレンズは全てが利用できるなど、長く利用しているユーザーにも配慮を見せている。そして事業再編を経てリコー傘下となった現在も、民生用のデジタルカメラのみならず、日本の捜査機関の鑑識部門や、学術研究分野からのニーズに応えた専用カメラの開発など、高い技術開発力を活かして一眼レフカメラの製造にこだわり続けている。PENTAXの名称の由来となったアサヒペンタックス(AP)

PENTAXという名称の由来は、昭和32年(1957年)5月発売の一眼レフカメラ「アサヒ ペンタックス(通称AP)」の製品名による。この名称は、「アサヒフレックス」に、ファインダーに内蔵される光学部品「ペンタプリズム」を搭載したことにちなんでいるが、元々は東ドイツのVEBツァイス・イコンの登録商標(「ペンタプリズム」および「コンタックス」から)を旭光学工業が買収している。「アサヒペンタックス」は「アサヒフレックスUA」にペンタプリズムを搭載することで、アイレベルの正立・正像が得られ、機動性、使いやすさを飛躍的に向上されることを実現した。そこで、カメラの開発と並行して、従来の「アサヒフレックス」とは違う新しい製品名を付けることが検討されたいきさつがある。その後、カメラを中心とする製品名には「アサヒペンタックス」が使われていたが、1970年代後半にはレンズのブランドにて「タクマー」に代って「PENTAX」が使われるようになり、昭和54年(1979年)9月に発売した「PENTAX MV-1」からカメラ本体のブランドも「PENTAX」に変更されている。
沿革

1919年 - 「旭光学工業合資会社」を設立。

1923年 - 国産初となる映画用映写レンズ「AOCO」を製作

1938年 - 「旭光学工業株式会社」に組織変更。

1952年 - 日本初の35mm一眼レフカメラ「アサヒフレックスI型」を開発。(布幕横走りフォーカルプレーンシャッター採用)

1954年 - 世界初の量産型独自開発クイックリターンミラー搭載の「アサヒフレックスII型」を発売。

1955年 - 「旭光学商事株式会社」設立。

1957年 - 世界で初めてクイックリターンミラーとペンタプリズムを両方搭載した「アサヒペンタックス」発売。

1958年 - スプリットイメージプリズム採用の「アサヒ ペンタックスK」発売。(KはKingの意)

1959年 - 「アサヒペンタックスS2」発売。

1960年 - フォトキナで世界初TTL測光一眼レフ アサヒペンタックス・スポットマチック発表

1961年 - ペンタックスメーター開発「アサヒペンタックスS3」発売。

1964年 - ロングセラーカメラ「アサヒペンタックスSP」発売。

1967年 - 日本メーカーで初のカメラ博物館を東京・西麻布に開館(現・閉館)。

1968年 -

益子工場を設立(栃木県芳賀郡益子町大字塙858)。

SPからTTL露出計を除いた「アサヒペンタックスSL」発売。


1969年 - 6×7cm中判一眼レフカメラ「アサヒペンタックス6×7」発売。

1971年 -

東京証券取引所第1部に上場。

世界初の多層膜コーティングレンズであるスーパー・マルチ・コーティング(SMC)を開発

フォーカルプレーン機としては世界初のTTL開放測光・自動露出機構搭載「アサヒペンタックスES」発売。


1973年 - ESの記憶回路をICにした「アサヒペンタックスES II」発売。

1975年 - バヨネットマウント(Kマウント)を採用した「アサヒペンタックスKシリーズ」発売。

1976年 - Kシリーズを小型化した「アサヒペンタックスMシリーズ」発売。

1979年 - 110フィルムを使用した小型一眼レフカメラ「PENTAX オート110」発売。

1980年 - 創業60周年を記念した高級一眼レフカメラ「PENTAX LX」発売。

1981年 - 世界初のTTLオートフォーカス一眼レフカメラ「PENTAX ME-F」発売。

1983年 - マルチ・モードを採用した「PENTAX Aシリーズ」発売。

1984年 - 中判カメラ「PENTAX 645」発売。

1985年 - マニュアル&入門機「PENTAX Pシリーズ」発売。

1986年 - 世界初のズームコンパクトカメラ「PENTAX ズーム70」発売。

1987年 - 世界初のフラッシュ内蔵オートフォーカス一眼レフカメラ「PENTAX SFX」発売。

1989年 - 6×7の名称変更タイプ「PENTAX 67」発売。

1991年 - パワーズーム高級オートフォーカス一眼レフカメラ「PENTAX Zシリーズ」発売。

1994年 - 創業75周年記念カメラ「PENTAX エスピオミニ」発売。

1995年 - 「PENTAX MZシリーズ」発売。

1997年 - デジタルカメラ「PENTAX EI-C90」発売。

1997年 - 世界初のレンズ交換式AF中判一眼レフカメラ「PENTAX 645N」を発売

1998年 - 67をベースにした「PENTAX 67II」発売。

2000年 - ミレニアム記念のデジタルカメラ「PENTAX EI-2000」発売。

2003年 - デジタル一眼レフカメラ「PENTAX *istD」発売。

2004年 - 「PENTAX オプティオ」新シリーズ発売。

2006年 - ボディ内手振れ補正機能搭載のデジタル一眼レフカメラ「PENTAX Kシリーズ」(K100D、K10D)発売。
11月30日発売のK10D(手ぶれ補正・CCDゴミ取り機能搭載、防塵・防滴ボディ)は、当初10月下旬発売予定であったが、予想を大幅に上回る発注が殺到し出荷数量確保のために発売が1ヶ月延期された。

2007年 - 超音波モーター内蔵レンズに対応し、独自のゴミ除去機構を採用した「PENTAX K100D Super」と、“カメラグランプリ 2007”受賞記念特別仕様のK10D「PENTAX K10D グランプリパッケージ」発売。

2008年 -

スタンダードクラスのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K200D」とミドルクラスの一眼レフカメラ「PENTAX K20D」を発売。2009年には本体並びにバッテリーグリップをチタンカラーにした「PENTAX K20D チタンカラープレミアムキット」を発売。

APS-Cサイズの撮像素子搭載デジタル一眼レフカメラとして世界最小となる「K-m」発売。2009年にカラーバリエーションモデル「K-m white」と「K-m olive」を台数限定で発売。


2009年 -

金属製コンパクトボディとPENTAX 初の動画撮影機能を搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-7」発売。2010年に限定1000台のカラーバリエーションモデル「K-7 Limited Silver」を発売。

カメラとしては世界初の、100タイプのカラーバリエーションモデルを展開する「PENTAX K-x」発売。Web限定でコレジャナイロボタワーレコードとのコラボ製品を限定発売。


2010年 -

同社初の中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645D」を発売。2011年にボディ外装に漆塗装を施した「645D japan」を受注発売。

同様受注生産により120パターンの色が選べる「PENTAX k-r」を発売。Web限定でコレジャナイロボやリラックマとのコラボ製品を限定発売。

K-7の機能強化版である「PENTAX K-5」を発売。2011年に限定1500台のカラーバリエーションモデル「K-5 Limited Silver」を発売。


2011年 - レンズ交換式デジタルカメラ(ミラーレス一眼カメラ)で世界最小最軽量となる「PENTAX Q」発売。

2012年 -

K-5のブラッシュアップ版として、デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-5U」「PENTAX K-5Us」発売。「PENTAX K-5 IIs」は、モアレや擬色の対策として装備されていた、高周波遮断用ローパスフィルターを廃することで、解像度を優先したモデルとなっている。

防塵防滴、耐寒-10度や視野率約100%のファインダーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K30」発売。

Kマウントを採用したレンズ交換式デジタル一眼カメラ(ミラーレス一眼カメラ)「PENTAX K-01」発売。

100種類のボディカラーの組み合わせがオーダーできるデジタル一眼カメラ「PENTAX Q10」発売。


2013年 -

映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とのコラボレーションモデルの「PENTAX Q10」発売。

ローパスレスのAPS-Cセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR」を発売。

エントリー機としては初となる防塵防滴、耐寒-10度や視野率約100%のファインダーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K50」発売。

「PENTAX Q10」の上位機種となる1/1.7型の裏面照射型CMOSセンサーを搭載したデジタル一眼カメラ「PENTAX Q7」発売。

Kシリーズの最上位モデルとして、ローパスフィルターレスながら光学ローパスフィルターと同等のモアレ軽減効果が得られる世界初の「ローパスセレクター」を搭載した「PENTAX K-3」を発売。併せて、特別にセットされるバッテリーグリップとカメラ本体・レンズをシルバーとした限定2000台のカラーモデル「K-3 Premium Silver Edition」も発売。

1回シャッターで360度の全天球イメージが撮影できる「RICOH THETA」を発売。


2014年 -

有効画素数約5140万画素を実現した中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645Z」発売。

広角から超望遠まで1台で対応できる光学52倍ズームを搭載したデジタルカメラ「PENTAX XG-1」発売。

ボディ前面に合皮素材を採用したデジタル一眼カメラ「PENTAX Q-S1」発売。

電源レバー・モードダイヤル・OKボタン・グリップ部にLEDの「ボディライト」を内蔵したほか、最上位モデルの「K-3」に搭載されている「ローパスセレクター」も搭載したスタンダードタイプのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-S1」を発売。


2015年 -

K-3の後継機種として手ぶれ補正4.5段分、超解像技術「リアル・レゾリューション・システム」、GPS内蔵と新たな機能を追加した「PENTAX K-3II」を発売。

GRの後継機種としてWi-FiとNFC機能を搭載した「GR II」を発売。


2016年 -

防水・耐衝撃ハイスペックアクションカメラ「RICOH WG-M2」を発売。

PENTAX 初の35mmフルサイズデジタルカメラであり、5軸5段分の手ぶれ補正、透過型ファインダー内表示、スマートファンクション(ダイヤル)、フレキシブルチルト式液晶モニターを搭載した「PENTAX K-1」を発売。

高度なノイズ処理をするアクセラレーターユニット、像面位相差とコントラストのハイブリッドオートフォーカス、スタンダードクラスとしては初の「リアル・レゾリューション・システム」を搭載した「PENTAX K-70」を発売。


2017年 -

APS-Cサイズで超高精細画像とISO819200の超高感度撮影を実現し、5軸5段分の手ぶれ補正、任意機能割り当て可としたスマートファンクションを搭載し、スナップ撮影にも適した小型設計に交換式グリップと上下チルト式3.0型液晶モニター、さらに優れた耐環境性能を両立した「PENTAX KP」を発売。

リコーイメージングスクエア大阪を、大阪天満橋のOMMビルに移転。スクエア新宿、スクエア銀座同様に日曜営業とするなど機能拡張して9月9日よりリニューアルオープン。


2018年 -

35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」の後継、「PENTAX K-1 Mark II」を発売。最高ISO感度819200や、手持ちでのリアル・レゾリューション・システムを実現した。また、「PENTAX K-1」を「PENTAX K-1 Mark II」に改造するアップグレードサービスも実施された。


2019年 -

GR IIの後継機種としてレンズ、イメージセンサー、画像処理エンジン等の主要デバイス全てを一新し、手ぶれ補正機構"SR"やハイブリッドAF、タッチ液晶などを搭載した「GR III」を発売。

デジタル一眼レフカメラ「PENTAX KP」に特別色の塗装とカスタムパーツを装着した特別モデル「PENTAX KP J limited」を発表。全国を巡るイベント「PENTAX KP J limited Japan Tour 2019」や特別イベント「PENTAX KP J limited NIGHT」を実施。



2020年 -

カメラ業界の大多数がミラーレスカメラへのシフトを急速に進める中、「一眼レフの未来を創る」として"PENTAX STATEMENT"と題するブランドビジョンを発表し、今後も光学ファインダーを大切にしていく姿勢を表明した。


2021年 -

APS-Cフラグシップとして約2573万画素の超高精細画像とISO1600000の超高感度撮影を実現し、5軸5.5段分の手ぶれ補正を搭載した「PENTAX K-3 Mark III 」を発売。


2022年 -

APS-Cスタンダードクラスで実質的にK-70の後継機となる「PENTAX KF」を発売。


2023年 -

PENTAX K-3 Mark IIIをベースにした、モノクロ撮影専用の一眼レフカメラ。「K-3 Mark III Monochrome」を発売。


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