PDF
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PDFの歴史詳細は「PDFの歴史」を参照
経緯

PDFは 1990年代初めに、文書共有を目的として開発された。文書の書式とインラインの図表を保持し、異なるプラットフォームコンピュータのユーザー間で文書を閲覧するために互換性のあるアプリケーションを利用できない場合にも文書を共有できる[9]。競合としてDjVu (開発続行中)、Envoy、Common Ground[10]社の DigitalPaper, Farallon Replica[11]の他にアドビ自身が推進するPostScript format (.ps) がある。初期、 World Wide WebHTMLが興隆する以前のPDFの主要な用途はデスクトップパブリッシングワークフローであった。

PDFの初期の普及の足取りはゆっくりしたものであった[12]。アドビのPDF閲覧・作成ソフトAdobe Acrobatは無償ではなく、また初代バージョンのPDFは文書外部へのハイパーリンクを提供しないためインターネットの特長を活かしていなかった。またプレーンテキストと比べてサイズは大きいためモデムによるダウンロードは時間がかかり、また当時ハイスペックだったPCでも表示は遅かった。

バージョン 2.0より、アドビはAcrobat Readerを無償配布するようになった[13]。初代バージョンとの互換性は保たれており次第に書式を固定した電子文書デファクトスタンダードの地位を確立した[14]

2008年にアドビのPDF Reference 1.7はISO 32000:1:2008として策定された。以後のPDF(PDF 2.0を含む)開発はIS のTC 171 SC 2 WG 8においてアドビと専門家らの協力により進められている。
一覧

時出来事
1993年アドビシステムズ(現アドビ)、PDF1.0とAcrobat 1.0をリリース。
1994年アドビシステムズ、Acrobat Readerの無償配布開始。この無償配布が、PDF普及の大きな要因となった。
1995年アドビシステムズ、
Netscape Navigator用のAcrobatプラグインを公開。ウェブブラウザー上でのPDF利用を促進した。
1996年アドビシステムズ、PDF 1.2とAcrobat 3.0をリリース。このバージョンからPDFとAcrobatが日本語に対応。
1999年AppleMac OS Xをリリース。Quartzを採用し、OSレベルでPDFへ対応。
アドビシステムズ、PDF 1.3とAcrobat 4.0をリリース。
2001年アドビシステムズ、PDF 1.4とAcrobat 5.0をリリース。
2003年アドビシステムズ、PDF 1.5とAcrobat 6.0をリリース。
2004年ソースネクスト、日本国内で「いきなりPDF」シリーズを発売開始。低価格のPDF作成ソフトということで注目を集めた[注 1]
アドビシステムズ、PDF 1.6とAcrobat 7.0をリリース。
2005年アドビシステムズ、マクロメディアを買収。PDFとFlashの統合が開始された。
2006年アドビシステムズ、PDF 1.7とAcrobat 8.0をリリース。
2008年7月2日ISOの管理規格となる。ISO 32000-1。
2008年アドビシステムズ、PDF 1.7, Adobe Extension Level 3とAcrobat 9.0をリリース。
2010年アドビシステムズ、PDF 1.7, Adobe Extension Level 8とAcrobat X(10.0)をリリース。

アドビによる仕様定義

1993-2006年にかけてアドビはPDFの仕様を数回改訂して新機能を追加している[15][16]

PDF 1.7 (ISO 32000-1) が制定された2006年以降にアドビが定義した拡張 (Extension Levels) はISO 32000-2 (PDF 2.0) のドラフトにも一部取り込まれているものもあるが、開発者はアドビの拡張部分がPDFの標準でないことに注意する必要がある[17]
PDFのバージョンと仕様書

バージョン仕様書[5]発行年新機能Acrobat Reader のバージョン
1.0Portable Document Format Reference Manual[18]1993—Carousel
1.1First, revised[19]1996

暗号化(MD5, RC4 40ビット)

device-independent color

スレッド

リンク
2.0
1.2First, revised[19]1996

インタラクティブなページ部品(ラジオボタン, チェックボックス等)

インタラクティブな記入フォーム

Forms Data Format (FDF) により記入内容のインポート、エクスポートをインターネット経由で行えるようになった

マウスのイベント

外部動画の再生

外部または添付の音声の再生

zlib/deflateによるテキストと画像の圧縮

Unicode対応

色管理と代替画像のサポート
3.0
1.3Second[20][21]2000

日本語フォントの埋め込み

電子署名

ICCおよびDeviceN色空間

JavaScript

各種ファイルストリームの添付 (ファイル添付)

注釈種類の追加

Adobe PostScript Language Level 3 imaging model で追加された機能のサポート

イメージのマスク

代替イメージ

スムージング

ページ番号付けの強化

ウェブキャプチャ

表示順以外に論理構造表現のサポート

CIDフォントのサポート強化

data structures for mapping strings and numbers to PDF objects

プリプレス分野のワークフローのサポート

new functions for several function object types that represent parameterized classes of functions[20][22]

Acrobat JavaScript Object Specification Version 4.05
4.0
1.4Third[23]2001


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