PC-9821
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ノートパソコンの一例
 PC9821 Nb10

PC-9821シリーズは、日本電気(以下NEC、現在はNECパーソナルコンピュータに分社)が1992年平成4年)から2003年(平成15年)まで販売していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち「PC-9821」から始まる型番の機種群を指す。1993年(平成5年)発売の98MATEシリーズから1997年(平成9年)秋にPC98-NXシリーズが発売されるまでの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。PC-9801シリーズ上位互換製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが白抜き文字となっており、「21世紀に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた[1]。しかし、21世紀を待たずに新アーキテクチャのPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった[2]
概要

PC-9821シリーズは先行するPC-9801シリーズに対して上位互換性を有する、事実上の後継機となる機種群である。大半の機種では独自の256色表示回路(拡張グラフアーキテクチャ)が搭載されており、これはPC-9801型番のほとんどの機種では搭載されていなかったことからPC-9821の象徴的な特徴と見なされることがある。しかし若干の例外もあるため両者の型番以外の差異はそれほど厳密ではなく、おおむねMicrosoft Windowsの利用が想定された機種であり、標準で640×480ドット256色の画面モードを持つとされる。またPC-9801シリーズではノート機のカラーLCDモデルには"C"という型番・枝番が付けられていたが、PC-9821シリーズにはそれが無く、PC-9821Nmを除き全てカラーモデルだという特徴もある。PC-9801シリーズと同様に、関連機種としてファクトリーコンピュータ(産業用コンピュータ)であるFC-9821シリーズも存在する。

PC-9821型番のシリーズは1993年(平成5年)1月のMATE Aシリーズ登場によりNECの主力PCとして本格的にラインナップされるようになった。この時点では先行する初代PC-9821およびその直系の98MULTiシリーズとの共通点として、PEGCと呼ばれる拡張グラフアーキテクチャおよびPC-9801-86相当音源(86音源)の標準搭載がPC-9821型番の条件であると考えられていた。しかし86音源については早くも1993年(平成5年)5月発表のノート機PC-9821Neには搭載されなくなっている。その後1993年(平成5年)11月発表のMATE BシリーズやPC-9821TsではPEGCとは異なる仕様で互換性の無いグラフィックチップが採用されたことから、PEGCについてもPC-9821の必要条件とは言えなくなった。これについてNECは(PC-9821型番である)MATEシリーズの定義として、Windows上で標準で640×480ドット256色の画面モードを持つという見解を示している[3]。翌1994年(平成6年)7月に主力ラインナップがMATE-Xシリーズに取って代わると、以降のPC-9821型番機では(一部のノート機を除き)PEGCに比べて一部機能を簡素化した下位互換性を有する拡張グラフアーキテクチャを標準搭載するようになり、後にWindowsでスタンダードディスプレイアダプタの役割を果たした。この画面モードは後にPC-9801型番最後の機種であるPC-9801BX4にも搭載された[注 1]。そのため、最終的に拡張グラフアーキテクチャ(の搭載の有無)はPC-9821の十分条件とも言いがたくなった。
初代

1992年(平成4年)10月に発売された、Intel 80386SXCPU機である初代PC-9821「98MULTI」(後にIは小文字に改められた。ロゴでは「mULTi」)は、前年の1991年(平成3年)10月に発売された、Windows 3.0(+MME)環境のためハードウェアの拡張を施したマルチメディア志向の「PC-98GS」に似た機能を持つ機種だが、一部機能が省略され価格が抑えられている。

グラフィック機能は従来のPC-9800シリーズのものに加え、EGC (Enhanced Graphic Charger)上位互換のPEGCによる640ドット×480ライン同時256色という拡張表示モードを持ち、音源はFM音源YM2608/PC-98DO+互換)とPCM音源を搭載した(後に音源部は単体でPC-9801-86ボードとして発売された)。さらにPC-98GSと同様にCD-ROMSCSI接続)を搭載し、PC-9801-55相当のSCSIも搭載していた。

当時同じCPUを搭載した「PC-9801FS」より安価で多機能という意欲的な機種だったものの、Windows用途には非力だったことから当時はあまり注目されず、評価も芳しくなかった[3]。一方、従来のPC-9800シリーズで利用されていたMS-DOSアプリケーションも活用できたことは、PC/AT互換機にはない利点だった。
Intel 486 CPUとWindows 3.1時代
コンパック・ショックと98MATEシリーズの登場PC-9821Ap (98MATE)

Windows 3.xの時代(Windows 3.0の発売は英語版1990年5月/日本語版1991年2月、Windows 3.1は英語版1992年4月/日本語版1993年5月)には、主要なビジネスアプリケーションが相次いでWindowsへと対応したほか、DOS/Vの登場により、コンパックの製品など日本語に対応しつつも廉価なPC/AT互換機による攻勢が相次ぐようになり、日本の国産機メーカー各社はこれらへの対応を迫られていった。

1992年(平成4年)9月初め、NEC府中事業所でPC-9801FAの後継となる新機種の仕様が提案された。これは上層部に却下されており、FAをベースにCPUのクロックを引き上げたものと推測された[4]。その後、互換性を保ちつつアーキテクチャーを大幅に変更した新案が出され、10月下旬に新シリーズの最終仕様が決定された[4]

主力デスクトップ製品にはそれまでの型名だけでなく「98MATE」(ロゴでは「mATE」。通称で「Mate」と表記されることもある)という愛称が採用された。それまでのシリーズは「98FELLOW」という愛称になった。これにより、それまでの「40万円くらいがあたり前」だった商品構成を二つに分け、従来の価格帯はハイエンドのPC-9821シリーズ(MATE)が担い、PC-9801シリーズ(FELLOW)は大幅な価格改定で20万円前後の廉価モデルという位置づけとなった。これは、MS-DOSが依然として支配的でありながらもWindowsが普及しようとしていた当時、Windowsの使用も視野に入れたハイエンド・ユーザー層と、安価なMS-DOSマシンを求めるローエンド・ユーザー層の両方を獲得する狙いがあった[4]

また、従来のPC-9800シリーズはいかにも事務機然とした筐体デザインであったが、この時期に発売されたものは初代Macintoshマウスや後にPalm Vなどのデザインを手掛けているIDEOにデザインを依頼し[4]、大幅なデザイン改訂を受けながらもPC-9800シリーズ伝統のアローラインは残されており、外観においても新世紀のオフィスPCというコンセプトを踏襲している。

これら新機種の実施設計と生産はNECの子会社で行われ、98MATEはNEC群馬、98FELLOWはNEC新潟が担当。3か月という当時としては異例の短期間で開発され、1月中旬には店頭展示品の製造が開始された[4]ローカルバス専用ボード PC-9821A-E01 ウィンドウアクセラレータボード

PC-9821シリーズの第1.5世代とも言うべきPC-9821 Ap/As/Ae 等の98MATE Aシリーズは全機種ともCPUがIntel486搭載となり、初代機同様のグラフィック・サウンド仕様を踏襲した上、従来のCバスに加え、CPUの高速化をふまえ独自の32bit 98ローカルバス[注 2] スロットを装備した。更に上位機種ではWindows環境上でより高解像度・高速・多色表示を実現するグラフィックアクセラレータを搭載した。

初代PC-9821も含め、基本的にPC-9801(CS/USやFA/FS/FX)の完全上位互換機であり、PC-9801向けに開発されたソフトは(自身の性能は持て余すことになるものの)ほぼ問題なく動いた。またコストダウンで物理スイッチが省略されてソフトウェアディップスイッチ化しているものの、従来機と同じくPC-9801VM相当の性能に落とすことも可能となっている。ただし、PC-9821Ap/As/AeのHDD搭載モデルではコストダウンのためにFDDを1基搭載としたため、FDD2基を前提に開発されていた従前のソフト(特にゲームソフト)は、FDDを増設しないと動作できない事態になった。厳密には、この時期のHDDモデルには98NOTEのFDD互換RAMドライブと同等の機能をHDD上で実現する専用ツールが付属していたが、98NOTE非対応のソフトなどはプロテクトの問題などで動作しないケースもあった。このため、HDD非搭載モデルとサード製HDDの組み合わせで購入するユーザーが続出し、結果的にNECはカットしたコスト以上に売上機会を逃すことになる。
ハイエンドMATE Aと低コストMATE Bの二分化

追って追加された、廉価版であるPC-9821 Bp/Bs/Be 等の98MATE BシリーズではWindows用のグラフィックアクセラレータを搭載しているものの、音源およびPEGC、98ローカルバススロットの搭載は省略されていた。つまり、「9821」と銘打たれていながら、PC-9801シリーズと同様のハードウェアにグラフィックアクセラレータチップを追加しただけのものであり、実際にもPC-9801シリーズに対応する機種が存在しないBf以外はPC-9801BX2/BS2/BA2と共通の基板を使用してコストダウンを計っていた。

PEGCを拡張ボード形式で後付けすることはITF[注 3]/BIOS ROMに対する修正も必要で機構的に実装が困難であったため、9821固有グラフィック機能を追加するアドオンカードは発売されず、その結果このMATE BではMATE A用の一部の256色対応ソフトが全く使用できないため、混乱が生じた[注 4]

また、MATE AにはPC-9801FX/FS/FAシリーズから採用されたファイルスロットが搭載されているのに対し、MATE Bからはファイルベイに変更されている。どちらも外見は似ているが、前者はフロントパネルを外してデバイスを挿入するだけのイージーメンテナンス仕様である[注 5] のに対し、後者はケースを開けて結線作業を行う必要のある、一般的なフロントベイとなっている。内蔵HDDについても同様で、MATE Aはコネクタの奥行きでSCSIとIDEを兼用するスロットと専用の特殊なHDDケースを用いることでフロントカバーを開けて差し込むだけの構造になっているのに対し、MATE Bはケースを開けて一般的な形でIDE HDDを内蔵するようになっている。このように、MATE AからMATE Bになったことで従来のSCSI機器構成とメンテナンスの簡便さを意識した高コストなものから、IDE構成による互換性を意識した低コストなものへ移行している。これらは以降のMATE Xにも踏襲され、ひとつの転換点となっている。

また、家庭向けマルチメディアパソコンと言う位置づけで、初代機の形状と名を継ぎCRTモニタをセットにした「C」型番を持つ98MULTiシリーズも登場し、ラインナップに厚みを加えた。こちらは音源とPEGCは初代機・MATE Aと同様な一方で、MATE Aで導入された98ローカルバスのスロットは搭載しなかった。

デスクトップに続いて1993年夏にはノート型にも256色/4096色中、640×480ドットの液晶を持ったPC-9821Neを登場させ、全シリーズの9821化が進んだ。これらは従来から「98NOTE」シリーズ(標準ノート)、「98NOTE Light」シリーズ(モバイルノート)を名乗っていたが、後に「Lavie」(標準ノート)、「Aile」(モバイルノート)のシリーズ名を与えられた。
Pentium CPUとWindows 95時代
MATE Aの終焉とMATE BからMATE Xへの進化

上位のMATE Aシリーズは1993年7月にメーカー製PCとして世界初のPentium搭載機であるPC-9821 Af(Pentium-60MHzを搭載)、同様に1994年5月に世界初のP54Cを搭載したPC-9821 An[注 6] を発売する等、PC-H98シリーズの後継となるPC-9800シリーズのフラグシップモデルとして展開された。

しかし、その2カ月後の1994年7月からのPC-9821シリーズは標準で[注 7]プラグアンドプレイ (PnP) に対応し、256色表示機能(拡張グラフアーキテクチャ)およびWindowsSoundSystem (WSS)[注 8] に準拠した新仕様のPCM音源(CS4231)を搭載した、PC-9821 Xn(Pentium-90 MHz)/Xp/Xs/Xe(i486機)の98MATE Xシリーズとして、MATE Bと同様にコストパフォーマンスを追求する方向でシリーズを展開していった。これはマイクロソフトのPC95規格に対応した変更[5]で、これによりMATE Bシリーズと、1994年10月のAp3/As3を最後にMATE Aシリーズは打ち切りとなり、またPC-9821シリーズにPC-9801-86ボード互換音源や5.25インチFDDは標準搭載されなくなった。

もっとも、このMATE Xシリーズ初代機以降及び同時期発表のPC-9821Ap3/As3の拡張グラフアーキテクチャのグラフィックコントローラからはVRAMプレーンアクセスモード(PEGC)等の使用頻度が低いと判断された機能が幾つか廃止されており、一部のPC-9821シリーズ対応MS-DOSゲーム等で問題が生じるケースもあった。

なおPC95への対応は翌年のPC-9821Xa10/9/7以降で特に顕著になり、PC95での推奨に沿った形で第2シリアルポート(ノート機などの一部機種では赤外線ポート)が搭載されたほか、ディスプレイコネクタがAT互換機と同じミニD-sub 15ピン(3列)のVGA端子になるなど、いくつかの仕様変更があった。
PCIバスアーキテクチャの採用

また同じ1994年(平成6年)7月には、PCIバスアーキテクチャに基づいたPC-9821である PC-9821 Xa/Xtが発売され、以降は、MUITiシリーズを引き継いだ98MULTi CanBeシリーズ以外のPentium搭載機では、ローカルバスに代わってPCIバスが採用されるようになった[注 9]

CanBeシリーズであるCb/Cb2/Cf/Cx/Cx2と一部の98NOTEには継続してFM音源(YM2608下位互換のYMF288)が搭載されていたものの、PCM音源はWSS相当になっていた[注 10]。このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なデバイスドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーがMS-DOSの画面に気付かないうちに、Windows 3.1の起動ロゴが表示されていた。また、Windows 3.1を終了すると通常はDOSプロンプトに戻るが、DOSプロンプトに戻らずに電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。一部の1FDD機種は、増設用スペースがないため2FDD構成にできない機種もあった。なお1995年11月のCx3以降では各音源の仕様が変更された上でMIDIサブボードの追加が可能となり、単体ではPC-9801-118ボードとして発売された。
海外部品調達率の引き上げ

1992年(平成4年)10月に発売された日本IBMPS/Vシリーズや旧AXメーカーのDOS/Vパソコンなど、日本に製造拠点を置くパソコンメーカー各社は海外からの部品調達率を引き上げてきた。1993年(平成5年)10月に発売された富士通FMVシリーズは台湾のエイサーからマザーボードをOEM調達した。これによって価格競争力と製品化サイクルを向上させることができた[6]

NECも1993年(平成5年)の円高を契機と見て、PC-9800シリーズの一部ロットでマザーボードのOEM調達を始めた。98FELLOWと98MATE XはECSやWEC (Wong's Electronics)、98MATE Aと98MULTiは致福(GVC、後にLite-On(英語版)に吸収)でマザーボードの生産が開始された[6]


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