OpenMG_Jukebox
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この項目では、音楽管理ソフトウェアについて説明しています。マスタリングソフトウェアについては「SonicStage Mastering Studio」を、その他の用法については「#派生ソフトウェア」をご覧ください。

SonicStage開発元ソニー (日本)

最新版V 5.2 / 2009年6月11日
対応OSMicrosoft Windows 98 SE / Me / 2000 / XP / Vista
サポート状況終了
種別メディアプレーヤー
ライセンスプロプライエタリ
公式サイト ⇒SonicStage
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SonicStage(ソニックステージ)は、かつてソニーが開発していたWindows用音楽管理・再生ソフトウェア。後の「x-アプリ」の前身となったソフトウェアに当たる。本項目では先代に当たるOpenMG Jukebox(オープンエムジー・ジュークボックス)についても記載する。
概要

SonicStageは、Windows PCでの音楽CDからの楽曲取り込みや音楽配信サイトでの楽曲購入、PC内に取り込んだ楽曲の管理から、ウォークマンメモリースティック携帯電話への転送といった機能を持つソフトウェアであり、Windows Media PlayeriTunesと同じメディアプレーヤーのジャンルに属する。

1999年に前身のOpenMG Jukeboxが登場してから、2009年にx-アプリに移行するまでの約10年間、ソニーにおけるメディアプレーヤーの中心的ソフトウェアとして、幅広く利用された。
歴史
OpenMG Jukebox及びATRAC3の誕生

SonicStageの原型は1999年12月21日発売のメモリースティックウォークマンNW-MS7」に付属されていたOpenMG Jukeboxである。同製品は当時新開発されたコーデック、ATRAC3を唯一の対応フォーマット(以降2003年頃までのネットワークウォークマンはNW-E7/NW-E10を除きすべてATRAC系コーデックのみの対応)としていたため、楽曲の管理、メモリースティックへの転送及び既存のMP3ファイルのATRAC3への変換機能を備えたソフトウェア群としてリリースされた。翌2000年からは同社製PCのVAIOの一部機種にもプリインストール及び一部他社製のOpenMG機器にも付属されるようになった。

なお、SonicStage(Ver.1.x/2.x/3.x)及びSonicStage CP(Ver.4.x)のプロセス名が「Omgjbox.exe」なのは、このOpenMG Jukeboxの名残である。
SonicStageの登場

2001年10月Windows XP搭載VAIOのプリインストールソフトとして初代SonicStage(ソニックステージ、Ver.1.0)が登場した。当初はOpenMG Jukeboxから派生した上位版としてVAIOのプリインストールのみSonicStage、ネットワークウォークマンをはじめとする機器への付属は従来のOpenMG Jukeboxと分けられていたが、その後1年程度で全てがSonicStageへと置き換えられた。ただし、この頃まではまだ単体での配布はなされていなかった[1]

転機は2004年に訪れ、同年7月にHDD搭載のネットワークウォークマン「NW-HD1」が発売されたが、引き続きMP3形式の非対応やSonicStage(Ver.2.x系)の操作性の不評などにより販売面で苦戦した。このことから同年秋に方針転換し、以降発売する機種はMP3形式に完全対応するとともに同時期のVer.2.3からSonicStage単体での無償配布が始まった。当初はmora経由でSonicStage 2.3 for Moraとなっていたが、翌2005年のVer.3.0からは通常版が配布されるようになった。

2005年にリリースされたVer.3.x系は上記の失敗をもとに多くの改善がなされ、コピー制限の緩和やレスポンス向上、対応コーデックの増加などが実施されたため一定の評価を得た(特に後述のCONNECT Player登場後は評価が高まった)。
CONNECT PlayerとSonicStage CP

2005年11月に発売されたウォークマン(従来のネットワークウォークマンから改名)「NW-A3000/A1200/A1000/A608/A607/A605」では、これまでのSonicStageとは異なる新しいソフトウェアとして「CONNECT Player」(コネクト・プレーヤー)が採用され、当初はSonicStageからCONNECT Playerへ比重を移していくとみられた[2]。しかし、CONNECT Playerは操作性や動作の不安定さに対する苦情が国内外で多発したためSonicStageの開発続行が表明され[3]、SonicStage CPの開発へ繋がった。

2006年5月より提供されたSonicStage CP(ソニックステージ・シーピー、Ver.4.x系)では新たにアーティストリンクやふりがなの付与などのCONNECT Player固有だった機能に完全対応した(CPはCONNECT Playerの略)。これにより事実上CONNECT PlayerはSonicStageに吸収される形で消滅した(単体配布はされず、翌2007年にはアップデートサービスも終了した)。このSonicStage CPでは新たにAACにも対応するなどさらなる対応コーデックの増加も実施された。

なお、本バージョンまでは全世界共通で展開された。以降は国内向け/海外向けそれぞれ別の展開となる(後述)。

また、翌年の2007年3月には初の動画対応ウォークマン・NW-A800シリーズが登場し、以降も動画対応機種がリリースされた。しかし、SonicStageに動画や画像、ポッドキャスト等の管理・転送機能が搭載されることはなかった(後継のx-アプリにおいて実装された)ため、動画等の転送・管理には「Media Manager for WALKMAN」や「Image Converter 3」等との併用を強いられた。
海外戦略の転換とSonicStage V

ソニーは2007年8月30日に行なったプレスカンファレンスで「WALKMAN goes OPEN」戦略[4]を打ち出し、日本国外向けのウォークマンについては転送にSonicStageを使用せず、Windows Media PlayerもしくはWindows ExplorerでのD&D転送を用いる方針を打ち出した[5]。それとともに従来は全世界共通で型番の頭が「NW-」だったのが以降発売の海外向け機種の型番の頭は「NWZ-」となった。これはMDが普及しなかった海外ではATRAC形式の普及率が国内よりも低いため[6]で、これにより海外でのATRAC形式の音楽配信サービスの展開も終了した[7]

そのため、2007年秋以降は、SonicStageは事実上国内市場向け専用のソフトウェアとなり、当時のオーディオ事業本部長が今後も国内向けに開発継続することを明言[6]していた。この時点ではまだ国内向けモデルはD&D転送に対応していなかった(2009年発売モデルからは国内向けモデルもD&D転送に対応)ため、以降は後述のように海外向けとは切り離されて発展していった。

一方、同時期の日本市場ではKDDI/沖縄セルラー電話auのサービスLISMOとの連携である「au×Sony "MUSIC PROJECT"」が発表され、新たに発表された携帯電話用のデータ管理ソフトLISMO PortのコンポーネントとしてSonicStage for LISMO2008年2月1日から提供された(2012年現在はx-アプリベースとなっている)。これは当時のSonicStage CPとは全く異なるUIや仕様であり、同年にリリースされるSonicStage Vへと繋がった。これらは、全世界で提供されていたSonicStage CPまでのバージョンとは異なり、国内専用のソフトウェアとして進化したものである。

2008年10月より提供されたSonicStage V(ソニックステージ・ファイブ、Ver.5.x系) では上記のSonicStage for LISMOのUIをベースとしており、UIの変更や対応機器の絞り込み、一部機能の削減などこれまでで最も大幅な変更が実施された。また、対応機器の絞り込みにより初めて旧バージョン(Ver.1.x?4.x)とは別のソフトウェアとしてインストールされる仕様となった。同様にこれまでのバージョンアップとは異なりライブラリのデータも引き継がれずソフト内の一機能として旧バージョンのデータを読み込む機能が搭載された。そのため、SonicStage Vで非対応の機器向けに、前バージョンであるSonicStage CP(Ver.4.4)の提供も継続され、晩年は2本立てでの展開となっていた。

なお、SonicStage CPまでのプロセス名は先代のOpenMG Jukeboxの名残で「Omgjbox.exe」であったが、このSonicStage Vで初めて「SonicStage.exe」に改められた。
開発の終焉、x-アプリへの移行

その後SonicStage Vはマイナーバージョンアップを2回重ね、2009年6月11日にリリースされたSonicStage V Ver.5.2がSonicStageシリーズの最終バージョンとなった。また、2009年8月11日にはVer.3.3以降に搭載されていたジャケット写真/関連情報の自動取得サービスが終了し[8]、これにより事実上SonicStageの開発及び新規バージョンのリリースは終了した。そのためSonicStageは全バージョンWindows 7以降のWindows OSには正式対応していないが、機種によりWindows 7や8のパソコンでも動く場合もある。

一方で、SonicStage VのUIや機能をベースに、動画・写真・ポッドキャストの管理機能の追加を中心におまかせチャンネル歌詞ピタなどの新機能の追加及びSonicStage Vで削減された一部機能の復活など機能面を大幅に拡充した新(事実上SonicStage Vの後継)ソフトウェアの「x-アプリ」(エックスアプリ、x-APPLICATION)が2009年10月7日に提供が開始された。


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