なお、OpenCL 1.2、2.0、2.1、2.2では、SPIR(英語版)およびSPIR-Vと呼ばれる中間表現(中間言語、バイトコード)をサポートすることにより、事前コンパイルしたベンダーに依存しないカーネルコードを実行することができるようになる[22]。ただし、SPIR 1.2およびSPIR 2.0はOpenCL 1.2およびOpenCL 2.0の拡張機能(cl_khr_spir[23])となっており、サポート必須の機能ではない。一方、SPIR-VはOpenCL 2.1/2.2のコア機能となる[24]。OpenCL 2.1ではSPIR-V 1.0を、OpenCL 2.2ではSPIR-V 1.0/1.1/1.2をサポートするが、OpenCL 3.0ではSPIR-Vはコア機能から外れ、サポート状況に関しては実行時の問い合わせが必要となった[25]。 2008年6月10日(日本時間)のWorldwide Developers Conference (WWDC 2008) において、Mac OS X Snow Leopard(v10.5 Leopardの次期メジャーバージョンとされる)に搭載される予定の技術の1つとして初めて発表された[26]。 標準化団体クロノス・グループの2008年6月16日に発足した作業部会Compute Working Group (CWG) において、AppleによってOpenCLの仕様草案が提案された[3]。CWGはGPUとCPUのヘテロジニアス(異種混在)な計算技術のロイヤリティフリーな標準化を目的としており、発足時点では3Dlabs、AMD、Apple、ARM、Codeplay
歴史
2008年8月のSIGGRAPH 2008および同年11月のSupercomputing 2008 (SC08) において、仕様策定の進捗状況が発表され、同時期にCompute Working Groupは名称をOpenCL Working Groupと改められ、新たにアクティビジョン・ブリザード、バルコ、ブロードコム、エレクトロニック・アーツ、エイチアイ、ケストレル研究所、Movidia、RapidMind(英語版)、TAKUMIが参加している。11月10日にはRapidMindが自社の並列コンピューティング開発環境においてOpenCLを採用すると発表した[27]。
2008年12月9日のSIGGRAPH Asia 2008において、正式版となるOpenCL 1.0の仕様が発表された[28]。またほぼ同時期に、AMDとNVIDIAはそれぞれ自社のGPGPU技術であるATI StreamおよびCUDAにおいてOpenCL 1.0をサポートすると発表した[29][30]。OpenCL 1.0対応の最初のプラットフォームとして、Mac OS X Snow Leopardが2009年8月28日にリリースされた。
2010年6月14日、OpenCL 1.1を正式発表[31]。float3型の追加、clSetKernelArg()関数以外のスレッドセーフ化[32]など。
2011年11月15日、OpenCL 1.2を正式発表[33]。分割コンパイル&リンク対応、SubDeviceの追加、SPIR 1.2拡張機能、3Dイメージの書き込み拡張機能[34]など。
2013年7月22日、OpenCL 2.0を正式発表[35]。read_write修飾子[36]、共有仮想メモリ (Shared Virtual Memory) や動的並列処理 (Dynamic Parallelism) 対応など。
2015年11月16日、OpenCL 2.1を正式発表[37]。SPIR-V中間言語によるVulkan API (OpenGL Next Generation, glNext) とのプログラミング基盤共通化など。2015年3月3日の暫定仕様の発表時点でカーネル記述言語へのC++14サブセット導入も予定されていた[38]が、OpenCL 2.1正式仕様の発表とともに、OpenCL C++のリリースは早くて2016年半ばとアナウンスされた。
2017年5月16日、OpenCL 2.2を正式発表[39]。2016年4月18日の暫定仕様の発表時点でアナウンスされていた、OpenCL C++言語、SYCL 2.2フレームワーク[40]に加えて、中間表現SPIR-V 1.2などが導入された。
2018年6月、AppleはWWDCで、macOS Mojave以降ではOpenCLを非推奨とすることを発表し、代替としてMetalを使うことを推奨している[41][42]。
2020年4月27日、OpenCL 3.0暫定仕様が公開された[43]。OpenCLロードマップの再調整に伴い、バージョン1.2より後発の機能がオプションに引き下げられる。オプションの言語機能を照会するためのマクロが提供される予定。
2020年9月30日、OpenCL 3.0最終仕様が公開された[44]。
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