音楽ライターの天野龍太郎はや批評家のimdkmは、「ビートやシンセベースや後半に向けて盛り上がっていく電子音の響き」「後景にあったけばけばしいシンセの質感がぐっとせりだし、さらにはボーカル・カットアップも登場する中盤からの展開」に、本楽曲の共同プロデューサーであるA.G.クックに特徴的なサウンドを見出している[26][27]。この部分からボーカルに催眠的なエフェクトが加わりはじめ、楽曲はクラブ・ミュージックのような陶酔感あふれるムードに突入する[29]。 音楽家 ライター・批評家 本楽曲は、リリース初週に7.2万DL(72,000DL)を売り上げ、「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」で初登場1位を獲得。同名EPもデジタルアルバムチャートで1位を記録したことで、自身初となるデジタルランキング2部門同時1位を獲得した[38]。ビルボード・ジャパンにおいては、ダウンロードが66,534DLで1位、ストリーミングでは9,317,744再生で3位、MVの動画再生も3,840,805再生で1位、ラジオ1位、Twitter4位と実力を発揮し、計3冠で「Billboard Japan Hot 100」で2位に初登場した[4]。2週目もデジタル部門を中心に高水準を維持し、週間DL数3.3万DL(32,987DL)を記録し「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」で2週連続となる1位を獲得。またストリーミングでも7位を記録し、「週間合算シングルランキング」では前週から1つ順位を上げて首位を獲得した[5]。また同週のビルボード・ジャパンでも、ダウンロードで2週連続1位 (30,555DL)、ストリーミング6位 (8,223,430再生)、動画再生3位、ラジオ2位、Twitter 9位と各指標で高ポイントを積み上げ、「Japan Hot 100」で総合首位を獲得した[2][注 3]。その後も特にダウンロードにおいて高順位を維持し、「Billboard Japan Download Songs」では3週連続1位を記録している[3]。 また本楽曲は、J-WAVEの週間チャート『TOKIO HOT 100』にて初登場1位を獲得し、番組33年目の歴史の中で初登場1位に輝いた3曲目の楽曲となった[39]。
評価と受賞
評価と批評
ヒャダインは、内省的なサウンドや冒頭の歌詞の具体的表現の仕方などを評価し、宇多田を「日本が誇る芸術家」と称賛した[30]。
mabanuaは、「無駄な音もなければ足りない音も一切ない」「合間に出てくるちょっとした音まで全てが必要なピース」とコメントした[31]。
荘子it (Dos Monos) は、「言葉のここで区切るのか!」と感じたという歌詞の譜割りを称賛し、「J-POPの、日本語とR&Bの譜割りのアマルガムを完璧にこなしている」と評価した[32]。
Yaffleは、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」に出演した際に「2021年の年間マイベスト」第1位に本楽曲を選出。「素晴らしいシンガーが素晴らしいビートで歌い素晴らしいミックスで仕上がっているというシンプルな楽曲の圧倒的な完成度」「完璧な曲」と称賛。なかでも、「1番サビの後半に力点を置いてあるかと思いきや、実はミスリードで、2番の頭点に置いてある点」を斬新とし、「始まりから終わりまでの構成が流れるように進んでいく」ところも本楽曲の良さだとした[33][34]。
批評家のimdkmは、A.G.クックの手腕によって「宇多田ヒカルの声と言葉をあくまでセンターに据えつつ、宇多田ひとりではあまり取り組まなさそうなサウンドをフックに絶妙なカタルシスをつくりだしている」と述べた[27]。
MuuMuse
ジャパン・タイムズのライターであるパトリック・セント・ミシェルは、2021年の日本の音楽シーンを総括する記事の最後に、「今年のベストトラックのうちの1曲」として本楽曲を紹介。続けて「冷たい現実からの逃避でもなく、厳しい時代に対するシニシズムでもない。むしろ、宇多田ヒカルは、受け入れがたいようなはかなさの中で、苦労して得た成熟を受け入れている」とし、「2022年、私たちはこのような場所にいることができるのだろうか」と同記事を締め括った[35]。
受賞
J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARDS 2021[注 2]「Best of Mix 最優秀エンジニア賞」(スティーヴ・フィッツモーリス)(2021年)[22]。
令和3年アニソン大賞(SMEJ)「大賞」(2021年)[36][37]
「まごうことなきアニソン」であり、「本当に宇多田ヒカルというアーティストはエヴァの歩みに寄り添った歌詞を書いている。そしてイントロが鳴った瞬間の感動。万感の思いを込めて選出した」との評価を得ている[36]。
チャート成績