OZ_(岩井恭平・刻夜セイゴの漫画)
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『Oz-オズ-』とは原作:岩井恭平、漫画:刻夜セイゴによる日本漫画作品である。『月刊コミックアライブ』(メディアファクトリー)にて2008年11月号より連載。単行本は2011年4月、6巻で完結した。童話『オズの魔法使い』をモチーフとしている。
目次

1 あらすじ

1.1 世界設定


2 登場人物

2.1 Oz所有者

2.2 七海高等学校

2.3 GAIA特別捜査室


3 用語

4 単行本

あらすじ

深刻化する環境汚染や資源の枯渇、増え続ける人間たち…あらゆる問題が氾濫する近未来に解決策として生み出された感覚接続による電子空間「GAIA」。忠実に五感を再現するGAIAだが、人を死に至らしめる「痛覚」だけは不必要として排除されていた。GAIAでの学生生活を送る少年・大野結利は、「Oz」と呼ばれる1枚のカードを拾った事で現実世界へ戻れなくなってしまう。困惑するユーリの前に不敵な笑みを浮かべた一人の少女が現れ、待ちわびたように右手を差し出す。「返せよ、それは、アタシんだ」。ここは誰も見たことがない“痛み”のない新世界。
世界設定

20世紀末から始まった発展途上国の急激な進歩によってあらゆる問題が浮かび上がった。環境汚染、地球資源の枯渇、人口増加、資本主義拡大による先進国と発展途上国の格差。問題解決の糸口として宇宙開発が注目されるも、地球外資源開発や熱惑星への人類移住計画はことごとく失敗する。現実的な解決策が見つからないまま各国間によるエネルギーの争奪戦が熾烈を極めた頃――日本政府による、ある計画が世界の注目を集めた。極めて省エネルギーかつ超巨大規模の感覚接続電子空間「GAIA計画」である。21世紀初頭の日本を忠実に再現したその第三世界は誕生から十数年が経過し、世界中の経済と教育の中心地として進化を続けている。
登場人物
Oz所有者
大野結利(おおの ゆうり)
本作の主人公。通称:ユーリ。15 - 16歳(高校1年生)。基本的に厄介事には首を突っ込まないタイプだが、困っている人を見ると放っておけない性格。また思慮が浅い傾向にあり、よく考えずに行動した結果ピンチに陥ることもある。「痛み」を忘れるためにGAIAに接続し続けているため友人には「接続中毒者(ジャンキー)」と揶揄されるほどだが、一方でGAIAに慣れることができず思わず「痛ッ」と言ってしまったり「相手はもしかして痛いかも」という思いを捨てられずにいたりする。そのせいか、他人の攻撃を避けようとする癖が付いている。Ozカードの所有者(所得者)で、所有カードは「Girl」。成績は悪いが、運動能力やとっさの機転は悪くないようで、「人形遣い」とも対等以上に渡り合った。七海高校での騒動の後、金堂からGAIA特別捜査室との捜査協力を要請された。
ドロシー
ユーリの目の前に突然現れた素性不明の少女。並乳。Ozカード「Girl」の遺失者らしく、ユーリにカードの返還を求めた。しかしその時にはユーリのカードの所有手続きが完了していたため、ユーリと行動を共にすることになる。主にユーリに指示を出す。ハッキングの腕前は超一流でセキュリティをかいくぐってのデータ全削除、バックアップデータの改竄、人間に見せかけた囮(デコイ)の大量作成を軽々と同時に行なって見せる。普段の言動はただのバカでユーリには呆れられ、夏とは会う度に喧嘩している。「それがあれば元の世界に帰れる」と言い、Ozカードに異常な執着を見せている。賞金には興味がないようで、ユーリに全額やると言い放った。痛みを感じたことがなく、どのような感覚なのか理解していない。羞恥心は人一倍強いようだが、奇特な行動は平気でする。また、GAIAには彼女がいた痕跡が一切残されていない。その正体は生まれた時から現実世界で目を覚まさない少女。初期のGAIAに接続され、座標を見失われたままその中で生き続けている。現実世界の身体はボロボロであり、未知の感覚「痛覚」で強制的に自分を覚醒させようとしている。しかし痛覚に対する恐怖は人一倍強い。もっともGAIAを知る人物であり、取り込まれる危険はあるがGAIAと直接リンクすることができる。GAIAの創造主「魔法使い」とは何らかのかかわりがある様子。
ハルハル
通称「狙撃者」。13歳。年齢の割に巨乳。Ozカード「Lion」の前所有者。発展途上国の反GAIA組織の一員。心根は優しく仲間たちから託されたマネーを使うのをためらったり、食事を与えてくれたユーリに恩を感じたりしているような描写がある。その一方でGAIAを強く憎み、それを破壊するためならば容赦なく攻撃行動をとる。GAIA接続前に薬品で肉体強化されたためだろうか、「3年後には生きているかどうかもわからない」と独白している。七海高等学校での騒動の際、「人形遣い」にOzカードを奪われている。
沖南火遊(おきな ひあそび)
通称「人形遣い」。年齢不詳。Ozカード「Tin man」および「Lion」の現所有者。「Tin man」前所有者の賢人「魔女」を殺害しカードを手に入れたとされている。「贋作師(コピーマン)」の通称で賞金を懸けられていた犯罪者だが、金堂に拾われてGAIA特別捜査室に勤務するようになった。しかしOz使いだと判明し、逃走した。「贋作師」としての技能を用い、手に入れた「Lion」のカードを不完全ながら複製することに成功している。気弱で空気の読めない青年を演じていたが、素は非常に粗暴かつ残忍。自分のためならば何でもする人間である。生前の「魔女」には好意を寄せられており、沖南も心を開きつつあったようである。
マグノリア
通称「魔女」。年齢不詳。Ozカード「Tin man」の前所有者。死亡している。「賢人」のリーダーであり、Ozカードを用いるため横領を行っていた。惚れやすいのか、金堂にことごとく振られ続けた直後に沖南を食事に誘っている。沖南に誘いを受け入れられた際に、初めて食事の誘いを受け入れられた喜びから錯乱し、Ozカードの製作者を明かしてしまっている。「良い魔女」を自称していたが、Ozを巡るGAIAの混沌を回避するため、そして「金が欲しい」と漏らした沖南のために全電子マネーを掌握しようとし、当の沖南に「悪い魔女」と断じられ銃で撃たれてしまう(沖南はOzカード所有者が怪我をすることを知らなかった)。沖南を庇ってその傷を隠すため、Ozプログラム「斧」で自害した。
七海高等学校
マサムネ
ユーリのクラスメート。金髪。ひょうきんな性格で、ユーリを弄っているが、Ozカードを持っているユーリを事情も聞かずにかばうなど、良き友人である。大河ドラマや演歌を好みドラマの高画質データにつられて(無謀と知りつつ)ドロシーと夏の喧嘩を仲裁しようとしたり、カラオケで演歌を熱唱したりする。こぶしの利いた歌声らしい。
夏(なつ)
ユーリのクラスメート。貧乳。基本的には明るい性格だが、嫉妬深い一面もある。また定期テスト前にはその成績の良さから「神以上」を自称して騒ぎだす。ユーリに思いを寄せており、ドロシーとユーリとの関係には釈然としないものがあるよう。
桜屋敷舞桜(さくらやしき まお)
セキュリティ部部長。賞金首を捕まえたといううわさがあるほどのセキュリティ技術を持つ部のトップ。サラシを巻いている。貧乳。


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