OSI基本参照モデル
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OSI参照モデル(OSIさんしょうモデル、: OSI reference model)は、コンピュータの持つべき通信機能を階層構造に分割したモデルである。国際標準化機構(ISO)によって策定された。OSI基本参照モデル、OSIモデルなどとも呼ばれ、通信機能(通信プロトコル)を7つの階層に分けて定義している。
目次

1 概要

1.1 レイヤー構成


2 例

2.1 層別の例

2.2 層別・プロトコルスイート別の例


3 歴史

4 TCP/IPとOSI参照モデル

5 回線速度と通信速度

6 比喩

7 関連書籍

8 脚注

9 関連項目

概要

お互いが参照・被参照関係にあるレイヤによるモデルであり、上位層は下位層に対して抽象化されている。 OSI参照モデル間の通信(例:第3層から第5層)

OSI参照モデルは、1977年から1984年にかけて定義されたOSIのために策定されたが、OSI自体は普及せずに、OSI参照モデルだけがネットワークの基本モデルとして広く参照されるようになった。OSI参照モデルはISO/IEC 7498として規格化され、後にITU-TではX.200、JISではJIS X5003として、同一内容を定義している。

ただし、OSI参照モデルは、本来はOSI準拠製品用の参照モデルであり、OSI以外の通信プロトコルはOSI参照モデルに準拠して作られた訳ではない。例えばいくつかの教科書では、OSIの7階層を、SNAの7階層や、TCP/IPなどを含むDARPAモデルの4階層と対応付けして説明しているが、これらは全て理解を助けるための参考資料である。厳密にはそれぞれ各層の定義・範囲・役割なども異なり、個々のプロトコルをどの層に位置づけるかも著者により異なる。なおIETFは、インターネット・プロトコル・スイートと構造の開発はOSIに準拠する意図はないと述べている。
レイヤー構成

国際標準化機構 (ISO) によって制定された、異機種間のデータ通信を実現するためのネットワーク構造の設計方針「開放型システム間相互接続 (Open Systems Interconnection、OSI)」に基づいて通信機能を以下の7階層(レイヤ)に分割する。

OSI参照モデル
7.  アプリケーション層

HTTP

DHCP

SMTP

SNMP

SMB

FTP

Telnet

AFP

X.500

6.  プレゼンテーション層

HTTP

DHCP

SMTP

SNMP

SMB

FTP

Telnet

AFP

X.500

5.  セッション層

TLS

NetBIOS

NWLink

DSI

ADSP

ZIP

ASP

PAP

名前付きパイプ

4.  トランスポート層

TCP

UDP

SCTP

SPX

NBF

RTMP

AURP

NBP

ATP

AEP

3.  ネットワーク層

IP

ARP

RARP

ICMP

IPX

NetBEUI

DDP

AARP

2.  データリンク層

イーサネット

トークンリング

アークネット

PPP

フレームリレー

1.  物理層

RS-232

RS-422 (EIA-422, TIA-422)

電話線・UTP

ハブ

リピータ

無線

光ケーブル












第7層 - アプリケーション層[1]
具体的な通信サービス(例えばファイル・メールの転送、遠隔データベースアクセスなど)を提供。HTTPやFTP等の通信サービス。
第6層 - プレゼンテーション層
データの表現方法(例えばEBCDICコードのテキストファイルをASCIIコードのファイルへ変換する)。
第5層 - セッション層
通信プログラム間の通信の開始から終了までの手順(接続が途切れた場合、接続の回復を試みる)。
第4層 - トランスポート層
ネットワークの端から端までの通信管理(エラー訂正、再送制御等)。
第3層 - ネットワーク層
ネットワークにおける通信経路の選択(ルーティング)。データ中継。
第2層 - データリンク層
直接的(隣接的)に接続されている通信機器間の信号の受け渡し。
第1層 - 物理層
物理的な接続。コネクタのピンの数、コネクタ形状の規定等。銅線-光ファイバ間の電気信号の変換等。

下記は、OSIモデルの各層ごとのプロトコルやサービスの例である。ただし上述のようにOSIモデルはOSI準拠プロトコルのための参照モデルであり、OSIスイート以外はOSIモデルに沿って設計・開発される訳ではない。このため、下の例はあくまで「仮にOSIで言えばどの層に相当すると思われる」ていどの参考である。実際には、一部のプロトコルやサービスは、OSIモデルのどの層に属するかについて、幾つかの異なる見解が存在する。また複数層に跨っている物もある。図示の例はあくまでも一見解に過ぎない。
層別の例










OSI参照モデル
7. アプリケーション層

HTTP

DHCP

SMTP

SNMP

SMB

FTP

Telnet

AFP

X.500


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