ONCE ダブリンの街角で
Once
監督ジョン・カーニー
脚本ジョン・カーニー
製作マルティナ・ニーランド
製作総指揮デヴィッド・コリンズ
出演者グレン・ハンサード
『ONCE ダブリンの街角で』(ワンス ダブリンのまちかどで、原題: Once)は、2007年公開[1]のジョン・カーニー脚本および監督のアイルランドの音楽映画。アイルランド・ダブリンを舞台に、ストリートで出会った地元の男とチェコ系移民の女が音楽を通して心を通わせていくラブストーリーで、自然主義俳優およびミュージシャンのグレン・ハンサード(英語版)とマルケタ・イルグロヴァ(英語版)が主演している。映画撮影以前より2人は「ザ・スウェル・シーズン(英語版)」の名で音楽活動をしており、映画のオリジナル曲全ての作曲および演奏を行った。
映画製作中の約6ヶ月間、アイルランド映画局の最高責任者が不在だったため、部下の裁量ではおよそ?112,000という低い予算しか組めなかった。制作費は?130,000(米ドル150,000)[2]だったが映画は成功をおさめ[3]、アメリカの映画館各館の平均興行収入を越えた[4]。全米では2館からの公開だったが、その後口コミで話題になり、140館まで劇場数を増やしたほか、サウンドトラックは全米チャートで2位を獲得した。好評を得て[5][6]2007年のインディペンデント・スピリット賞の外国映画賞を受賞した。ハンサードとイルグロヴァの曲『フォーリング・スローリー(英語版)』Falling Slowly は第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞し、サウンドトラックはグラミー賞にノミネートされた。
キャッチコピーは、『ふたりをつなぐ、愛より強いメロディ』『人生でたった一度、心が通じる相手に出会えたら…ストリートから始まるラブストーリー』。目次 ダブリンのストリート・ミュージシャンである30代の"男"(演:グレン・ハンサード
1 あらすじ
2 キャスト
3 スタッフ
4 製作
5 主な受賞
6 CD・DVD
6.1 CD
6.2 DVD
7 舞台化
8 脚注
8.1 注釈
8.2 出典
9 外部リンク
あらすじ
翌日"女"は掃除機を持って現れ、ふたりは自らの生い立ちや人生を語る。途中彼女が定期的にピアノを借りている楽器店へ寄り道し、"男"は"女"に自分の曲を教え、一緒に演奏する (Falling Slowly)。"男"は実家の店に向かうバスの中で、長年交際した女性が彼を騙して出て行ったことを音楽に乗せて答える (Broken Hearted Hoover Fixer Sucker Guy)。店で"女"は"男"の父親(演:ビル・ホドネット)に会う。"男"は"女"を2階の自室に誘うが、"男"が泊まっていってほしいと言うと"女"は怒って出て行く。
翌日仲直りをし、"男"は自分の曲を"女"に渡す。"女"は"男"を自宅での夕食に招待し、"男"は彼女にチェコに残してきた夫がおり、娘と"女"の母親(演:ダヌシュ・クトレストヴァ)と同居していることを知る。"女"は"男"の帰宅後にCDを聴き、曲の1つに作詞をして "If You Want Me" と名付ける。"女"は道を歩きながら、あるいは即興でそれぞれが演奏するパーティなどで歌い練習する(Gold 他)。
"男"はロンドンへ行った元彼女(演:マルチェラ・ブランケット)のことを思い返し、「変っていく君に追いつけない」という "Lies" という曲を作曲する。"女"は"男"に彼女を取り戻すよう応援する。彼はロンドンへ向かうことを決心し、デモテープを持っていくために"女"に共にレコーディングしてくれることを頼む。
"男"の父親のバイクで海を見に行き、"男"が"女"に別居中の夫を今も愛しているのか尋ねると、"女"はチェコ語で "Miluju tebe と答えるが[8]、はにかみながら今何と言ったのか訳すのを拒否する[注釈 2]。他のストリート・ミュージシャン(演:ゲラルド・ヘンドリック、アラスター・フォーリー、ヒュー・ウォルシュ)をバンドに迎え、レコーディングに向かう。彼らは1曲目When Your Mind's Made Up を演奏するとすぐに、小バカにしていたエンジニアのエイモン(演:ゲオフ・ミノゲ)に好印象を与える。明け方、10分の休憩中に"女"は空いている別スタジオでボールドウィンのピアノを見つけ、"女"が作曲した曲を"男"に弾いて聴かせる (The Hill) 。収録は一晩中続き、一行はエイモンの車で曲を聴きながら海岸へ向かう。
"男"が"女"の家の近所まで送ると、"女"は夫がダブリンに来て同居することを明かす。"男"はダブリンでの最後の夜を彼女と過ごしたいと語るが、"女"は「間違いがあるかもしれず」良くないアイデア(hanky-panky)だと拒絶する。"男"が父親にデモテープを聴かせると、父親は"男"のロンドンへの移住を経済的に支援してくれる。空港に行く前、"男"は"女"のためにチェコ・ペトロフ製のピアノを購入して自宅に届けさせる。その後、元彼女に電話をすると、元彼女は彼の到着を喜ぶ。一方ダブリンでは、"女"の夫(演:Senan Haugh)がダブリンに引っ越してきて同居を開始する。 ※括弧内は日本語吹替 主演であるハンサードとイルグロヴァの2人は共にプロのミュージシャンである[9]。ハンサードのバンドであるザ・フレイムズの元ベース奏者であったカーニー監督はストリート・ミュージシャンの話を映画化およびサウンドトラックの作曲を長年の友人であるハンサードに依頼し続けていたが、主演を俳優になる以前にロック・ミュージシャンとして契約しようとしていたキリアン・マーフィーを起用するつもりでいた[10][11]。
キャスト
男 - グレン・ハンサード
女 - マルケタ・イルグロヴァ(英語版)(園崎未恵)
ティミー(ドラマー) - ヒュー・ウォルシュ(川島得愛)
リード(ギタリスト) - ゲリー・ヘンドリック(坂東尚樹)
ベーシスト - アラスター・フォーリー
エイモン - ゲオフ・ミノゲ(中村秀利)
男の父親 - ビル・ホドネット
女の母親 - ダヌシュ・クトレストヴァ
ヘロイン中毒者 - ダレン・ヒーリー
ビル - マル・ワイト
昔の女 - マルチェラ・プランケット
ボブ - ニーアル・クリアリー
その他日本語吹き替え
佐々木敏、小森創介、文月くん、高瀬右光、冠野智美、飯島肇、岐部公好、興津和幸
スタッフ
監督 - ジョン・カーニー
製作 - マルティナ・ニーランド
製作総指揮 - デヴィッド・コリンズ
脚本 - ジョン・カーニー
撮影 - ティム・フレミング
プロダクションデザイン - タマラ・コンボイ
衣装デザイン - ティツィアーナ・コルヴィシエリ
編集 - ポール・ミューレン
製作