Netflix
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この時期、Netflixはアメリカ国内に60万人の会員を抱えるまでに成長しており[14]、2002年には新規株式を公開してNASDAQに上場[14]。普通株式550万株を15ドルで売却し[23]、さらに追加で82万5000株を同額で売却した[24]

2003年度の会計では、売上高2億7200万ドル、純利益650万ドルを計上しているが[25]2004年に取締役員を務めていたランドルフが職を退き、会社を去った[26]

2005年には会員数が420万人を突破[14]。扱う作品数も3万5000タイトルにまで増え、毎日100万枚ものDVDがNetflixを通じてレンタルされるようになった[27]
変革期:2007年 - 2014年
DVDレンタルからストリーミングへ

2007年1月、Netflix社は自社のコアビジネスを、それまでのDVDレンタルサービスからビデオ・オン・デマンド方式によるストリーミング配信サービスに移行した[28]2008年から2010年にかけては、大手メーカーと提携し、ゲーム機(Xbox 360PlayStation 3Wii)、ブルーレイディスクプレーヤー、インターネット接続テレビ、Apple製品(iPhoneiPadなど)およびその他デバイスでの配信に対応していった[14]

しかし2011年9月、Netflixは自社のサービスからDVDレンタルサービスを独立させ、「クイックスター」(Qwikster)というブランド名で提供することを発表[29][30]。DVDだけでなく、Xbox 360、Wii、プレイステーション3専用のゲームタイトルもレンタル可能にする予定だったが[31][32]、利用者からは同社がストリーミング配信サービスと合わせてそれぞれ7ドル値上げしたことについて不満の声が上がり、第3四半期には約80万人もの会員がサービスを解約[19]。さらに「クイックスター」という名前自体が、既にTwitterの個人アカウント名として使われていることが判明[33]。翌月には計画全てを廃止することとなった[19][34][35]

2012年10月にはエミー賞より、ストリーミング配信を世に広めた功績が讃えられ、同賞の技術開発部門であるプライムタイム・エミー・エンジニアリング賞(英語版)を受賞[36][37]。また、第4四半期にはアメリカ国内でのストリーミング配信サービスの利用者は2710万人に増え、売上高は9億4500万ドルとなった[38]2013年、インターネット界のアカデミー賞とも呼ばれるウェビー賞のMedia Streaming部門(音声・映像ストリーミングサービス対象)でWebby Award(審査員投票)とPeople's Voice Webby Award(一般投票)のダブル受賞を果たした[39]2014年4月、Netflixはアメリカでのストリーミング配信市場において32.3%のシェアを獲得[40]。同年6月には企業ロゴのデザインおよびウェブサイトのUIを一新するリブランディングを行い[41]、7月には全世界の会員数が5000万人を突破した[42]
オリジナル作品の製作開始

ストリーミング配信で成功を収める一方、Netflixは既存作品の配信だけでなく、オリジナル作品の製作にも乗り出すようになる。中でも同社が2013年に配信を開始したドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は、ケヴィン・スペイシーロビン・ライトら有名俳優を主演に据え、映画監督のデヴィッド・フィンチャーがシリーズの製作総指揮を務めたほか、製作費として1億ドル(約123億円)もの巨額が投じられたことで話題となった[43][44]。また、従来のテレビ放送のように毎週1話ずつではなく、1クール全話での一挙配信を行ったことにより、アメリカ国内では俗にいう「一気見」をする人が続出、社会現象となった[43][44]。続いて製作された『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』もヒットし、同2作はドキュメンタリー映画『ザ・スクエア』も含めて、プライムタイム・エミー賞で31のノミネートを獲得[14]。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は3つのプライムタイム・エミー賞を受賞し、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』は2014年に7つのクリエイティブアート・エミー賞を受賞[14]。これにより、映像コンテンツ製作会社としての地位を確立していった。
発展期:2015年 - 2020年
日本での展開

2015年2月、Netflixは2016年末を目標とするグローバル展開の一環として、日本でのストリーミング配信サービスを開始することを発表[45][46]。それと同時に日本法人としてNetflix株式会社が設立され、ストリーミングおよびパートナーシップ最高責任者であるグレゴリー・K・ピーターズが同社代表に就任した[45][47]。6月にはフジテレビとのコンテンツ制作提携を発表し、同局の人気番組『テラスハウス』の新シーズンおよびオリジナル番組『アンダーウェア』の製作・配信を行うとした[43][48]。8月には大手通信キャリアであるソフトバンクと業務提携を行い、ソフトバンクのユーザーを対象に申込受付から料金請求までを一貫して提供するサービスを開始[49][50][51]。9月に、日本でのストリーミング配信サービスが開始された。

2017年8月に東京国際フォーラムで開かれたイベント「Netflixアニメスレート 2017」では、自社のアニメ作品への取り組みを紹介。プレゼンでは50社以上のスタジオと制作を進めている他、オリジナルも含む日本発のアニメ作品を2018年に配信していくことを発表した[52][53][54][55]

2020年1月20日、Netflixはスタジオジブリの21作品[注釈 2]の配信権を獲得。アメリカ[注釈 3]と日本を除く世界191カ国で2月から4月にかけて順次配信すると発表した[注釈 4][57][58][59][60]
会員数の拡大

2016年1月には、国際家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショーにおいて、新たに130カ国以上の国での展開を行い、全世界にストリーミング配信サービスを提供すると発表[61][62][63]。同年末には、会員がオフラインで選択した動画をダウンロードして視聴できる機能が追加された[64]

2017年7月、同年度の第2四半期決算の発表と共に、全世界の会員数が1億人を突破したことを発表[65][66][67]。8月にはアメコミ原作者であるマーク・ミラーが代表を務める大手漫画出版社ミラーワールド(英語版)を買収した[68][69][70][71][72][73]

2020年1月、2019年12月末時点での世界全体の有料会員数が同年9月末時点より約876万人増の1億6709万人になった事が明らかになった[74]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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