nasne(ナスネ)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE) (旧称:ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE) )およびバッファローが開発・販売するデジタルチューナーおよびハードディスク・レコーダー機能を搭載したネットワークストレージ(NAS)。SIEでは「ネットワークレコーダー&メディアストレージ」と称している。
SIEが2012年から2019年まで販売したのち、2021年以降はバッファローが継承した新モデルが販売されている(後述)。 地上・BS・110度CSの3波に対応したデジタルテレビチューナー(データ放送・ラジオ放送は非対応)とハードディスクドライブを内蔵し、ネットワークを介する形でPlayStationシリーズの各種ゲーム機、スマートフォンやタブレット端末、PCを使ってテレビの視聴や録画・再生を可能とする。それに加えてDLNAとDTCP-IP対応のメディアサーバとしても機能するため、録画した番組コンテンツはDiXiM等のクライアントソフトウェアでの視聴が可能である。システムソフトウェアのアップデートでDLNA対応機種ではnasneに保存した画像や音楽、動画の再生が可能となる。 DLNAとDTCP-IPに完全対応した上でDLNAの認証も通っているので、再生に対応する製品はSIEやソニー製品に限らない。ただし、nasneからのEPGデータ受け取り等には独自のAPIを使用する[1]。また、DTCP-IPムーブによる録画番組の書き出しには、他社で採用例の多いダビング元の機器からダビング先を指定し、録画番組を送り出す「アップロード型」ではなくダビング先の機器からダビング元の録画番組を操作する「ダウンロード型」を採用したため、発売直後は同方式に対応した他社製品がなかったものの、後に対応製品が発売されている[2] 。 USBを介して外付けHDDによる録画容量の増量に対応している。HDDはnasne一台につき1個まで、最大容量は2TB(SIE製モデル)または8TB(バッファロー製モデル)までとなっており、それ以上の容量のHDDを接続しても最大容量以上の使用はできない。 SIE製の商品としては2019年に出荷完了し終売となったが[3]、2020年10月7日にバッファローがSIEの協力を得る形で製造・販売を継承すると発表した。2021年春に発売予定とし、今後はバッファローがハード面を担い、torneのアプリケーションやオンラインサービスについてはSIEが引き続き運営を行うとする[4][5]。2021年3月17日にバッファローは新モデルを3月末に発売すると発表した[6]。バッファローの発表に併せてSIEは新旧nasneに対応したPlayStation 5版torneを2021年末に配信することを発表した[7]。 PlayStation 3(PS3)では既に販売されているテレビ視聴・録画アプリケーションの「torne」(バージョン4.0以降)[8]をそのまま使用する。このため、PS3専用地デジチューナーユニットの視聴・録画機能とnasneの機能を一括して操作・管理することが可能となる。また、PS3には最大4台までのnasneを登録可能で、地デジチューナーユニットを合わせると最大5番組の同時録画が可能となる。 PlayStation Vita(PS Vita)では当初はPS3のリモートプレイを介する形での視聴か、「uke-torne」によるPS3を介してのデータ書き込みのみ使用可能だった。2012年12月20日配信開始の「torne PlayStation Vita」を使うことで、PS3のtorne同様のユーザーインターフェースによるテレビ・ビデオ視聴やWi-Fiによる録画番組の書き出しが可能となった。2014年9月25日に行われたnasneシステムソフトウェアとtorne PS Vitaのアップデートでリモート視聴機能「Anytime TV」に対応する[9][10]。また、録画番組以外の保存したコンテンツにリモートアクセスできるアプリ「naspocket」も提供されている。 PlayStation Vita TV(PS Vita TV)でも専用のtorneが配信されている。ただし、PS Vita版と違ってメモリーカードへの書き出しや「uke-torne」による録画ビデオ受取り機能は使用できない。 PlayStation 4(PS4)では「torne PlayStation 4」が2014年6月10日から配信されている[11]。PS4本体のシステムソフトウェアも1.70以上にしておく事が必要。 PlayStation 5(PS5)では2021年11月24日よりPS5版torneが配信されている[12]。 PC用としては当初はVAIO用に専用の視聴・録画アプリケーション「VAIO TV with nasne」が提供されていたが、2014年7月にはVAIO以外のWindows PCに対応する「PC TV with nasne」が提供されている。いずれもネットワーク経由でテレビの視聴や録画予約が可能なほか、nasneに録画した番組コンテンツをBlu-ray DiscやDVDにダビングでき、PCのHDDやSSDに書き出すこともできる。nasneを最大8台登録することで8チャンネル同時録画も可能となっている。 スマートフォンやタブレット端末においては、当初からXperiaのムービーアプリで視聴可能となっており、その後ソニー製BDレコーダー用の管理アプリ「RECOPLA」と再生アプリ「Twonky Beam」がnasneに対応したことでXperia以外のAndroid端末やiOS端末でも視聴が可能となった。また、サードパーティ製のアプリでも視聴が可能となっている。2014年7月からはソニー製の視聴アプリ「Video & TV SideView」(旧称:TV SideView)のAndroid版/iOS版がnasneに対応し、「ワイヤレスおでかけ転送」「外から録画予約」「家じゅうどこでも視聴」に対応、2014年9月25日のアップデートで「Anytime TV」に対応する[9][10]。また、Androidには録画番組以外の保存したコンテンツにリモートアクセスできるアプリ「nasne ACCESS」も提供されており、こちらでも有料プラグインを導入することで「Anytime TV」に対応する[9][10]。
概要
対応端末