「NaCl」はこの項目へ転送されています。
島根県松江市の企業については「ネットワーク応用通信研究所」をご覧ください。
ウェブブラウザ上でネイティブコードを安全に実行する技術については「Google Native Client」をご覧ください。
暗号化ライブラリについては「NaCl (ソフトウェア)」をご覧ください。
塩化ナトリウム
IUPAC名
塩化ナトリウム
別称食卓塩、食塩
識別情報
CAS登録番号7647-14-5
800.4 °C, 1074 K, 1473 °F
沸点
1413 °C, 1686 K, 2575 °F
水への溶解度35.9 g/100 g (25 °C)
構造
結晶構造面心立方格子
配位構造八面体
危険性
NFPA 704011
RフレーズR36
SフレーズS15,S25,S47
関連する物質
その他の陰イオンフッ化ナトリウム, 臭化ナトリウム, ヨウ化ナトリウム
その他の陽イオン塩化リチウム, 塩化カリウム, 塩化ルビジウム,
塩化セシウム, 塩化マグネシウム, 塩化カルシウム
関連する塩酢酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
塩化ナトリウム(えんかナトリウム、英: sodium chloride)は、化学式 NaCl で表されるナトリウムの塩化物である。単に塩(しお)、あるいは食塩と呼ばれる場合も多いが、本来「食塩」は食用や医療用に調製された塩化ナトリウム製品を指す用語である。式量58.44である。
人(生体)を含めた哺乳類をはじめとする地球上の大半の生物にとっては、必須ミネラルであるナトリウム源として、生命維持になくてはならない重要な物質である。
天然には岩塩として存在する。また、海水の主成分として世界に広く分布する塩(えん)でもある(約2.8%)。この他、塩湖や温泉(食塩泉)などにも含有されていることで知られる。 塩(えん)の中でも正塩(せいえん)の1種。結晶構造は塩化ナトリウム型構造で、塩化物イオンとナトリウムイオンから成るイオン結晶であり絶縁体である。常温、大気圧下で白色の固体。無臭だが、独特の塩味を持つ。純粋な塩化ナトリウムは20°Cでは湿度75%まで潮解性を示さない。 融点800.4°C。溶融するとナトリウムイオンと塩化物イオンに分離するため電気を通すようになる。溶融時には揮発性を持つ。 塩酸と水酸化ナトリウムの中和によって得られ、水溶液は中性を示し伝導性を有する。 HCl + NaOH ⟶ NaCl + H 2 O {\displaystyle {\ce {HCl + NaOH -> NaCl + H2O}}} 塩化ナトリウムの温度変化による溶解度の変化は非常に小さく、冷却による再結晶化では少量の結晶しか得られない。一般には、水(溶媒)を蒸発させて溶液の濃度を高めるか、塩化水素ガスを吹き込んで溶液中の塩化物イオン濃度を高めて結晶化させる方法がとられる(原理は記事 溶解度積を参照)。 海水中の塩化ナトリウムの存在量は膨大であるが、同じく膨大な量が存在する岩塩も利用されている。 世界の食塩の生産量は2008年で2億650万トンと言われており、そのうち海水からの天日塩が約36%である[1]。日本の工業塩の年間需要は約740万トンであり全量メキシコ、オーストラリアの天日塩を輸入している[1]。日本ではかつて塩田で海水を濃縮して得ていたが、現代ではイオン交換膜を用いて工業生産している。
性質
資源
用途
主要化学原料である塩素、塩酸、水酸化ナトリウムの原料として工業的に大量に消費され、これらの製品を通じて間接的に様々な化学製品に利用されている。
かつてはソルベー法によりガラスの原料である炭酸ナトリウムを工業的に製造する際の原料として用いられた。