NVIDIA_GeForce
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FermiアーキテクチャではGF100コアとGF110コアで32基、その他のコアで48基のCUDAコアでSM (Streaming Multiprocessor) 構成していたのに対し、Keplerアーキテクチャでは192基のCUDAコアでSMX (Streaming Multiprocessor eXtreme) を構成し、SMを構成するCUDA Coreの数を大幅に増やした[39]

またFermiプロッセッサに比べパイプラインの段数が大幅に減少しており、プロッセッサ内でハードウェア処理されていたスケジューリングの大半がソフトウェア処理に回った。パイプラインが浅くなったことによりラッチ回路が減少し消費電力を大幅に押し下げる結果となった[40]

NVIDIA AdaptiveV-Syncによって、画面のティアリングとフレームレートのカクツキを最小限に抑えることができる。また、TXAAといわれる新しいアンチエイリアシング手法をハードウェアでサポートすることによって、GPUへの負荷を減らしながら従来よりも高品質なAA処理が可能となっている。

なおGK104コアは汎用コンピューティング (GPGPU) 向けの機能をいくつか切り捨てており、特に倍精度浮動小数点の演算性能は単精度の1/24となっている。そのため、倍精度対応が必要とされる分野には、後発のGK110コアを採用したGTX TITANシリーズが採用される。

Intel X79 ExpressプラットフォームがPCIe Gen3に対応しておらず動作確認が完全にとれるまで無効としていると説明していたが、2012年6月現在、NVIDIAはX79プラットフォームの各社マザーボードでのマザーボード-CPU間の通信タイミングに開きが見られるためX79プラットフォームでのPCIe Gen3対応は見送られた。なお公式ではサポートを行わない条件においてX79でのPCIe Gen3を有効化する無保証パッチを配布している[41]

そのほか、GeForce GTX 670およびGTX 680は、シャープ4K解像度ディスプレイPN-K321における3840x2160ドットの60Hz映像伝送に対応するグラフィックスカードとして、AMD Radeon HD 7750/HD 7970、AMD FirePro W600/W5000/W8000、NVIDIA GeForce GTX TITAN/760、NVIDIA Quadro K600/K5000などとともにシャープ公式の動作検証がなされている[42]
GeForce GT 600 Series

GeForce GT 600 Seriesは、主にFermi世代の下位モデルのリネーム製品で構成され、Keplerアーキテクチャを採用する製品はGK107コア採用のGeForce GT 640 1製品のみだったが、2013年5月のGK208コアの発表により、Keplerアーキテクチャを採用する製品が増加した。

製品名コア名 (プロセス)コアクロック
(CUDA)
(MHz)コア数メモリフィルレート
[注釈 5]FLOPS[注釈 5]SLI消費電力
(W)接続
SMCUDATMUROPL2
(KB)タイプクロック
(GT/s)バス幅
(bit)帯域
(GB/s)容量
(GB)ピクセル
(GPix/s)テクセル
(GTex/s)単精度
(TFLOPS)
GeForce GT 610GF119 (TSMC 40 nm)810 (1620)14884128DDR31.86414.41 / 23.246.480.16×29PCIe 2.0
×16
GeForce GT 620GF108 (TSMC 40 nm)700 (1400)296162.8011.20.2749
GeForce GT 630 (DDR3)810 (1620)25612828.81 / 2 / 43.2413.00.3165
GeForce GT 630 (GDDR5)GDDR53.251.21
GeForce GT 630 Rev.2 (64bit DDR3)GK208 (TSMC 28 nm)902384328512DDR31.86414.41 / 27.2228.90.6925PCIe 2.0
×8
GeForce GT 635 (OEM)9677.7430.90.7435
GeForce GT 640 Rev.2 (64bit GDDR5)1046GDDR5540.08.3733.50.8049
GeForce GT 640GK107 (TSMC 28 nm)90216256DDR31.7812828.514.428.90.6965PCIe 3.0
×16
GeForce GT 600 Series の製品
GT 610
2012年5月16日販売開始。Fermi世代のGT 520のリネーム品。
GT 620
2012年5月16日販売開始。Fermi世代のGT 430のメモリバス幅を半減させたもの。
GT 630 (DDR3)
2012年5月16日販売開始。Fermi世代のGT 440 (DDR3) のリネーム品。DDR3メモリを4 GB搭載した製品やDVI-D出力端子を2系統搭載した製品も存在する。
GT 630 (GDDR5)
2012年5月16日販売開始。Fermi世代のGT 440 (GDDR5) のリネーム品。
GT 630 Rev.2 (64bit DDR3)
2013年5月29日販売開始。新しいGK208コアを採用し、メモリバス幅64bitのDDR3メモリを搭載、3画面表示に対応している。GK107コアと比べてPOP数が半分となるため、ピクセルフィルレート(GPixel/s)とメモリ帯域(GB/s)はGT 640の半分となる。
GT 640 Rev.2 (64bit GDDR5)
2013年5月29日販売開始。新しいGK208コアを採用し、メモリバス幅64bitのGDDR5メモリを搭載、3画面表示に対応している。GT 630 Rev.2やGT 640と比べ、コアクロックが16%ほど高く設定されている。
GT 640[43]
2012年6月5日販売開始。GK107コアを採用し、メモリバス幅128bitのDDR3メモリを搭載、3画面表示に対応している。性能はFermi世代のGTSクラスのGTS 450と同程度[44]。リファレンスボードのTDPは65Wとなっているが、実際の消費電力はGTX 650より大幅に低く、ロープロファイル対応かつ1スロットの製品も存在する。
OEM品 (リネーム品)

605 (OEM)
510 (OEM)のリネーム品。
GT 640 (OEM) (192bit DDR3)
GT 545 DDR3 (OEM) のリネーム品。
GT 645 (OEM)
GTX 555 (OEM) のリネーム品。
GeForce GTX 600 Series

GeForce GTX 600 Seriesは、Keplerアーキテクチャを採用する、ミドルレンジからハイエンドクラスの2012年 - 2013年前半の製品群である。

GTX 650 Ti BOOST以上でIntel Turbo Boost Technologyと非常に近い機能を有するGPU Boostが搭載されている。GPUの消費電力が想定より低かった場合、想定電力に達するまでGPUコアクロックとGPUコア電圧を引き上げる機能である[45]

GTX 650 Ti BOOST以上でDisplayPort 1.2出力端子を搭載し、4Kモニタの60Hz表示に対応する。

製品名コア名 (プロセス)コアクロック
[Boost]
(MHz)コア数メモリフィルレート[注釈 5]FLOPS[注釈 5]SLI消費電力
(W)補助電源接続
SMCUDATMUROPL2
(KB)タイプクロック
(GT/s)バス幅
(bit)帯域
(GB/s)容量
(GB)ピクセル
(GPix/s)テクセル
(GTex/s)単精度
(TFLOPS)
GeForce GTX 645 (OEM)GK106 (TSMC 28 nm82435764816256GDDR5412864.0113.239.60.95×65?PCIe 3.0
×16
GeForce GTX 650GK107 (TSMC 28 nm)1058238432580.01 / 216.933.90.81646pin
GeForce GTX 650 TiGK106 (TSMC 28 nm)9254768645.486.414.859.21.42110
GeForce GTX 650 Ti BOOST980 [1033]2438461921441.5 / 223.562.71.512-way134
GeForce GTX 66059608078.41.88140
GeForce GTX 660 TiGK104 (TSMC 28 nm)915 [980]71344112222.01022.461506pin×2
GeForce GTX 670325122561922 / 429.33-way170
GeForce GTX 6801006 [1058]8153612832.21293.09195
GeForce GTX 690GK104 ×2チップ915 [1019]8×21536×2128×232×2512×2256×2192.2×22×258.62345.622-way
(Quad SLI)3008pin×2
GeForce GTX 600 Series の製品
GTX 650[46]
2012年9月13日発表。ロークラスモデルのGT 640と同じGK107コアを採用しているが、コアクロックが引き上げられ、メモリがDDR3からGDDR5に変更されている。補助電源を不要にした製品も発売された。同時発表の上位モデルのGTX 660と比べてコア数は2/5しか無く、性能はFermi世代のGTXクラスでは最下位モデルとなるGTX 460 SEやGTX 550 Tiと同程度でしかない。GTXクラスの安売りと苦評され、後にGT 740 (GDDR5) としてリネームされる事になる。
GTX 650 Ti[47]
2012年10月9日発表。同年9月13日発表のGTX 650とGTX 660の間で2倍以上の性能差があり、その中間付近を埋めるエントリーミドルレンジモデル。上位モデルであるGTX 660と同じGK106コアを採用しているが、5基のSMX中の1基が無効化されており、メモリバス幅が192bitから128bitに削減されている。また、GPUコアクロックの自動引き上げ機能であるGPU Boostが非対応に、SLIも非対応になっている。性能はGTX 650の約1.5倍。


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