NT_File_System
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NTFS
開発者
マイクロソフト
正式名NT File System
導入1993年7月 (Microsoft Windows NT 3.1)
パーティション識別子0x07 (MBR)
EBD0A0A2-B9E5-4433-
87C0-68B6B72699C7 (GPT)
構造
ディレクトリB+木
領域管理ビットマップ/Extents
不良ブロックビットマップ/Extents
限度
最大ファイル サイズ(実装上)
16 TiBWindows 7Windows Server 2008 R2まで)、
256 TiB - 64 KiB(Windows 8Windows Server 2012以降[1]
PiB - 2 MiB (Windows 10 バージョン1709、Windows Server 2019以降[2]
(理論上)16 EiB
最大ファイル数232-1 (4,294,967,295)
最大ファイル名長255文字(UTF-16
最大ボリューム サイズ(実装上)
256 TiB - 64 KiB(Windows 10 バージョン1703、Windows Server 2016まで)
8 PiB - 2 MiB(Windows 10 バージョン1709、Windows Server 2019以降)[2]
(理論上)264-1 クラスタ
ファイル名の文字

Win32名前空間: /\:*"?<>|とNUL以外の任意のUTF-16でエンコードされたUnicode(大文字と小文字を区別しない)

POSIX名前空間: /とNUL以外の任意のUTF-16でエンコードされたUnicode(大文字と小文字を区別する)

特徴
タイムスタンプアクセス、
作成、
修正、
POSIX変更
日付範囲1601年1月1日 - 60056年5月28日
日付分解能100ナノ秒
フォーク可能
属性読み取りのみ (R)、
隠し (H)、
システム (S)、
アーカイブ (A)、インデックスサービス非対象 (I)、オフライン (O)、圧縮 (C)、暗号化 (E)、テンポラリ (T)、スクラビング非対象 (X)
パーミッションACL
透過的圧縮ファイル毎。LZ77。XPRESS(Windows 10のみ)[3]。LZX(Windows 10のみ)[3]
透過的暗号化ファイル毎。
DES-X: (Windows 2000)
トリプルDES: (Windows XP)
AES:(Windows XP SP1Windows Server 2003以降)
重複排除

ファイル単位(2000から2012 R2までのWindows Server)、可変サイズブロック単位(2012以降のWindows Server)
対応OSWindows NT系
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NT File System (NTFS) とは、Windows NT系の標準ファイルシステムである。
歴史
バージョン

NTFS 1.0 -
Windows NT 3.1で使用されたバージョン。

NTFS 1.1 - Windows NT 3.51で使用されたバージョン。

NTFS 1.2 (4.0) - Windows NT 4.0で使用されたバージョン。

NTFS 3.0 (5.0) - Windows 2000で使用されたバージョン。

NTFS 3.1 (5.1) - Windows XP以降で使用されているバージョン。

括弧内はそれぞれが実装されたWindows NT系のバージョン。NTFSのバージョンとして呼ばれることがある。
互換性

NTFS 1.2とNTFS 3.xとの間には互換性が無く、Windows NT 4.0上からNTFS 3.xにアクセスするには、Service Pack 4以上を適用する必要がある。また、Windows 2000以降で、自身が使用しているバージョンよりも前のバージョンのNTFSにアクセスすると、その時点で自身が使用しているバージョンに変換する。

PC/AT互換機パーティションテーブルIDが、HPFSと同じであるため、登場当初はディスク ユーティリティが誤動作することがあった。
後継

サーバ向けにマイクロソフトはWindows Server 2012においてNTFSの欠点を解消したReFSを導入している(なお、ReFSの項には「NTFSの後継ではない」と明記されている)。HomeやProバージョンでは今後もNTFSが使われていく予定である。
特徴
大容量
1ボリューム当たりの推奨最大サイズは、2
TiBであるが、それ以上のファイルシステムも作成可能である(理論上は、264-1クラスタ[4]まで可能だが、コンピュータの性能上制限してある)。
検索の高速化
ファイルの管理はB+木で行われ、大量のファイルが存在していても、検索やアクセス速度の低下が少ない。
長いファイル名
MS-DOSの「ファイル名 8バイト + 拡張子 3バイト」(8.3形式)から、ファイル名・拡張子にとらわれず、Unicodeで最大255文字のファイル名を付けることができるようになった(ドットもファイル名の一部となった)。
POSIXサポート
アメリカ合衆国政府のコンピュータ納入の条件としてPOSIXサポートが必須条項であったため、NTFSはPOSIX.1仕様の環境を提供する。これには、ファイル名やディレクトリ名の大文字と小文字の区別やアクセス権、ハードリンク、互換性を持つタイムスタンプのサポートが含まれる。
代替データ ストリーム(マルチ データ ストリーム)
NTFSは、一つのディレクトリ エントリに対して、複数のデータ ストリームを持つことができる。これはMacintoshで使われるHFS+におけるマルチ フォークに相当する機能で、ファイルの概要情報やアクセス制御リストなどはこの機能を利用してディレクトリ エントリに結び付けられている。
頑健性とセキュリティ
堅牢性の向上
突然の電力供給停止などの障害が発生した場合、
トランザクションログから、実行した処理をロールバックし、ファイルシステムの不整合を発生させないジャーナリングファイルシステムをサポートしている。
耐障害性
ハードディスク内の不良セクタを動的に認識する。以降そのセクタを含むクラスタに対するアクセスは別のクラスタに代替されるようになる。冗長性のあるダイナミック ボリュームまたは記憶域スペースを使用していなかった場合、不良セクタにあったデータは回復されない。
セキュリティの向上
ファイルやディレクトリごとにACLによるアクセス権の設定が可能である。また、ファイルアクセスの監視を行う設定も可能である。
ディスククォータ
Windows 2000以降のNTFSは、ユーザーごとのディスクの使用量の上限を設定できる。Windows Server 2003 R2からは、ディレクトリごとのディスクの使用量の上限を設定することができるようになった。
暗号化
Windows 2000以降のNTFSは、Encrypting File Systemをサポートし、NTFSボリューム上のファイルとフォルダの透過的な暗号化をサポートしている。これは圧縮機能の一実装であり、暗号化されたファイルやフォルダは常に圧縮されている。暗号化を利用した場合、自分自身の証明書を失うとシステム管理者を含めて誰も永久にアクセスできなくなる。
スナップショット
Windows XPおよびWindows Server 2003以降では「ボリュームシャドウコピーサービス(英語版)」(VSS) と称するスナップショット機能が導入された[5]。Windows付属のバックアップ ユーティリティ (NTBackup, Backup and Restore) はボリュームシャドウコピーサービスを利用しており、ある時点のボリュームの状態を正確にバックアップできる。Windows Server 2003 Service Pack 1以降のWindowsではChkdskにVSSを利用し正確なチェックが行えるようになり、本来なら修復が不要なボリュームをオフラインにせずに済むようになった[6]。また、Windows Server 2003Windows Vistaにおいては、ボリュームシャドウコピーサービスによってファイルの世代別保存を実現する[7][8]
変更ジャーナル
ファイルに対する変更を記録する。
容量効率の向上

Windows NT 3.51からサポートされたファイル圧縮をNTFSもサポートしている。LZNT1アルゴリズム(LZ77の変種)を使用したファイル単位での透過的な圧縮をサポートし、ディスクの空き領域を増加させることができる。ただし、4 KiBを超えるアロケーション ユニット サイズでは圧縮機能を利用できない。

加えて、スパースファイルもサポートする。ファイルの一部が0で埋められている場合、クラスタ単位で0で埋められている領域をスキップし、ディスク容量を節約する。これはデータベースのハッシュテーブル ファイルや仮想マシンの仮想ハードディスク ファイルなど大部分が0で埋められているファイルで効率よく働く。

NTFSには小さなファイルをファイルのメタデータと一緒にMFT内に収める機能がある。これはアロケーション ユニットを割り当てない事による若干の容量面のメリットとユーザーデータの読み取りにメタデータとは別のI/Oを必要としない速度面のメリットがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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