NTTドコモ
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積極的なFOMAエリアおよびFOMAハイスピードエリアの拡大によって通信エリアによる顧客満足度が向上し、2009年3月にはデータ通信における顧客満足度で1位になり[47]、2009年7月の携帯電話純増数でも第1位になり2009年度全体でも純増数が4年ぶりに1位となっている[48]。また2010年にはJDパワー顧客満足度調査で初めて業界1位を獲得した[49]

現在、世界中の通信事業者が導入し始めている第3.9世代移動通信システムの規格である Long Term Evolution (LTE)についても、ドコモは「Xi(クロッシィ)」という新たなサービスブランドで、2010年12月24日よりサービスを開始し、東京・大阪・名古屋から政令都市・全国へと基地局を増やしている。「Xi」の導入によって導入当時一部の屋内エリアで最大75 Mbps、その他のエリアで最大37.5 Mbpsの通信速度が利用可能となった。一部地域において2012年冬より受信最大速度最大112.5 Mbpsにまで、2013年夏より受信最大速度最大150 Mbpsにまで向上した。
スマートフォンとiPhoneへの参入遅れHT-03A」日本初のAndroid搭載携帯電話(HTC Magicベース)

2006年10月に開始した「番号ポータビリティ (MNP)」では当初苦戦し、2006年11月度の契約数が自社初の純減となった。その後も、auに比べ純増数が少ない状態が続いた。さらにはソフトバンクにも純増数で劣り、MNP開始後2社に大きく遅れをとった。また、2008年1月度はイー・モバイルにも純増数で劣った。ドコモは2007年5月より「DoCoMo2.0」という旗印で顧客獲得を狙ったが、2007年8月度に、創業以来2度目の純減 (-22,900)となった。

この純減状況に、更なる追い打ちをかけたのが、フィーチャーフォンに変わる「スマートフォンの台頭」と、2007年WWDCで発表されたAppleのスマートフォン「iPhone」の登場である。とりわけiPhoneは、画面上を指の操作によるマルチタッチ機能が、斬新で直感的な操作体系に加えて、パーソナルコンピュータとほぼ同等の機能を持つ「フルブラウザ機能」と「電子メール機能」を搭載したことで、iPhoneの市場規模が拡大した。翌年の2008年に発表されたiPhone 3Gにて、ソフトバンクが参入したことで、日本国内においてもスマートフォンが普及するきっかけとなった。

スマートフォンの台頭で、ドコモも対応に追われ、2008年7月から新しいドコモブランドに変更することとなった。2008年11月には「90X・70X」といった数字による携帯電話の付番方式を改め、型番を整理し、docomo PRIME series, docomo STYLE series, docomo SMART series, docomo PRO seriesといった4つのシリーズに分類するようになり、2008年度からは1100シリーズ、docomo PRO seriesでWindows Mobile, BlackBerry, AndroidGoogleケータイ)といったスマートフォンを立て続けに発売した。

2010年夏からはスマートフォンを PRO series カテゴリから独立させ「ドコモ スマートフォン」とし、2010年9月にはスマートフォンでもiモードのメールアドレスなどが利用できる「spモード」がサービス開始になった。

2011年冬季モデルの端末からは、従来型携帯電話の上位シリーズを「docomo STYLE series」に統合してスマートフォンを主力に位置付けた上で、ワンセグやおサイフケータイといった従来型携帯電話に搭載されていた機能を付け加えた「docomo with series」と、旧来の「ドコモ スマートフォン」の流れを引き継ぐ先進的なユーザー向けのスマートフォンという位置づけとなる「docomo NEXT series」の2つのシリーズに分類した。2011年冬モデル以降は「Xi」対応の音声通信端末が発売された。

しかし、これまで通信規格「CDMA」の問題で、iPhoneに参入出来なかったauが、iPhone 4sの発売と同時に参入したことで、iPhone 3GS以降の機種で、FOMAの通信規格に対応していたにもかかわらず、ドコモだけがiPhoneを取り扱わない状態に陥っていた。これは、ソフトバンクのiPhone参入時からドコモのiPhone参入時までの間に、ドコモでは2度の社長交代が行われており、経営方針の変更を余儀なくされていたのに加えて、2010年のパケットビデオ社の買収や2012年のNOTTVの放送開始、当時のドコモの傲慢な態度も、ユーザーの不評を買う要因となっていた。

その影響を受けて、2008年夏以降は番号ポータビリティ転出数や解約率の低下が顕著になり、同年12月にはMNP制度開始以来初の転入超過となっている[50]。2012年1月には初めて「FOMA」契約が純減となり、iPhone参入までの間は、苦戦が続いた。

このような過去の失敗と反省を踏まえて、ドコモは経営戦略の見直しを図り、新たに「2トップ戦略」を打ち出し、ソニーエリクソンサムスン電子のスマートフォンに、販売奨励金をより多く投入すると共に(結果的には失敗に終わるが)、2013夏季モデルの端末からは、「docomo with series」と「docomo NEXT series」の2つのシリーズによる分類も無くなった。

2013年秋には、ソフトバンク、auに続いて、日本国内でのiPhone参入 (iPhone 5s / 5c) をようやく果たした。
近年の課題・新サービス

他社に比べ料金プランや端末価格が高額というイメージがあることなどが挙げられる。FOMAでのパケ・ホーダイ(iモード通信を対象としたパケット定額制料金プラン)・パケ・ホーダイフル(iモード通信・フルブラウザを対象としたパケット定額制料金プラン)(パケ・ホーダイダブルのサービス開始に伴い、2008年12月31日をもって新規申込受付を終了)の導入や利用可能エリアの拡大、サービスや端末のバリエーションの強化、家族間通話24時間無料[注 8]などファミリー割引の強化、料金プランのFOMAとmovaの統一、ファミ割MAX50ひとりでも割引50の導入による料金が高額というイメージの払拭、新料金体系(バリューコースベーシックコース)導入に伴う端末の割賦販売の開始[51]、さらなる高速パケット通信規格であるHSDPAの導入、MOAPといったソフトウェアにおける共通プラットフォーム開発などの対抗策を打っている。

2004年には「iモードFeliCa」を開始した。愛称は「おサイフケータイ」で、これを基にした「モバイルSuica」のサービスも行われている。「おサイフケータイ」は他社にもライセンスが供与されている。

2006年8月31日、HSDPAと呼ばれる高速パケット通信規格を使用したサービス「FOMAハイスピード」を開始した[52]。HSDPAは第3.5世代移動通信システムの高速データ通信の受信規格(ダウンロード)に相当する。これを利用した、「着うたフル」の配信や深夜に音楽番組を自動でダウンロードする「Music&Videoチャネル」も行っている。また、同じ第3.5世代移動通信システムの高速データ通信の送信規格(アップロード)であるHSUPA方式の「FOMAハイスピード」も採用され、FOMAのデータ通信サービス「FOMAハイスピード」は送受信とも高速化を実現した。更に、第4世代移動通信システムに相当するXi(クロッシー)第5世代移動通信システムへの新方式の研究・開発を積極的に行っている。

2008年度からは、今までドコモが作ったビジネスモデルであるiモードシステムでは開拓しきれなかった分野にも取り組んでいる。

2010年9月より、スマートフォン用ISPサービス「spモード」をサービス開始、ワンセグ、おサイフケータイ搭載のスマートフォンの発売を開始、更に大日本印刷との提携により同社のスマートフォン向け電子書籍配信サイト「2Dfacto」を立ち上げるなどして販売拡大に取り組んでいる。

2011年9月からは、タブレット端末を新たなカテゴリ「ドコモ タブレット」で展開している。また同年4月1日以降に販売する端末は、総務大臣が示すガイドラインに基づき、iPhoneを除いた全ての携帯端末で、SIMロック解除可能(SIMフリー)とした[53]

更に2014年夏には、「Xi」による高音質通話サービス「VoLTE」(Voice over LTE) が開始された。

2015年2月から、「口座振替のご案内の封書」は有料化され、郵送料は50円(消費税抜き)、請求書払いは100円(消費税抜き)の取扱手数料が掛かるようになった(eビリングは継続)。同年、タカラトミーと共同で、コミュニケーショントイ・オムニボット「OHaNAs」を開発した。「しゃべってコンシェル」の技術を応用し、円滑な会話が可能となっている[54][55][56]

2019年秋、ラグビーワールドカップ2019に合わせ、5Gのプレサービスを開始し[57]、2020年3月25日に5Gサービスを正式に開始した[58]

2020年9月には、今後の6G携帯電話への研究開発に向けてのNTTグループとしての国際競争力を高めるなどの狙いから、日本電信電話によるドコモの完全子会社化が発表された[59]


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